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英語名人世代(3)

引用の続き:

 一八七七年に東京大学が発足したとき教授三十九人のうち二十七人までが外国人だった(『英語と日本人』一八二ページ)。つまり、教授の三分の二以上は外国人だったのである。教員中の外国人の比率は、教授以外の講師等の教員を全部いれて考えるとかなり下がるけれども、それでも東京大学は発足時においては外国人教師が教育の主要な担い手だったと言ってよい。つまり、一八七七年の時点では、日本の最高学府で学ぶことは、外国語で教育を受けることを意味したのである。それは、いまや日本人の学問の中心になった多くの西洋起源の学問分野で、専門教育を担当できる日本人教師の養成がまだ始まったばかりだったし、当時の欧化の風潮のもとでは日本人教師でさえ英語で講義するのが普通だったからである。
 英語名人世代と呼んだ人々は、このような日本の高等教育揺籃期にちょうど当たった人々だった。高等教育の主な担当者が外国人であれば、将来高等教育を受けることを目指す人々は、その前の段階で将来必要な英語力の獲得に努めなければならない。一八七二年に文部省が「外国教師ニテ教授スル中学教則」(『日本近代教育史事典』平凡社、二三三ページ)を定めたのも、将来の高等教育機関進学者養成のためだったようだ。事実、先に名前を挙げたような「英語名人世代」の人々は、今の小学校を終えるか終えないくらいの年齢から、主要科目をみな英語を母語とする外国人に英語で習うといった教育を受けた上で高等教育機関に進んだのである

続く...

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