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読書量(1)

私は数年前に、司馬遼太郎さんの記念館を訪ねたことがあります。そこに展示されている蔵書たるやまさに大きな滝を思わせるものでした。それでも全蔵書にはだいぶ足りないというのですから驚きです。もちろんすべて読破したわけではない資料も大量にあるわけですが、その想像を絶する広範な読書の規模はもう圧巻としか言いようのないものでした。

ところで、磯田和一さんは、1942年生まれのイラストレーターです。

私は、磯田さんの作品のうち、『書斎曼荼羅(しょさいまんだら)』という本を持っています。副題は「本と闘う人々」です。

文筆業(作家・翻訳家)の人たちの書斎を訪れてその様子をイラストで描き詳しい解説を添えた楽しいイラスト集です。

磯田さんはそうしたプロのライターや学者の書斎をくまなく探索して作品に仕立てたわけですが、たとえば仏文学者の鹿島茂さんの書斎を次のように描写しています(『書斎曼荼羅②』より)。

(引用開始)前々号で、大きな家全体が蔵書とビデオテープの保管庫と化した縄田一男氏宅に驚愕したばかりだが、鹿島茂氏宅のありようには、驚愕どころか戦慄のあまり絶句したほどの凄まじさだった。御専門が「十九世紀フランスの社会と小説」だけに、夥しい数の蔵書の殆どが洋書であり、一冊が重くて大きい本だらけで、天井の高い洋風造りの鹿島邸はさながらパリやロンドンの古書店だった... 「トイレの中とか、階段とか廊下とか、なぜかしら、自然に本がふえていくのですよね...」(鹿島氏)...(引用終止)

「プロとしてものを考えたり書いたりする人」の読書量は、例外もあるようですが、普通に読書好きな人たちのそれとは比較にならない規模です。

その結果、そうした人たちの語彙力は通常の人の2~3倍になるでしょう。

それと関連して思い浮かぶのが、多読によってボキャビルをするという有力な方法です。

ところが、前から何度か述べていますように、「いわゆる多読」によるボキャビルにはどうしようもない壁があります。

それは、なぜか?

読書の量がポイントになります。

続く...

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