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英語学習法(5)

英語学習法(4)で、「次回も酒井先生の主張の重大な矛盾を探ります」と書きました。

酒井先生は自分のお子さんを実例にして「理想的な覚え方!」を解説していました。

なるほど、普通の日本人の100倍以上英語に接することのできる人なら、「理想的な覚え方!」でも問題ない覚え方あるいは実際に理想的な覚え方である可能性もあります。

しかし、酒井先生の念頭にあるのはそんな人たちではなく、日本の大学生以上の大人の人たちです。

普通の大人の人たちが「理想の覚え方!」で英語を勉強したら、それこそ何十年かかってもさほどのレヴェルには到達しない。これは、誰が考えても明らかなことでしょう。

ここで話の焦点を「語彙獲得」にあててみます。

酒井先生は自著の『快読100万語! ペーパーバックへの道』で、「第14講 それでも単語を増やすには? どのくらい読めばいいのか?」という章を設けて次のように述べています。省略・太字はk.y.。

(引用開始)さて、単語集や辞書にたよることはあきらめたとしましょう。でも辞書も単語集もたよりにせずに「単語」を増やしていくには一体どのくらいの英文に触れればいいのでしょうか?
 またクラッシェンさんに登場してもらいましょう。クラッシェンさんの The Power of Reading という本に、ヒントになる研究が紹介されています。英語を母語とする子どもたちは、100万語を読んで1000語をを身に付けるという説です。ぼく自身おそらく3万語は知っているでしょう。そして今までに読んだ量は少なくとも3000万語でしょう。大体クラッシェンさんの紹介している数字にあっていると思われます。ぼく自身の数字はいい加減なものですが、桁は違っていないと思います...(引用終止)

何という非効率!!

英検準1級に確実に受かる語彙数を7000語、1級なら1万語としましょう。

酒井先生に従って語彙を増やすとすれば:

準1級で700万語(300ページのペーパーバック ― 1ページ400字として―58冊

1級で1000万語(300ページのペーパーバック ― 1ページ400字として―83冊

酒井先生の語彙数3万語で3000万語(300ページのペーパーバック ― 1ページ400字として―250冊

ネイティヴの大人の語彙数5万語(300ページのペーパーバック ― 1ページ400字として―58冊)5000万語(300ページのペーパーバック ― 1ページ400字として―417冊

「英語学習法(4)」で、準1級ならだいたい1700時間で合格できるという計算をしました。

ところが、酒井先生の方法に従うと、1700時間で58冊(700万語)のペーパーバックを読む必要があります。

つまり、1時間に4万語100ページ)読まないと必要な語彙数に達しません。

こういうアイデアは quixotic [kwiksatik] =ドン・キホーテ的で、あまりにも現実離れしています。

「100対1の壁」を完全に無視した「あこがれ!」に過ぎないと言っても過言ではないと思います。

「時間」を無視するとたいへんです

みなさんのコメントもぜひ寄せてください


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Comments


はじめまして。33歳の男(無職)です。
去年の秋ごろにネットサーフィンをしていてこのブログに行き当たり、心動かされて、ブログの初めから読むことを決意しました。以来チビチビと拝読させていただいております。参考になることが多く、フムフムと読み進めております。
さて、ここまで読んで来て、このエントリーで「計算違いではないか?」と思われる部分がありましたので書き込ませてください。

「1時間に4万語(100ページ)読まないと……」というのは桁を一つ違えていませんか。
1)
まず、SSS多読法では「100万語を読んで1000語」ですから
読むべき語数=目標語数*1000。
2)
準1級に必要なのは7000語とすると、読むべきは
7000*1000=7000000(語)。
また、1ページ=400語とすると、読むべきは
7000000/400=17500(ページ)。
3)
ここで準1級に必要な時間数を1700時間とすると、「1時間で読むべき」は、
7000000/1700=4117.6…(語)
また、
17500/1700=10.2…(ページ)

と、思うのですが……。
この僕の計算が正しければ、SSS多読法は「1ページ(400語)を5分強で多読し続ける方法」と言えるかもしれませんね。

ではまたこのブログを読み続けるとします。
読み終わったら(いつになるかわかりませんが)またご挨拶にお伺いします。

追伸
もう1つ、チャーミングな「桁違い」がありました。
今年の元旦のエントリーのタイトルが、いささか未来過ぎるように思われます。

Posted by: シマリス和尚 | January 08, 2008 at 08:35 PM

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