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語彙学習の盲点(5)続

前回は、ほとんどの人が、必要な語彙数を正確に把握していない点を指摘しました。

一般の人たちの語彙数に関する先入観、それと軌を一にするマスコミの関連報道、それに(意識的無意識的を問わず)乗じる英語教材産業の圧倒的な広告によって、必須語彙数の把握が実にいい加減になっている現状に注意しなければなりません。

「中学で学習する程度の単語だけでほとんどの話ができる」などというむちゃくちゃな主張が通用しかねない状況をちゃんとチェックするべきだと思うのです。

さらに困ったことに、「SSS多読法」の推進者を除いて、英語の専門家といえる人たちまで何の根拠もないアドヴァイスを与える場合がめずらしくありません。

たとえば、「英語で雑誌や新聞やペーパーバックを読む時、知らない単語があっても前後関係から意味を類推してどんどん読み進めばよい。日本語の新聞を読む時だってそうでしょう ― 知らない単語はときどきあってもいちいち辞書をひいたりしませんね」などと言うわけです。こんな言説をまともに受けて、語彙数が数千しかない人が、「TIMEの速読ごっこ(本人はまじめ)」をしたりします。

しかし、日本語の場合と状況はまったく異なります。普通の日本人であれば平均5万語前後の語彙を理解できるわけで、その認識語彙数を背景にして雑誌や新聞を読むのですから、未知の単語に出くわす確率は低くなり従って未知単語の意味を類推することもたいへん容易になります。日本語のネイティヴの常識語彙数も5万語前後ですから、それをベースにして書かれたものを読むのは、たまに未知語彙があっても、極めて容易なのです。

ところが、普通の日本人の英語の語彙数はいくらぐらいでしょうか? せいぜい、1万語、一般には1500語程度でしょう。これでは、英語を読めないのは当然です。しかも、先ほどから述べていますように、英語の必須語彙数に対する認識がいいかげんに放置されたままです。

そこで、まとめです。

(1) 最低限5000語の認識語彙が必要である ― これだけあれば英語を聞いてもまったく分からないことはないし、辞書を引けばなんとか読める。

(2) ノン・ネイティヴ用に編集されていないニュースなどを「楽に聞き取る」ためには、15000語前後は必要である。

(3) ノン・ネイティヴ用に編集されていないものを「楽に読む」ためには、5万語以上の語彙が必要である。

これだけのことをはっきり意識することが大事です。そうしたら、ボキャビルの意義を、まわりの雑音にまどわされることなく、理解できると思うのです。

その次にすべきことは、実行です! さらに、その持続です!

レヴェル別の具体的な学習段階などは、以前にも「辞書暗記の根拠と段階」で書きましたように、次のようになります。

まず①5000語程度の辞書

次に②1万語程度の辞書

さらに③3万語程度の辞書

その水準に達したら④「英英和辞書(たとえば
ワードパワー英英和辞典(Z会)」

最後に⑤6万語前後の「英英辞典」

さらに磨きをかけるなら⑥15万語前後の英英辞典。

③くらいから、できれば、英英辞典を主にしたいものです。

⑤の水準になれば、日本でなぜか人気のある「TIME」でも、知ら
ない単語を探す程度になります。

辞書には、みなさんに人気のある語源の情報も豊富で、CD-ROM
も利用すれば「ジャンル別語彙の収集・チェック」その他も実に簡
単です。

さて、安河内 哲也氏は「おとなのやりなおし英語学習法」のなかで次のようなことを書いています。引用しておきます。

(引用開始) ● 英語力は単語力
 言うまでもないことですが、単語・熟語は非常に大事です。
 初級段階では文法も大事ですが、結局最後は単語・熟語です。いわゆる語彙、ボキャブラリーですが、これがないと英語ができるようにはなりません。
 ...豊かな表現をするには、豊富なボキャブラリーが必要です。一般に小学生よりも大人のわれわれの表現力のほうが勝っているのは、知っている言葉の数が多いからほかなりません。皆さんに「子供英語」以上の高度な英語を使いこなせるようになるという目標があるのなら、単語・熟語の習得は決して避けては通れない道です。
 英語の文字は氾濫している、英会話学校はあれだけ繁盛している、でも英語はしゃべれない。これはやはり学ぶ側の「覚悟」がたりないのだと思います。ファッションとまでは言いませんが、「なんとなく憧れる」だけで、根本的に必要な努力を怠っている。本気で英語ができるようになりたいのなら、特に語彙に関しては、一度覚悟しないとだめです。「誰かが覚えさせてくれる」とか「自然に覚える」ことは、絶対にないと断言します。
 努力も時間も惜しまないでください。そうすれば、それに見合うだけのものは必ず得られます。
● 忘却のメカニズム
 ...忘れないためには、根本的には「ばか正直」な努力をするしかありません...(引用終止)


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