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辞書暗記法「アンチ・バベルの塔」の応用

私の語彙強化に関する基本的な考え方

語彙強化について、社会心理学者の岡本浩一さんがその著書「最強の英語上達法」のなかで次のように書いておられます。私もその考え方に100%賛成なので引用しておきます。

(引用開始)
■丸暗記せよ
 
 英単語は、まず、丸暗記するのが正しいと考えている。中学生向きの参考書、高校生向きの参考書などでは、「英単語を丸暗記するのは正しくない、単語は文に出てきたときにその文脈とともに学習しましょう」と奨めている。けれども、私はそのようなやり方はまちがっていると考えている。あえて、このことについて、一言書いておきたい。
 まず、実質的に、そのようなやり方では間に合わない。後述するように、仮に1日40語ずつ覚えたとしても、4000語(k.y.注:岡本さんは4000語を最低限必要な語彙数としている)覚えるのに、忘却のロスがないとして、100日かかることになる。それでもかなり大変である。「文で見るたびに覚えましょう」というやり方では、もっと時間がかかることが予測される。
 いったい一日に何時間英文を読むのに費やせるだろうか。また、重要語でも、自分が読んでいる文でたまたま目にしないこともあり得る。そういう場合には、重要語の知識に抜け落ちが生じることになる。したがって、実質的に考えると、やはり、豆単のようなもので集中的に覚えるのがよいということになる。
 つぎに、文のなかで見て、用法やニュアンスを理解するという活動は、覚えるという活動とはまったく別の頭の使い方を必要とする。そのふたつを同時にすることは、心理学的には競合反応となり、どちらも中途半端になる。覚える時には覚え、知識の正確さや豊潤化をはかるときは、いったん覚えたものについてするというように区別することが適切である。
 そもそも、「文で見たときに覚えましょう」という言い方には、単語を集中的に覚える苦痛を厭(いと)う気持ちにおもねている向きがある。
 おもねないでほんとうのことを言うと、英語ときちんと向き合うのには、やはりとりあえず猛烈なスピードで単語を覚えなければならないのだ。文で出てきたときに覚えるというような悠長な覚え方の方が、実は大変なのである。そんなやりかたで4000語を覚えるような根気と意志力のある人なら、すんなり、アルファベット順にでも、4000語とりあえず覚えてしまうほうがやさしいのである。
 だいたい、私たちが母国語である日本語の漢字をどうやって覚えたか思い出してみよう。目からも耳からも1日中刺激を受け続けている母国語にして、感じのひとつひとつ、2字熟語、4字熟語を、何度も書いて脳裏に刻みつけるようにして覚えたはずである。それを思い起こせば、「英単語は文で出会ったときに覚えれば十分」という美辞がいかに空疎なものであるか、実感していただけるはずである。
(引用終始)

ましてや、その4000語を超えて数万語の語彙力を目指すとしたら、辞書暗記しかないと私は思うのです。


さて、「アンチ・バベルの塔」は、私が自分が必要だと思う語彙を

①最も効率的に暗記するために

②最も効率的に復習するために

考案し、その結果5万語の語彙獲得に成功した、カードを用いた方法です。8~9ヶ月後には17万語達成の予定です。

この方法は、しかし、英検2級前後や大学受験の語彙獲得(単語や熟語の暗記)にも優れた効果を発揮することは言うまでもありません。

これからは、「アンチ・バベルの塔」を、5~10万語というネイティヴ並みの語彙獲得方法としてだけではなく、1000~2000~1万語程度の語彙暗記にも応用する具体的な方法を示して行きたいと思っています。

つまり、辞書暗記の前段階のボキャビルにも活用できることを示していくつもりです。また、いろいろなコメントをいただければ幸いです。

それでは、さっそくはじめましょう。

まず英検1級

(1) テキスト:『英検 文で覚えるプラス単熟語 1級』 今日本屋で買ってきました。

私が1級に合格したのは12年前、当時は1級の語彙力をつけるのにかなり苦労した。ところが、今の語彙力は5万語を超える。 『英検 文で覚えるプラス単熟語 1級』 を見て感じたのは、なんと優しく簡単なこと!という感慨です。勉強の威力は強烈です。

さて、この参考書はたったの340ページ(例文の日本語訳を除く)。単熟語数もたったの1672語しかない。辞書を暗記した経験からすれば、まるで簡単!

しかし、今勉強中の人たちにとっては大変な重荷であることは、私の英検勉強中の当時をふりかえればよく分かる。

そこで、まず大雑把なパス単征服戦略を提案してみます。

1 カード(アンチ・バベルの塔で紹介済み)を用意する。

2 そのカードの、左半分に、ターゲットになる単熟語を1から番号をつけて 『英検 文で覚えるプラス単熟語 1級』 から転写する。そのすぐ下の行に例文を転写する。

3 カードの右側の同じ位置に、また同じ番号をつけて、英英の説明と日本語の意味を転写する。

4 以下、同様に、各単熟語に所定の番号をつけて、上記のように、左右に転写していく。

そうすれば、1枚に5~6つの単熟語を転写して、およそ350~400枚のカードにすべて整理できます。

各カードはパンチ穴をあけてリングでまとめていく。50枚を一束としてまとめる。すると、だいたい7束程度に整理できます。これは、一日に一束復習する(慣れれば30分で終了)として、1週間で終了します。

毎日2ページずつ(約10語)暗記すれば6ヶ月、4ページずつ(約20語)だと3ヶ月で終わります。だらだらやるのではなく、数ヶ月程度で済ませる決意で、毎日のノルマをできるだけこなすようにしましょう。

5 毎日その日の分は確実に暗記し、10~20枚貯まるまでは最初の日の分も毎日復習を繰り返す。10~20枚貯まれば最初の1日分は復習からはずす。10~20枚の区切りの印に付箋をつける。毎日10枚は必ず復習するようにし、復習済みではずしたものについても2~3日、4~5日、7日等と徐々に間隔を広くしながらも復習を繰り返す。50枚貯まれば、今度はその50枚を毎日の復習に追加していくわけです。

以上は概略です。自分に合うようにいろいろ工夫すればよいと思います。

いちど、ぜひはじめてください。必ず、語彙の暗記が楽しくなりますよ!


そして、常に心すべきこと: 

① 「自分の記憶などまったくあてにならない―放置すればすぐに忘れる!」 だから、完全に覚えたつもりでも10日以上放っておくとやばくなる場合があるという事実。

② 「いやになったら復習だけにする(その分だけでも後に残る)」。そして、また意欲が出てきたら再開する。

③ いかに、効率が悪くしんどい作業だと思っても、文章を読みながら単語を拾っていくよりはるかに効率的であることを自覚する。

③ そのうちに、3~6~9ヶ月先に、必ずおもしろくなるはずである。ただし、これは保障できませんぞ! 私は十分に楽しい!!

○ 使用カードについて

(1)なぜ、カードにするのか?

① どこへでも持って歩ける利便性

② 一つ穴にリングをつけて簡単に束ねるられるので、どんどん枚数が増えても整理しやすいこと。この物理的に整理が用意であることは、「暗記作業」にとってはたいへん有利な特徴になる。

③ 開閉が容易であり、たとえば復習している途中で電話が入ったり来客があったりしても、開いたところからすぐ復習を再開できること。

④ 月日を経るごとに高くなるカードの山は―メンテナンスつまり復習が行き届いている限り―少なからぬ充実感を与えてくれる。無駄に年をくっていない証になる!

(2) カードのサイズ

私はかなり大きなカード(182×128ミリ)を使っています。単語カードという言葉からイメージするものとはちょっと違うかもしれません。

この大きさは、昔からいろいろな大きさのカードを試してみて最後に落ち着いたサイズです。理由をいくつか列挙して見ます。

① カードを左右に2段に分けて、左側に番号を付したターゲット語彙とそのすぐ下の行に例文(例文を省く時もあり)、それと同列の右側に再度同じ番号を付して意味を―今は英英辞典を使っているので英語で時には日本語訳も添えて―を書き込むわけだが、私にはバランスが取れて見やすい10.5ポイントの活字で印字(以前は手書きだったが今はWordを使用)しても十分なスペースがあり、出来上がりも窮屈な感じがしないこと。

② だいたい5~6語彙が一枚のカードに記入できるので、相関連した語彙を連続して展望できる可能性が高くなること。

③ 続く

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Comments

 こんにちは,こちらのページを参考に岡本浩一さんの著書「最強の英語上達法」を購入し4000語を覚えることにしました.英単語の勉強なんて高校受験以来だなと思いながら,4000に近い 「豆単」の3800語を6月の半ばから始めました.
 結局,朝の通勤電車でしか見ることができませんでしたが,先日いくつ覚えたのかチェックしたところ間違いが369語でした.でも私にすれば15日間で3431語をおぼえらたのでうれしかったです.(でも,英単語をみて日本語訳がいえるというだけです.)
 ひょんなことから,英語の文章を今後読まなくてはいけなくなりそうなので何かしなくてはと焦って調べていてこちらのページと出会ったのです. 良書を紹介して頂いてありがとうございました.覚えた単語も,すでに忘れていきそうでこわいですが,これからも「英単語」おぼえていきたいなあと思えるようになりました.感謝をひとことお伝えしたくて投稿しました.ありがとうございました.
 

Posted by: J4 | July 12, 2009 at 09:52 PM

1万語を超えるレベルの単語になると英単語と日本語単語が1対1に対応しなくなってきて訳語丸暗記だけでは通用せず、用例等も必要になると思います。逆に外国人が日本語学習するケースを考えると「座敷」のように母国語にない単語を訳語で丸暗記というわけにもいかないでしょう。

Posted by: でんでんでん | September 25, 2013 at 11:28 AM

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