« 絶対必要な英単語6000語 (52/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語 (53/365) »

リンカーンの演説(13)「O の 呪縛 」

私は、リンカーンの演説(3)において、次のように書きました。

> government of the people, by the people, for the people

> このリンカーンの言葉 ― リンカーが創作したものではなくもっと古くからある言葉ですが ― の意味を取り違えている原因は2つあると思います。

> それは、① 構文と ② 歴史的な背景 の誤解です。

今日は、① 「構文の誤解」の まとめを書いて、次回からは ② 「歴史的な背景の誤解」について検討するつもりです。

単に構文から見る限り、government of the people, by the people, for the people の government は「他動詞派生名詞」なのか「自動詞派生名詞」なのか不明です。

それは、私たちが非ネイティヴだからです。正しい判断ができる人もいますが、迷ったりまちがったりする人もいます。

ネイティヴであれば、「他動詞派生名詞」なのか「自動詞派生名詞」なのかという分析はせず、直感的に意味を把握して全く迷うことがない。

つまり、「k.y.パターン」が脳にビルト・インされているために無意識のうちに正しい判断ができるわけです。

英語のネイティヴが、「k.y.パターン」に限らず、どんな文法・構文も意識せずに英語を正しく使えるのは、私たちが日本語を自然に正しく使えるのと同じです。

それでも、日本人は、元来、 government of the people, by the people, for the people を「人民の、人民による、人民のための政治」という実に見事な翻訳を持っています。

多数の英和辞典も、その翻訳を採用し、「人民を、人民が、人民のために統治すること」という奇妙な翻訳を採用している英和辞典は少数です。

ところが、英文学者の間では、どうやら、「人民を、人民が、人民のために統治すること」が定訳になっているらしい。

なぜか?

govern は他動詞であると思い込んでいたからとしか考えられません。

そう思い込んだら最後、government by A の A は主語にしか見えません。だから of A の A は目的語だとしないと説明がつかなくなります。あり地獄です。

他動詞だと思い込むと、「S + V + O」 の 「O の呪縛 」 から逃れなくなります。

私はなぜ「k.y.パターン」に気づいたのか?

「文脈」に注目したからです。

「動詞派生名詞 of A, by A」という構文が表す意味をリンカーンの演説以外の文脈で探ったとき、「A を A が~する」という他動詞の意味には決してならなかったのです。

いろいろな例文を検証して帰納的に「k.y.パターン=自動詞派生名詞 of A, by A」を探り出したのです。

自動詞であれば、S + V ですから、「O の呪縛 」 はありません。

以上で ① を終了します

|

« 絶対必要な英単語6000語 (52/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語 (53/365) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/3075475

Listed below are links to weblogs that reference リンカーンの演説(13)「O の 呪縛 」:

« 絶対必要な英単語6000語 (52/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語 (53/365) »