« 「才能」(1) | Main | 絶対必要な英単語6000語(75/365) »

「才能」(2)

まだ、谷川棋士の言葉に耳を傾けてみます。

(引用開始)

 身近なライバルが子どもの集中力を育てる

 集中力の基本は「好き」であることの持続  「どうすれば、将棋が強くなれますか?」とは、もっともよく聞かれる質問である。
 実は、この質問には肝心な言葉が隠されている。それは「努力しないで」という言葉である。つまり「どうすれば努力しないで将棋が強くなれますか」と聞きたいのだ。小さな子どもが上手に将棋を指せば、大人は「この子の才能をまっすぐに伸ばしたい」と思うものだ。しかし、才能という言葉は、あるレベルまでいってからのことで、それまでは継続的な努力によってのみ上達や向上がある。子どもにはまず、継続的な努力を可能にする集中力を養うことが重要なのだ。
 幼児や小学生の頃の子どもは、好奇心が旺盛で、どんなものでも好きになれば夢中になる。しかし、移り気味でもある。飽きてしまうと、親がいくら熱心になって旗を振ろうが、太鼓を鳴らそうが、そっぽを向いてしまう。集中力を欠いている状態で無理強いしても、柔らかい頭脳には何も染み込んではいかないだろう。
 私は、小さい頃に将棋が好きになり、大人になるまで将棋に熱中した生活を送ってきた。なぜ、小さい子どもの私が、将棋をやめたいとも思わずに、熱中し続けることができたのか? 私が将棋を覚えたのは五歳の時だった。勝負事はもちろん、習い事、スポーツ、そして勉強にしても、始めたばかりの頃は誰も下手で、うまくはいかない。負けたり、失敗したり、分からなかったりすることのほうが多い。そこで、「こんな面白くないものはやめた!」ということになったら、おしまいになってしまう。できない悔しさは、できたという喜びと対になってこそパワーを生み出す。長く続かせるには、子どもが楽しみながら興味を持って取り組めるように、親や周りが配慮してやることが大切なのだ。
 私は、将棋を始めた頃、一緒に習い始めた兄に負けた悔しさのあまり、将棋の駒をかじったことがある。兄とは5歳の年齢の差があるので、同時に始めたらとてもかなわない。それでも三~四回に一回は勝てたのは、今思うと、兄が力を緩めてくれていたのだろう。
 同じ屋根の下に自分より少しだけ強い相手がいたことは幸いだった。実力があまりに離れていると勝負にならずに、勝ち負けを争うという楽しみがない。私は時どきでも兄に勝てるのがうれしく、毎日、学校から帰ってくる兄を待ち構えて挑戦していったのである。
 悔しさからわき起こるやる気を持続させるには、いってみればライバルのような、具体的で、身近な目標が必要なのだ。私も、最初からプロや名人を目標にして将棋を指していたら、投げ出していたことだろう。(引用終止)

ほんとうにおもしろい話です!

|

« 「才能」(1) | Main | 絶対必要な英単語6000語(75/365) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/3353273

Listed below are links to weblogs that reference 「才能」(2):

« 「才能」(1) | Main | 絶対必要な英単語6000語(75/365) »