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マルコムXは英英辞典を暗記した!(3)

私は、この「アンチ・バベルの塔」の記事に、辞書を暗記した人の記事を何回も書いてきた。

英語の辞書暗記に関連して4種類の人たちがいる。

① 辞書の暗記を達成した人たちで、全員、英語では大きな成功を収めている。極めて少数の人たち。

② 「辞書を暗記するなんて!」と頭から否定する人たちで圧倒的多数を占める。

暗記否定派の人たちは、また、「言語能力は語彙力ではない」とか「めったにお目にかからない単語など覚えても仕方がない」とか「本や雑誌を読みながら分からない単語をピックアップして覚えていく方がよい」とか「単語だけ覚えても効果がない」とか、だいたい同じようなことを言う。

「暗記はダメだ!イヤだ!」と絶叫する人さえいる。

そんな人たちは、全員、各自それぞれの低いレヴェルで頭打ちになる

③ 語彙不足を自覚しながら ― 5万語が常識語彙であることをしっかり知りながら ― 多忙だからあるいは他にするべきことがあるからという当然の理由で妥協している人たち。

④ 英語は興味も必要もない人たち。

私としては、もちろん、②の人たちに注目している。

「辞書暗記」を強く薦めたい。「アンチ・バベルの塔」を実行してもらいたい。

時間がないなら、5~10年計画でもかまわない。

たとえ、2~3万語だけでもかまわない。

それでも、数千語や1万語前後とはまったく別の世界が開けます。

たった、1冊の辞書で飛躍的に向上する!

ただし、辞書暗記の前提条件がふたつある。

(1) 構文をマスターしていること。
(2) 標準的な音声をマスターしていること。

辞書暗記の効果は強烈です。徹底すればするほどすごいことになる!

ここで、再度、マルコムXのことばを引用します。太字・省略はk.y.。

『...まず最初のページを―句読点もそのまま―丸々転写した...次に、自分が紙に書いたものを全部声を出して読み直した。何回も何回も自分の字を音読した...』

マルコムが辞書を丸写しする目的はふたつあった。ひとつは、語彙増強。もうひとつはきれいに正しく綴ること。

このふたつの目的のために、書写・音読を繰り返した

『 次の朝...ちょっと考えるだけでけっこう思い出すことができた。意味を思い出せなかった語彙は復習した...』 

最初にしっかり書写し音読して覚えた語彙は頭に定着しやすい。しかし、当然忘れるから、必ず復習を繰り返す。

『...次々とページをこなすうちに、歴史上のいろいろな人物や場所やできごとも知るようになった。その辞書は、だから、ミニ百科辞典のようだった。ついにAの項が終了してノートが1冊いっぱいになる。次にB、Cと続けているうちに結局最後まで写してしまった。慣れてくると書くのがどんどん速くなる。私は、ノートに写したり手紙を書いたりして、入所中に100万語ほどの語彙を書いた...』

②の人たちはすぐ「辞書の丸暗記など無意味だ」と言います。それは、実行したことがない人あるいは中途半端にやめてしまった人のせりふです。実は、決してそんなことはないのです。

市販の単語帳と同じに考えてはいけません。辞書は、ミニ百科辞典になるのです。

100万語という文字数はバッチリ1500ページ前後の辞書の文字数です。ビッシリ活字の詰まった辞書です。マルコムの驚異的な徹底ぶりがうかがえます。

『...語彙が拡大するにつれて、当然、読む本も理解できるようになった。だれでも、たくさん本を読めば、新たな世界が開けたように感じるものだ。それからというもの、私は、出所するまでの間、寸暇を惜しんで本を読んだ。図書館で読み、寝台でも読んだ。梃子(てこ)でも本を手放さなかった...』

SSS多読法とは正反対の方法がこのマルコムのやり方です。

つまり、まず数万語の語彙を徹底して理解して覚えながら、あるいは覚えてから、猛烈な読書をしたわけです。

「カント」などの著作は生半可な語彙力ではとてもじゃないが歯が立ちません。マルコムがいかに深く語彙を習得したのかよく分かります

SSS多読法が推薦する本とはレヴェルがけた外れに違う

マルコムの実話を読んで私がさらに自信を深めたことを3つ書いておきます。

1 辞書暗記は最高度に効率的な無駄のない語彙学習法であること。

2 辞書暗記は「いわゆる丸暗記」などでは断じてないこと。

3 辞書暗記のプロセス自体が「読書」であること。

○ マルコムの場合は特別な事情もある。

辞書暗記の環境が刑務所・強烈な動機・尋常でない集中力とその持続・高いIQの可能性

みなさんは、どんな感想をお持ちですか? ぜひ、コメントを寄せてください。

追記:SSS多読法を批判しているのではありません

SSS多読法は、語彙増強の面では明らかに限界がありますが、覚えた語彙の維持(ただし、5000語まで)とその用法の確認及び基本語の語感訓練には非常に有益ですし、何よりもストーリーを味わえる楽しみがあります。

他方、ボキャビルをしないと、SSS多読法だけで大人の本が読めるようにはならないことも自覚しておく必要があります。

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