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なぜ、ボキャビルをするのか?(続続)

なぜ、「ボキャビルをするのか?(続)」で、国語学者・大野晋先生の『日本語練習帳』に言及しました。

大野先生は、同書の第一章「単語に敏感になろう」のなかで、日本語の読み書き能力を伸ばすためには、まず、文章の構成単位である単語の形と意味に敏感になるべきだという趣旨のことを語っておられます。

そして、言葉づかいの適切さを判断する基準は「それまでに出あった文例の記憶」であり、文例の記憶が豊かな人は「こんな言い方はしない」という判断ができる。だから、よい言葉づかいがしたいなら、言葉のセンスが鋭い、「小説家・劇作家・詩人・歌人たち、あるいは適切な言葉を使って論文を書く学者」の作品や文章を多く読んで、「文脈ごと言葉を覚えるのがよい」と指摘されています。

さらに、語彙を増やすことについて、次のように述べておられます。以下に引用しておきます。太字はk.y.。

(引用開始)人間の行為・行動に、社会のいろいろな状況に応じて新しい行動が出てくるように、必要から新しい言葉が出てきます。それがいい言葉かどうかを感じる鋭い感覚が必要です。そこで必要なことはまず区別できる単語の数を増やすこと。自分が区別して使える語彙が多くなくては、ぴったりした表現ができない。
 自分の語彙を増やすことに関しては、小説家とか歌詠みたちなどは、みんな非常な苦心をしています。例えば、与謝野晶子とか斉藤茂吉などの歌人は、辞書を読んでいって単語を拾ったようです。井上ひさしさんは、辞書をたくさん買って頭からそれを読むそうですし、大江健三郎さんは、あの堅牢な製本の『広辞苑』を三冊取り替えたという噂です。『広辞苑』はそう簡単にはこわれない。だから、大江さんがいかに辞典を引いたか分かります。普通の人間は、せいぜい五、六万語知っていれば多い方でしょう。しかし、彼は二〇万語の日本語を消化しようとしたように見えます。しかも覚えた単語をそのままは使わない。大江さんには『万延(まんえん)元年のフットボール』とか『芋むしり仔(こ)撃ち』とか、普通にはない単語の組み合わせがあるでしょう。それは単語そのものではなくて、単語の組み合わせ方において新しくしようとしたのでしょう。(引用終止)

たいへん示唆に富む記述で、英語の勉強にもそのまま通じることだと思っています。

追記:ケンブリッジ大学出版局が出している『Basic Vocabulary in Use』の日本語訳が出版されました。その帯に玉川大学教授・佐藤久美子さんの推薦文があります。

その冒頭部分(省略・太字k.y.)に「赤ちゃんは10ヶ月くらいから単語を獲得し始め、英語を母体とする幼児の場合、5歳までにおよそ3000語、13歳までに20000語が使えるようになると言われています...」という指摘があります。

しっかり銘記しておきたい事実ですね。

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