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小学校の英語教育

私は、「日本の英語教育その他の教育の機会均等」で、

「...お気楽なネイティヴが教室に来てどうでもいいゲームをしたり音声機械(CD)を演じたりしているうちにさらに貴重な学習時間が減っていく。教えている英語の先生の語彙も当然やせ細っていく。おまけに、小学校にまでチーチーパッパ英語を導入してとんでもない素人たちが英語ごっこをしてそれでなくても少なくなっている授業時間を浪費している。結果、児童の日本語が貧しくなっていく。なぜ、チーチーパッパ英語などやめて漢字を含めた日本語の教育を充実させないのでしょうか? 貧しい日本語を背景に行われる貧弱な英語教育などぞっとする! 日本語を充実させなければ英語も伸びない。」

と書きましたが、近江誠さんが新刊『間違いだらけの英語学習』のなかで次のように述べておられます。省略はk.y.。

(引用開始)

外国人教師中心の歌とゲーム型授業の問題点

 どうやら小学校英語導入の推進者や母親たちのイメージは、「歌やゲームを入れて楽しみながら知的刺激を与える程度でいい。無理して教えようなどとしないで、英語という違った言葉、違った考え方がこの地球上にあるのだということ、すなわち異文化に触れさせようという程度でいいのです」というあたりであるようだ。外国人中心の歌とゲームの会話ごっこ外国語教授法(EFL)のコミュニカティヴ・アプローチ系列の授業は、そうした母親たちの思惑にぴったりで、だから主流になるであろう型である。
 しかし私はお母さんたちに聞きたい。その程度のことだったら、なぜやるのか。なぜ小学校の英語教育などと大騒ぎするのか。やはり心のどこかで、そういうように慣れておけば、やがては本格的にやるようになった時に助けになるだろう、という幻想があるのではないか。甘い! そうは問屋がおろさない。コミュニカティヴ・アプローチの母体である「外国語としての英語教授法」(EFL)の全体を覆う底の浅さは、学習者の知性・感性に対する冒涜である。もう絶望的にチャチなのである。しかも、米国式しゃべれ、しゃべれメソッド。アングロサクソン的なこの方式が不毛であったことは、高校の英語に「オーラル・コミュニケーション」科目が導入された一九九0年代前半頃から、TOEFLのスコアが落ち始め、一九九九九年九月12日付け『日本経済新聞』では、日本はアジア二十五カ国中北朝鮮と並んで最下位と報告され、その後回復の兆しがないことでも証明されている。
 コミュニカティヴ・アプローチは言語入力の質・量ともに著しく限りがあるので発話に至らない。散発的なお遊び英語の授業程度では、仮に入力があるとしても早晩、雲散霧消してしまう。帰国子女の場合でも...聞き流し方式による力では、一定量聞かないと発話に結びつかない。0歳から6歳までの海外生活では大半は消失してしまうという。11歳までで、忘れない者も忘れる者もいるという。それを外国人が週に何回かやって来て、適当に歌やゲームをやった程度の英語の分量を与えたところで、ここは日本、家に帰れば日本語、そんなものはやらなくても同じようなものである。
 それよりも何よりも、漠然と英語や英語の風物に慣れさせるのと引き換えに、
○ 妙な英語で語感にダメージを与える。
○ 何となく西洋のものが好き、西洋の音楽が好き、外人好き好き症候群人間がますます育つなどの可能性のほうが怖い。言ってみれば文化的幼児洗礼の危険性である。他国の文化に寛大でかつ許容度も増す、いわゆる「文化受容性」の向上を説く学者もいるが、この時期ではむしろ自国文化への反発的気質に育っていく可能性のほうが高いのだそうである。教育学者汐見稔幸氏は、人間の知能には「状況的知能」と「反省的知能」があり、反省的知能の育つ三歳児くらいまでだと、反発的気質に育っていく可能性はますます高くなる、と取材を受けて語っている。(引用終止)

私は、もっと国語の授業を充実させて欲しい。

小学校でチーチーパッパ英語などやる必要はまったくない。国語の充実こそ英語を学ぶ際のきわめて強力な武器になる。日本語は日本人の心のふるさとであり、日本語による十分な知識や思考力は英語による思考力や知識に直結し、たとえ英語を使った場合でもユニークな日本人らしい発想ができる。ノーベル賞受賞者の田中耕一さんは「私の発想は日本語の発想である」という趣旨の発言をしておられる。

音声も ― 適切なものであれば早期訓練のほうが有利でしょうが ― 中学からスタートしてもまったく問題はない。それは、私自身の経験でも分かる。

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