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英語における核語彙・基本語彙・成人語彙

議論が混乱するといけないので、まず3つのターム①と②と③に「私が与えた定義」を書いておきます。

なお、「核語彙」や「成人語彙」というタームは私の発明です。

① 核語彙:「ニューヴィクトリーアンカー英和辞典」において中学必修語とされている語彙(507語)

② 基本語彙:「ジーニアス英和大辞典」においてAランクとBランクに分類されている語彙(約8900語)で、①の核語彙を含む。

③ 成人語彙:「Random House Webster's Intermediate English Dictionary」におけるすべての語彙(約45000語)
で①の核語彙及び②の基本語彙を含む。

ただし、この定義は無用な議論(=当人は気付かないままに、実は定義の違いだけにこだわってそれ以上進展しない堂々巡りの議論)を避けるためのものなので、各タームが意図する語彙数は厳密なものではありません。核語彙が500、基本語彙が10000、成人語彙が50000としてもかまいません。だいたいのイメージを抱くことができればよいと考えています。


成人語彙について

成人語彙を45000語とした根拠は、上記 「Random House Webster's Intermediate English Dictionary」の巻頭に記されている「This dictionary covers the most common words and phrases in the English language.」ということばです。従って、成人語彙とは「the most common words and phrases (誰でも知っている語彙)」を意味します。

私が言う「成人」とは20歳以上の英語のネイティヴを指します。

最近出版された「小学館 日本語新辞典」の編集方針の冒頭に、「本辞典は、特に、日本語の豊かな表現に役立つ国語辞典をめざし、現代生活に必要な約六万三千語を、現代語を中心に収録した」と記されています。この約六万三千語も日本人が日本語の成人語彙として習得の目標にできる語彙群だと考えます。

この「小学館 日本語新辞典」は、さらに注目すべき特徴を備えています。この辞典の編集を指揮された松井栄一先生は「序」において、「...振り返ってみると、これまでの国語辞典の利用者は、大半が幼いときから日本語を使って育ってきた日本人であった。だから、そのことばに当てる漢字表記や簡単な意味の記述が示されていればそれでよいと考えられてきた。しかし、現在では、日本語を学ぶ外国人が使用することも考慮に入れる必要があるし、類似の意味のことばの違いを外国人に聞かれたときに、答えることができるような配慮も必要である。本書は、こういう要求に少しでも応じられるようなものにしたいととの趣旨で編まれた...」と書いておられます。

日本の成人語彙のモデルたるべき辞典が、私たち日本語ネイティヴのためだけではなく、非ネイティヴの日本語学習者も念頭に入れるようになったことは、実に楽しくうれしいことだと思います。

参考のため、以下に、堀紘一氏の成人語彙(5万語)に関するコメントを引用しておきます。

出所: http://www.dreamincubator.co.jp/info/article/fr_publish19.html

(引用開始) 英語を学ぶという点では、現在の日本はおそらく、世界最高の環境にあると思う。英語がしゃべれず、そのことに劣等感を持ち、何とか英語ができるようになりたいという人が実に多い。そのため英語教育に必要な場所も教材も、完璧にそろっているといえるだろう。ただし注意しておきたいところもある。巷に溢れる英語学校に入ればそれで英語がうまくなるかといえば、僕はそうは思わない。日本人には、ひどい英語教育を受けてきた反動として、極端なネイティブ・スピーカー信仰がある。ネイティブと話せばきっと英語がうまくなる、だから学校へ行くのだと。しかし言葉を教えるということは、そんなに簡単なことじゃない。我々日本人に英語を教える教師には、英語学の知識はもちろん、外国人に教える場合の技術など、さまざまな知識と能力が求められる。単なるアルバイト的な講師では無理なんだね。だから、これから英語を学ぶ人にとっては、英語学校に通うことの優先順位は高くないと、僕は思うわけだ。
 では何から始めればいいのか。話は簡単だ。語学の基本はボキャブラリーだ。知っている単語が並んでいれば、文法などわからなくても内容はかなり理解できる。逆に、いくら文法を知っていても、単語の意味を知らなかったら何もわからない。不自由なく仕事をこなすためのボキャブラリーの目安は5万語。これは英語に限った話ではない。これが基本として必要になるボキャブラリーで、そこに数千の、業界における専門的ボキャブラリーが追加されると考えてほしい。
 5万語というのは、大学を卒業するレベルのボキャブラリー数で、専門学部の用語などを除いた基本語彙だ。先にも述べたが、英語、フランス語、ドイツ語などでは、難しい単語になるほど綴りも意味も共通ということがある。そのためひとつの言語を身につけてしまえば、後は比較的簡単だ。しかし日本語の場合はそうはいかない。基本的にすべての単語を学んでいかなくてはならない。これは生易しいことではない。そこで僕がまずお勧めしたいのは、NHKのテレビやラジオで放送されている英語の番組だ。テキストは週刊誌並みに安く、先生も優秀。基礎から会話までコースもいろいろある。かつては放送の時刻にテレビの前にいなくてはならなかったが、今なら1週間分をビデオで録画しておいて、週末にまとめて勉強することができる。テープ代なんてただみたいなものだろう。これを継続していくことが、一番いいのではないかと思う。 ビデオを何回も観るのも、いい方法だ。例えば、映画なら2,3回も観ればストーリーや展開はすっかり頭の中に入ってしまうから、そこから先は音声を英語だけにして繰り返し観る。無味乾燥ではないし、楽しい。もうひとつは、自分の英語力に見合った英語の本を読むこと。ここで注意したいのは、いわゆる英文解釈において正確を期すことに集中すると、進みが遅くなって、それこそ続かない。飽きてしまう。だから、わからない単語のひとつやふたつは飛ばしてどんどん読み進めていくことが大事になる。自分の英語力に見合う本というのは、つまり、辞書を引かなくても何とか読み進められる本ということだ。英字新聞や雑誌も同じようなレベルのものを見つけるのがいいと思う(引用終了)

堀氏は、私が「成人語彙」とする五万語を「基本語彙」としている。しかし、5万語の位置づけはまったく変わらない。ぜひ必要な語彙であるという点でぴったり一致している。

異なるのは「5万語の習得法」である。堀氏の方法では永久に五万語を獲得できない。堀氏自身がそんな方法で5万語を獲得したわけでもまったくない。

つまり、私が5万語を達成した「辞書暗記」の他に、口だけの提案は山ほどあるが、「実際に成功した方法の具体例」は聞いたことがない。


核語彙について

たとえば、米国の主婦は友だちと電話で2時間ほどしゃべりまくっても使っている語彙は500語程度の場合があるそうです。この500語はまさに核語彙で、それを自在に駆使できるのはネイティヴだけです。make や give が頻繁に登場し、to や in も軽々と動き回ります。熟語やそれに準じる表現もなめらかに活躍します。見事な核語彙の乱舞です。妙に硬い表現やちぐはぐで分かりにくい構文も登場しない。

この核語彙は日常会話のまさに主役となる語彙群です。日本人が最もマスターしにくい語彙群でもあります。

この核語彙にできるだけなじむ方法は4つあると思います。

① 実際にネイティヴと話してことばをやりとりするなかで各語彙のニュアンスを実感し把握する

② SSS多読法を通じて、まとまった文脈の中での核語彙の機能を理解する。

続く...

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コメントにお答えする(5)

みなさん、「アンチ・バベルの塔」へ、ようこそ!

マルタ島の石ころさんへ。

丁寧なコメントありがとうございます。

”こんなことをしている人は見たことも聞いたこともないので自信がなくなり、直ぐ止めてしまいました”

自分にとって興味があり、少しでも効果があると思ったら、「人のことは無視」して、とりあえず全力投球するのが私の主義です。他の人からいかに珍奇なやりかたに見えても本人に確かな手ごたえがあればそれは正しいやり方だと考えています。一芸に秀でた人はそれぞれに独特の方法を持っています。また、独特の方法を持たないで傑出した業績をあげる人はいないでしょう。

自分独自の有効な方法の確立=成功です。

”あの量は半端ではないので、まず**印の中学学習語約1100語から初めて、*印高校学習語約3400語・・・と辞書にはレベルがありますよね?徐々にレベルを上げながらとやっていこうと考えました”

正解です。私は今総語彙数17万語の辞書を暗記していますが、最初は3万語前後の辞書でした。そして何度も挫折を繰り返しました。しかし、どんなに時間がかかろうとも辞書暗記が―少なくとも自分にとっては―最も効率がいい方法だと分かっていました。

”「Longman Essential Activator」がありますので、これも使えないかなぁなどと考えています”

すばらしい辞書です! もちろん、私も時々参照しています。

”私は、今、中学生を主に教えている予備校講師ですが、レベルは準1級レベルです。正直こんな力で人に教えるなんてなんとも恥ずかしく、毎日申し訳ないと思いながら教えてます”

中高の先生で1級に達している人はほとんどいません。私も教えながら必死に勉強しました。必死に勉強し必死にしかし優しく教えてくれる先生は大もてになりますよ!バレンタインにはチョコレートが殺到します。今も仕事を通じてまたは別ルートで勉強を続けています。勉強は私の生活の1部であり、そうできることを非常に幸せに感じています。

”これからもk.yさんにコラムを楽しみしております”

ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

みなさんが5万語を達成するようになったら、「五万語倶楽部」を結成しようかと密かに目論んでいます。


SNさんへ。

”確かに根気が一番のポイントかもしれません”

いや、ほとんどそれだけです! 「希望に満ちた根気」です。


ditaさんへ

”だいぶ寒くなってきましたね。机に向かっていると足が寒いのでとうとう先日より足温器を使用しています”

ほんとうに肌寒くなってきました。私の書斎はログハウス ― 22畳のワンルーム ― ですがおかげでまだホンワカと暖かいです。もうじき灯油ストーブを使いますが、それはそれで暖かく快適な部屋になります。夏も大好きですが冬も―広い屋敷の雑草駆除がないので―仕事や勉強に専念できて最高です。

”最近の私の「辞書暗記」の進み具合なのですが、A,Bと最初はとても丁寧すぎるくらい丁寧に読んでしっかり記憶に定着させようと意識して進めていたのですが、途中で時間がかかり過ぎることに気づき、とりあえず1回目は軽く通読していこうと思いなおしました。少し気が楽になりました。
まだまだ先は長いですからね。^^; 2万語、2万語♪”

正解です! dita さんはまだとても若い方、時間はあります。5年かけて2万語覚えたとしてもりっぱにプロフェッショナルのレヴェルになります。

”「ロングマン ワードワイズ英英辞典」です。1万数千語の見だしです。ここに記載されている例文をすべて使いこなせるようになったら、どんなにすばらしいでしょう”

私は辞書のコレクターですから良く知っています。「どんなにすばらしい」どころではありません。dita さんの頭脳は垂涎(すいぜん)の的になりますよ!

”私はそういうことって単に語彙を知っているけれども、その場での使い方が適切でない場合に相手にそう感じさせてしまうのだと思い、そいう話しを聞くとますます、まずは最低限として初級用の辞書に出てくる語を適切に使いこなせるようになりたいと思うんです”

もう大賛成です!

おもしろそうなインド人の方と知り合いになれてよかったですね。どうぞ、楽しみながら見習ってください。誰かとやり取りすることばはまた格別の味わいがあります。

See you later, dita-san.

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なぜ5万語前後の語彙数が必要なのか?

リスニングやスピーキングに関してはすばらしい方法を提示するサ
イトがありますが、1万2千語以上の語彙を獲得する具体的な方法
を提示したサイトや研究もありません。

そこで私が提唱しているのが辞書暗記なのです。欧米の雑誌を精読
しながら語彙を増やすと言う人も多いです(実際に長期にわたって
実行している人は稀ですが...). しかし、そのやり方で5万語を
達成する時間はあるでしょうか? ありません。私の計算によれば
一生かかっても無理です(具体的な計算は私のコラムをご覧くださ
い。)

そんな語彙数は必要ないと言う人も多いです。語彙数の絶対不足に
よる不便を合理的に「自覚」しながら様々な理由でそれ以上の語彙
獲得を自分に課さないという人もいます。それはそれでひとつのり
っぱな見識だと考えますが、私は十分な語彙を増強したいと思って
います。

○ 「知らない語彙があっても前後関係などで意味が類推できれば
いいではないか。現に日本語の新聞や雑誌を読む場合でも知らない
語彙があるが別に支障はない」と主張する人があります。

しかし、日本語の場合その人の既知語彙数は3~5万語に達してい
ます。成年になった英語のネイティヴの語彙数もほぼ同程度でしょ
う。

「3~5万語の語彙数を背景にして数少ない未知語彙の意味を類推
する状況」と「せいぜい5千~1万語(この数も日本人にとっては
大きな数ではありますが)の語彙数で未知語彙の意味を類推する状
況」を同列に論じるのは不可能です。

○○の語彙数があれば95%をカヴァーできるというような議論も
実証研究もあります。ところがこれは統計的な数値であって、現実
にはそうではない場面に遭遇することが珍しくありません。ひとつ
の単語が不明なために1節全体の意味を取り違えてしまうこともあ
るのです。

そもそも、人が普通に教育を受け普通に生活していく中で自然に獲
得する語彙数がなぜ3~5万語なのか? 

その数が生身の人間として絶対必要だからでしょう。

3~5万語は、Random House Webster's Intermediate
English Dictionary(総語彙数4万5千語)の巻頭に書いてあ
る表現を使えば、「the most common words and phrases」=
「だれでも知っている語彙」なのです。ましてや、難解語では断じ
てありません。

さらに、語彙数は、単なる語彙力だけではなく、言語能力全般を示
すものでしょう。

「むやみやたらと辞書を暗記する」という表現があります。しか
し、「むやみやたらと」辞書など暗記できるものではありません。
既知語彙の数だけが突出することはないのです。それ相応の英語力
がないと脳が受けつけません。

私が「辞書暗記の段階」を主張するのはそのためです。まず5千~
1万語の英和辞典、次に2~3万語の英和辞典、3万語を超えた時
点で英英和辞典、それ以後は英英辞典に取り組むのが良策だと思い
ます。

5千~1万語の段階で同程度の英英辞典を併用できればすばらしい
ことです。

中学生用の辞書でも構いません。暗記しなくても構いません。一度
じっくり読んでみることをお勧めします。いかに豊穣な世界がそこ
に広がっているか実感できるはずです。浅薄な単語帳の世界とは別
世界です。

辞書暗記は、「いわゆる丸暗記」ではありません。「意味群の暗
記」なのです。私はターゲットの辞書を主にして、もちろんインタ
ーネットやブリタニカやその他の辞書参考書なども併用しながら、
「ディクショノポリス=辞界」を探索し各語彙(単熟語その他)の
意味を暗記します。

なお、ネイティヴが使う英英辞書は非ネイティヴ向けの学習用英英
辞書とは異なります。「the most common words and phrases」
以上の語彙力がないとネイティヴ用の辞書は活用できないからで
す。日本語を学習する外国の人がいきなり「広辞苑」を利用するの
は不可能です。「広辞苑」を利用できるのは限られた上級者だけで
す。

○ 英検準1級に合格できる人なら「辞書暗記」はひとつの有力な
選択肢になると思います。脳が受け付ける段階に達していると考え
るからです。

もちろん、他にも5万語を獲得する有効な方法があるかもしれませ
ん。誰も実証した人を知らないだけです。「口だけではない実証済
みの代替法」などがあればぜひ知りたいです。

なお、英検1級の合格だけが目標であれば大学受験の延長的な勉強
だけでも可能です。

○ 辞書暗記に対するコメントも大歓迎です。どうぞ私のコラムを
訪れて下さい。

追記:PHP新書「最強の英語上達法」岡本浩一著は、英検1級以上
を目指す人にお勧めしたい本です。

Thank you.

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コメントにお答えする(4)

Ojiji さんへ

過分な評価をいただき恐縮の限りです。

『自らの英語力増強が、生徒の英語力につながると信じている』

Ojiji先生に教えられている生徒たちは実に幸せです。彼らがそのことに気付いているか否かは定かではありませんが、熱意は伝わるものだと思います。

熱心に勉強を続けておられる先生はおそらくそんなに多くはないと思います。私の親友のひとりも公立高校の英語教師ですがもう英語にはまったく興味がない風情です。

教育現場の人たちが担当教科について勉強意欲を失う最大の原因はほぼ完全な身分保障だと思います。

Ojiji さんの場合はそんな先生でありながら ― と言っては失礼ですが ― TOEIC980,TOEFL277(CBT),英検1級とはすごい! 生徒たち、特に勉強に興味を持つことができる生徒たちのあこがれの的じゃないですか!?

私の場合は自分で選んだ道とはいえまったく保証のない身分でした。常に教授テクニックや英語力を磨かないと不安でたまらない事情がありました。もっとも、そんな境遇を楽しんでいる面もたしかにあります。

『松澤さんのHPや鵜田さんのHP』

最近になるまで、こんなに具体的で、自ら実証済みの、しかもかなり高度な英語力を達成する方法を提案し実施できる人はいなかったでしょう。インターネットの普及がもたらしたすばらしい恩恵のひとつですね。

『特に話すこと聞くことに関しては、非常に強大なバリアが存在するように感じています』

まさに同じように感じます。

私も―大阪は河内の土着民で―「純ジャパ」そのものです。

英会話学校ではブースで生徒に英会話を教える ― あれが教えると言えるのかどうか疑問ですが ― ことが多いのですが、その周辺ではネイティヴの講師たちも教えています。だから、お互い筒抜けです。暇なときは彼らとよく雑談をしましたが、私のことを「アメリカ人だと思った」と言われたり、「アメリカのどこ出身ですか?」と聞かれたりしました。

確かに発音やリズムは米国中西部の雰囲気です(とネイティヴに言われます)。イギリス人などはそれをおもしろがったりします。

しかし、しゃべりで彼らに太刀打ちできるとはとても思えませんし、聞き取れないことも珍しくありません。だから、ペーパーバックを読んでいるほうがずっと楽しいのです。

ただし、ネイティヴと同様に聞き取れる分野がひとつあります。「株取引」の分野です。英語を使ったスリル満点の実戦経験があり(今もそうですが)、関連分野の本も翻訳出版しているからです。

『これまで、Timeやペーパーバックや英語教育の専門書を読んだりする中で読解力と語彙力をつけてきましたが、これでは全然間に合いません』

私が「アンチ・バベルの塔」の建設を始めたのは同様の経験があるからです。ネイティヴでも20年かけて蓄積する語彙力(4~15万語)に追いつくためには、だれもが利用する方法では効率が悪い。計算すれば分かりますが、この先一生かかっても追いつけません。

『途中経過を報告できたらと思います』

ぜひ、お願いします! 

真摯で貴重なコメントをほんとうにありがとうございました。

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好きなことば(1)

中山恒夫先生は、「ラテン語練習問題集(白水社)」の著者ですが、その問題集の裏カバーに次のことばを記されています:


失われた時を求めて
典雅なる知の遊戯を楽しんでみませんか
一生の愉楽です
退屈しているひまはありません


失われた時 = ラテン語の世界ですよね。

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あるかもしれない誤解

もし下記のようなようなことを本気で信じているとしたら、それは
とんでもない誤解です。

1 英検1級に出題される語彙の問題は難解でネイティヴでも使わ
ないものである。(本、新聞、雑誌の語彙としては極めて普通のレ
ヴェル=常識です)。

街の英会話学校で「英会話」を教えているネイティヴの中にはかな
りレヴェルの低い人も多い。そんな人は英検1級の語彙は難解だな
どと言い、それを真に受けている人がひょっとしたらいるかもしれ
ない。

2 英検1級の読解問題が難解である。(まったくそんなことはあ
りません。先のカナダの最高裁の記事ももちろん同様です。あれが
日本語なら、それなりの日本人が読めばごく普通の司法関連記事で
す)。

数百万人の読者数を誇る新聞や雑誌に難解な記事などほとんどあり
ません。そんな記事を書いたらだれも読まなくなるからです。ま
た、稀にそんな記事が掲載されることもありますが、それが英検1
級の読解問題になることはありません。それこそ「難解」で良問と
は言えなくなりますし、そんな必要もありません。

「文法や構文」をマスターしそれなりの「日本語での教養や論理的
思考力」があるにもかかわらず英語の読解問題が難解だと感じるな
ら、それは、問題が難解だからではなくて、「語彙不足」が原因で
す。外国語だから難解に思えるに過ぎません。

それなりのネイティヴなら何の苦もなく読んでいる記事をひょっと
して「ほんとうに難解」だと思い込んでいるとしたら、それは誤解
です。普通に話すときの語彙とプロのライターが書く記事で使われ
る語彙はかなり異なります。

ただし、英語のネイティヴもピンからキリまであり、それは日本語
のネイティヴの場合でもまったく同じです。

ちなみに、下記の語彙問題(1~15)は、米国の高校3年生が卒
業前に全国一律で受けるSAT(大学受験適性テスト)の語彙パー
トの過去問です(「アメリカからみた日本人の英語」黒川省三著よ
り引用)。

1 aberrance

2 anomalous

3 apocalyptic

4 camaraderie

5 chimerical

6 contumacious

7 deleterious

8 enervate

9 mendacious

10 puissance

11 punctilious

12 poltroon

13 quiescent

14 sententious

15 sycophancy

事実を誤解したら前へ進めなくなります。

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創作集

[ 見事な庭 ! ]

えんがわや したたるみどり ことりたち 

( 縁側や 滴る緑 小鳥たち )


[ 紫陽花 ] 
 
いとのよな あめうけつやか あじさいは

( 糸のよな 雨享け艶か 紫陽花は )

享(う)ける = 天から授(さず)かる


[ 静かなひととき ] 

あめやみて サンサーンスの バイオリン かろやかにしむ わがへやにいて

( 雨止みて サンサーンスの バイオリン 軽やかに染む 我部屋に居て )


[ 梅雨 ] 

あまおとは ゆめかうつつか うたたねに

( 雨音は 夢か現か 転寝に )

雨脚(あまあし)は果てしなく...夢の中まで降り続き...


[ 夜空の下 ] 
 
つゆぞらの そこにひしめく まちあかり

( 梅雨空の 底に犇く 街灯り )

眼下はるかに濡れ光る....


[ 梅雨美人 ] 
 
あじさいに みとれるひとを みそめたり

( 紫陽花に 見惚れる女性を 見初めたり )

ほんとうにきれいなひとでした!


[ 槿の花 ]

ひらりゆれ あついですねと えしゃくする むくげのはなは むらさきのかぜ

(ひらり揺れ 暑いですねと 会釈する 槿の花は 紫の風) 


[ ススキの穂波 ] 

あきののは ぎんぱくのなみ すすきかな

( 秋の野は 銀白の波 薄かな )


[ 並木道 ] 

あきのひに いちょうきらめき ちるほどう

( 秋の陽に 銀杏煌めき 散る舗道 )


[ 秋の街灯り ] 

まちあかり きりえのごとく いちょうしき 

( 街灯り 切り絵のごとく 銀杏敷き )


[ 慈照寺(=銀閣寺)の庭 ]  

しゅうれいの せきていにすむ つきあかり 

( 秋冷の 石庭に清む 月明かり ) 


[ 晩秋の枯れ葉 ]

かーてんに とおるはかげの うすさかな

( カーテンに 透る葉陰の 薄さかな )


[ 冬の遠景 ] 

としのせの にしびほのかに やまのみね

( 年の瀬の 西陽仄かに 山の峰 )


[ 雪の緑!]

たけゆれて ゆきうちはらう みどりかな

( 竹揺れて 雪打ち払う 緑かな )


[ 厳寒の月を臨(のぞ)む ] 
 
ろばたにて はるかにこおる つきさかな

( 炉辺にて 遥かに凍る 月肴 )


[ 淡い恋 ] 

つきかくす くもになりたや ひとりじめ

( 月隠す 雲になりたや 独り占め )

美しい月を○○にたとえて...


[ 夜桜 ]

よざくらや つきかげみちて さやかなる

( 夜桜や 月影満ちて 清かなる )

月影 = 月の光


[ でっかいお月様!] 

よいのまち おおきなつきを かかげたり

( 宵の街 大きな月を 掲げたり )


[ 希望の春] 

あもししに こらがつれそう さくらかな

( 母父に 児等が連れ添う 桜かな )

醍醐寺はピンクに染まり、宝飾展が開催されていました。


[ 美しい地球] 

ほとばしる みどりつやかに にしびかな

( 迸る 緑艶かに 西陽かな )

桃源の里...


[ 若葉 ]

そよかぜに ゆらぐわかばの やわらかさ

( 微風に 揺らぐ若葉の 柔らかさ )

Young leaves,

Trembling softly

In the spring breeze,


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ditaさんへ

あまり整理できていませんので、ポイントだけ記します。

『「ワードパワー」のいわゆる基本語から暗記に入りますが、それとは別に「TIME」などに出てくるような単語のみをカードにしていけばいいのでしょうか?』

「ワードパワー」とその他は全く別ルートにしたらいかがでしょうか?「タイム等」は別のカードにまとめたらと思います。私も、数種類のカード(辞書、表現集、モデル文の転写など)を使い分けています。

「辞書暗記」は独立させたほうが、効率上も、整理上も、いいと考えます。「何ページまでは全部覚えた!」という達成感を明確に持つためにもそのほうが良策でしょう。

「辞書1冊を頭脳に格納すること」は巨大プロジェクトであり、得がたい快感でもあります。ひとつの明確な基準、ないしは大建築物の礎石になります。

尚、1級受験の応急対策として「パス単」などを徹底暗記することはいいことです。あの程度なら、カードでやれば楽勝でしょう!

当面の目標は1級合格ですから、それに焦点をあてて抜かりのないようにしましょう。リーディングもリスニングもエッセーもありますから、バランスを欠かないように配慮が必要です。

Enjoy !

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ditaさん、ようこそ、アンチ・バベルの塔へ!

私は、今、丸善書店の洋書売り場と他の書店もはしごをして帰ってきました。本屋へ行くといろいろなアイデアがふつふつと湧いてきて、夢が膨らみます。わが心のオアシスです。

もうひとつ私的なビッグニュースがあります。今日司法試験の発表があり、次男がついに論文試験に合格しました。先日は長男が弁理士試験の論文試験に合格し、兄弟そろって難関を突破したわけです。二人ともまだ口述試験が残っていますがもう大丈夫です。ホッとしました。And I'm very proud of them!

さて、本題に入ります。

○ 「辞書信頼派」:

しっかりした辞書は、完全無欠ではありませんが、市販の単語帳などに比較したら段違いに信頼度が高いです。優れた人材が執筆や編集を担当し、激しい辞書市場を勝ち抜いた商品だからです。これをもっと利用しない手はありません。

○ 辞書暗記に至る私の英語遍歴

最初に語彙の暗記に乗り出したのは英検1級受験のためでした。英会話学校でフルタイムのティーチング・スタッフをしながらコツコツ勉強を続けました。しかし、3回も筆記試験に失敗しました。その最大の原因は語彙が貧弱だったからです。

当時は私も市販の単語帳で勉強していたのですが、いかにも粗製濫造の感がしていやになり、辞書の暗記に切り替えたのです。

最初に暗記したのは総語彙数が3万語程度の英和辞典、次は、三省堂の「ニューズ英語辞典」で総語彙数は3万4千語でした。おかげで―もちろん英文解釈も文法もがんばりましたが―1級の筆記試験は軽く合格しました。

1級の面接のスピーチもボキャビルを話題にして実にスムーズに舌がまわり、話し終えるのとタイムキーパーの合図が同時でドンピシャのタイミング。その時点で合格を確信しました。もっとも、仕事柄、英語をしゃべることには慣れていましたが...

その後英会話学校を辞めて大学受験の予備校で教え、併行して他の英語学校の英検講座(1級及び準1級)を担当し、アルクの語学カウンセラーもしました。その間に文法も懸命に勉強しました。私は文法も大好きです!役にも立ちます。翻訳するときも文法は強力な武器です。

つまり非常勤で英語を教えていたわけですが、その間に2年間ほどインタースクールの翻訳講座に通いました。そのときに、テクニカルライターをしている米人講師に「Oxford Advanced Learner's Dictionary」を薦められ、英英辞典を本格的に利用するようになりました。

ところが、辞書暗記からはいつしか離れていました。あんなに懸命に暗記した語彙も相当部分忘れてしまい、意欲をなくしていたのです。

しかし、やっぱり辞書暗記に戻ってきました。結局最も効率が高いと思ったからです。しかも、正確で信頼できますから...

英英辞典に3冊ほどトライしていずれも10~25%ほどで挫折しました。当時は、カードの利点に気付いていなかったからです。辞書そのままの形では復習を定期的に継続できずに、覚えた単語を忘れてしまっていやになり、挫折していたのです。

成功の原因は、まとまった時間を用意したことと、とりわけ、カードの使用法を発明したことです。

発明と言っても、カードを利用することによって「定期的な復習」が可能になっただけのことです。しかし、そのために忘却が止まり、だから、いやになることもありません。それが、「アンチ・バベルの塔」方式の要なのです。

復習を繰り返しながら、その復習の間隔 (最初は毎日、記憶が定着するにつれて徐々に間隔を広げ、今は10日毎。その間に復習のスピードは飛躍的にアップする) を広げることによって新たな語彙を暗記する時間を作り出す。その繰り返しです。

○「それに調べた語にマーカーで印をつけたり、余白に書きこみなどしながら、ネチネチと辞書使うのが好きです(笑)」

多少の違いはあれ、ある程度以上英語のできる人はみんなこんなことをしていますよ(笑い)。「ネチネチ根気」こそ成功の原動力です。私も根気そのものです。正直言いますと、おもしろいから飽きない。無駄話など、もちろんたまにはしますが、時間がもったいない!!

「根気の方も少しだけ自信があります」

ぶっちゃけた話、ほとんど、根気だけですぞ! もちろん、好きでないと続きませんが... 

「とりあえず2万語暗記を目指します」

ditaさん、2万語でもすごいことですよ!! 周りをごらんなさい。 統計的なスケールで見れば、2万語をマスターした若者など限りなくゼロに近いですよ。英検1級でさえほとんどいません。その1級は「プロになる基礎」に過ぎないのですが...

○ 「ニュービクトリー」 → 1~2年用 「スーパーアンカー」 → 2~5年用

「暗記用、参照用と何冊か使いこなすより1冊で済ませたい」 → これは絶対無理です。英語力が上がるほどそれは明瞭に理解できるはずです。この高度な世の中でそれは不可能です。

「ワードパワー英英和」 → 見出し語だけで約37000語ありますから暗記用としては十分でしょうし、英英辞典への橋渡しになりますよ。1年では無理かもしれませんね(1867ページ)。しかし、「スーパーアンカー」よりはずっと暗記しやすいと思います。

「単語カード作りについても少し行き詰ってしまってます」

質問してくだされば、すぐには回答できないこともありますが、1週間内ぐらいには回答できると思います。

「辞書暗記に本気になると辞書選びって難しいものだな~と実感してます」 → これも必須のプロセスです。

それでは、また。

楽しみながらがんばってね、dita さん!

Thank you.

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辞書暗記の根拠と段階

ほとんどの人は、語彙増強に市販の単語帳を使っています。

市販されている単語帳を実際に作成している人々の大半は、実は、
英検準1級前後の実力の人たちです。但し商才があったり、いろんな面
で出版社(系)の強力なバックアップのある人たちです。

そんな単語帳の種本はすべて各種の辞書です。+ネイティヴのイン
フォーマントその他です。

そうしたものすべてを備え、しかも間違いや誤植も極めてすくなく
て信頼でき、最高の水準を誇るのが学習用「英和辞典」や「英英辞
典」です。

大半の人がせいぜい15000語前後の語彙力でストップしたま
ま、一生を過ごします。1部の人たちは、永遠に市販の単語帳に頼
ったり、米国の週刊誌及びペーパーバックを読みながら(実は英文
解釈しながら、または無理な速読のまねごとをして)語彙をピック
アップし覚えていきます。

すると、日本の英字新聞程度は読めるようになります。しかし、欧
米の出版物はいつまでたっても「英語の勉強の手段」にとどまりま
す。5年経っても10年たっても同じです。

ハーヴァードのMBAがすらすら読んだり書いたりできないのも語
彙不足です。

そんな問題を一挙に解決するのが「辞書(できれば英英辞典)」の
暗記です。

まさに breakthrough です。

まず①5000語程度の辞書、次に②1万語程度の辞書、さらに③
3万語程度の辞書、その水準に達したら④「英英和辞書(たとえば
ワードパワー英英和辞典(Z会)」、最後に⑤6万語前後の「英英
辞典」、さらに磨きをかけるなら⑥15万語前後の英英辞典。

③くらいから、できれば、英英辞典を主にしたいものです。

⑤の水準になれば、日本でなぜか人気のある「TIME」でも、知ら
ない単語を探す程度になります。

辞書には、これまた人気のある語源の情報も豊富で、CD-ROM
も利用すれば「ジャンル別語彙の収集・チェック」その他も実に簡
単です。

「すばらしい進化を遂げている辞書」に、もっと注目すべきだと思
います。

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