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「アンチ・バベルの塔」の建築現場(2)

「アンチ・バベルの塔」には2つの支柱があります。

それは、「①辞書転写 」と「②復習」です。

今回は②について話します。

①は誰にでもすぐに実行可能なことですが、なかなか実行できないのが②なのです。

「アンチ・バベル」は「アンチ・フォゲッティング」を意味します。せっかく覚えたものを忘れてしまったら塔は崩壊してしまいます。それではただの「バベルの塔」になってしまいます。崩壊を食い止めるためには常にメンテナンスが欠かせません。それは物理的な建築物とまったく同じです。マンションに住んでいても必ず補修費を積み立てているはずです。居住性と不動産としての価値を維持するためには常にメンテナンスが欠かせません。ただ、マンションその他の建築物の場合は専門業者が補修を担当しますが、「アンチ・バベルの塔」の場合は自分でメンテナンスを実行しなければなりません。これは自分の体にもいえることです。35歳ぐらいを超えたら「アンチ・エイジング」のために自分で体のメンテナンスを実行しなければなりません。

「アンチ・バベル」=「アンチ・フォゲッティング」とは具体的には「復習の繰り返し」です。

どれくらい復習すれば永久に忘れないのか?という疑問が当然あるでしょう。

実はどれくらいという回数はありません。10回でも20回でも50回でも100回でもありません。毎日食事をするごとく、毎日寝るごとく、復習を続けなければなりません。

「えっ?!」と思う人は必ずおられることでしょう。「どうして?」「そんなの無理だよ!」「だから辞書暗記なんてだめなんだよ!」というような声が聞こえてくる気がします。

しかし考えてください。たとえば、「I」 だとか 「What's your name?」 とかは絶対忘れることはないでしょう。ところが「アンチ・バベルの塔」で覚えていく語彙は、学校+独学・留学・その他の勉強をすでに10年前後してきてなお覚えていない語彙を暗記していく作業です。そのころには絶対忘れない語彙はすでに記憶済みなのです。よく本を読んだり仕事で英語を使っったりしている人であれば、5000語程度の語彙なら特に復習しなくても永久に忘れることはないでしょう。「アンチ・バベルの塔」はそれ以外の語彙で、今まで記憶されることを頑強に拒んできた手ごわい相手ばかりなのです。そう簡単には記憶させてもらえません。

先日、あるバイオリニストの話を聞きました。1週間もバイオリンの練習をしないでおくと元に戻すのがたいへんだということでした。楽器の奏者は例外なくそのようです。スポーツの選手でも同じです。無敵の横綱であっても稽古をさぼるととたんに9勝しかできなくなります。

つまり、あるレヴェルを突破した技量を維持するためには毎日の練習、あるレヴェルを超えた語彙の場合なら毎日の復習が欠かせないのです。やめると目に見えて技量が落ちてしまう、語彙を忘れてしまうわけです。

復習を毎日というのは原則論ですから、都合によってできない日があってもやむを得ません。しかし、10日以上復習しないでおくとどこかにほころびが生じてきます。数ヶ月放置しておくとかなり歯抜けになってきます。半年も放置したら、しっかり覚えたつもりであっても、半分以上ボロボロになるでしょう。

具体的に、たとえば5万語以上の語彙力を維持するためには、どれくらいの復習時間が必要になるでしょうか? 

毎日1時間あれば大丈夫だと思います。「えっ、1時間も!!」と言わないでください。通勤するのにどれくらいの時間がかかっていますか? テレビを毎日どれくらい見ていますか? 化粧をする時間は? おしゃべりは? 掃除は? 新聞は? 漫画は? ゴルフは? そうした日常のルーティーンはけっこうな時間になるはずです。そして、たとえ面倒なことでも習慣になってしまえばたいして苦にもせずに毎日こなしています。だから、語彙の復習も習慣にしてしまえば、そしてまとめて1時間でなくても細切れの時間を利用して(カードを持ち歩いて)合計1時間でも、午前中に1時間午後にあるいは寝る前に1時間でもかまいません。30分×2回ならぜんぜん負担にならないですよ。待ち時間とか電車の時間とか利用すれば恰好の時間つぶしにもなります。

それからもうひとつあります。仮に5万語を維持するためには5万語の復習が必要かといえばそんなことはありません。「5万語のアンチ・バベルの塔」を建てられる人なら、半永久的に忘れない語彙はすでに3万語を突破しています。残り2万語もそっくり2万語ではありません。その核になる ― 他の語彙は確実に意味を推測できる ― 語彙は5000語程度でしょう。

つまり、半永久的に忘れない語彙も「アンチ・バベルの塔」をメンテナンスするプロセスを経て確実に増加していくわけです。最初、記憶の寿命は10日ぐらいかもしれません。そのうちに20日の命になり、もっと伸びて2ヶ月、数ヶ月、半年と伸びていきます。

たとえば、目標を、日本人としては超高度な3万語に設定しましょう。このように数を限定すれば(たとえ3万語以上でも)、復習時間を徐々に減らしていくことが可能になります。復習の要領も分かってきてどんどん効率もアップしますから最初の苦労はうそのようになっていくでしょう。記憶の寿命が延びるにつれて1週間ほど復習を休んでしまっても大丈夫になります。どうしても覚えられない語彙だけピックアップして重点的にケアする方法も非常に有効です。そうすれば、他の語彙は多少放置してもOKですから、ますます楽になります。

とにかく、復習を習慣にしてしまうことです。あんなにたいへんなラッシュ通勤でも毎日欠かさずしているじゃないですか? あんなにめんどうくさい~でも毎日続けてやっているじゃないですか? 習慣にすれば、どんどん当たり前になって、やらないと生活のリズムが狂うほどになりますよ。

続く...

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