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読書と辞書

読書の秋ですね!

先日、他のサイトで、「読解力を向上させるにはどうしたらいいでしょうか」という問いがありましたので、「徹底的に調べ尽くす精読1000ページと普通の読書5000ページ」が有意味な基準になるという話をしました。

これは単に英検1級合格(=プロになる、または本格的に読書などを楽しむための「基礎」)だけを念頭に置いたのではなく、それ以上の英語力を目指すための方策です。

この精読に関連して数学者のピーター・フランクルさん(母語はハンガリー語 ― 日本語も驚異的な実力)が興味深いことを書いておられますので、以下に引用します。引用したのは彼が日本語で書いた「ピーター流らくらく学習術(岩波ジュニア新書)」です。

『ぼくは、親が持っている小さな別荘に行って、フランス語を一生懸命勉強することに決めました。そして一人でその別荘に行きました。別荘地だから、夏には人が多いけれども、春や秋にはほとんど人はいません。店も開いておらず、ただ一つセルフサービスのレストランが開いていました。それも昼しか開いていません。自転車は夏にパンクしたままでしたから、レストランまでは二キロ以上も歩かなければなりません。それでぼくは毎日昼ごろにそのレストランまで行って、たくさん食べました。そして、パンをもらったり、少しサンドイッチを買って別荘に戻りました。
 それ以外の時間は、ほとんど丸一日別荘の中にいました。日が当たる昼間は一時間ぐらい外でもお手玉の練習をしたりしますが、それ以外はほとんどベッドの中でした。ハンガリーの四月はまだ寒いのです。
 ベッドの中で、ときには日の当たるベランダに座って、四百ページもあるフランス語の本を読みました。先生の選択はフラソワーズ・サガンで、とてもよかったのです。というのは、サガンは文学的な価値はあまりないと思いましたが、その文章が簡単で読みやすかったからです。こうしてぼくは一冊の本を全部読みました。
 先ほど、外国語を学ぶときは翻訳してはいけないと言いましたが、それは相手と会話するときの話です。そのさいに頭の中で翻訳するのはいけないのですが、本を読んでいるときにはかならず辞書で調べるべきです。全体の意味があるていどわかる場合、人間はだいたい楽をすることが多く、わからない単語の意味を調べようとはしません。そして、その単語が四回も五回も出てくると、どうも気になってついに調べることになります。
 ところがそれは大損なのです。なぜかというと、最初に調べておけば、二回目に出てきたとき、三回目、四回目、五回目は復習になって、その単語を覚えてしまえたのです。五回目にはじめて調べたら、復習のチャンスを四回もなくしたことになります。だから、ぼくはわからない単語を全部調べながら、三週間弱でこの本を全部読みました。そのあいだに、わからなかった単語を1000語以上も単語帳に書いて、ほとんど覚えてしまいました。そして先生が戻ってきたときには、ぼくは流暢にフランス語が話せるようになっており、彼女にすごくびっくりされました』

フランクルさんのような天才の話に、根気だけで持ちこたえている己(おのれ)を持ち出すのはまことに恐縮ですが、私もまったく同じような精読を3冊(1500ページほど)しました。そのうちの一冊は「The Japanese Today (Edwin O. Reischauer) 本文412ページ」でした。

そのあとで、ライシャワーさんの講演を聞きましたが、まるで精密画を見るように理解できました。話す文体(スタイル)も本とぴったり同じでした。それが英語であることも忘れるほどでした。

ちなみに、フランクルさんがしたという片道2キロ程度の散歩やお手玉などこそ頭を活性化させ暗記力も高める最適の方法であることが、特に最近の研究によって科学的に実証されています。

またまた私事ですが、毎日40分速歩します。その効果たるや実に明らかです。もちろん辞書暗記にもおおいに役立っています。

Thank you.

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