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「アンチ・バベルの塔」検証(4)

アンチ・バベルの塔=anti-forgetting」だと前に述べたことがあります。

人はよく、「① 興味のあることなら覚えやすい」とか「② 何か印象に残るように工夫すれば覚えやすい」とか「③ 記事の中で出てきた語彙は覚えやすい」とか「④ ~したら覚えやすい」とか言います。

しかし、①②③④を主張する人たちのだれ一人として「いったいその方法でいくつの語彙が覚えられるのですか?」という問いに答えられる人はいません。「あなたはその方法でどれくらいの語彙を実際に覚えたのですか?」という問いに答えられる人もいません。ただのアイデアに過ぎないからです。

①②③④で覚えることのできる語彙は微々たるものです。それより受験勉強で必死に覚えた語彙のほうがはるかに多いし、だから、役に立っているはずです。

新聞や雑誌を読むときあるいは人の話を聞くとき目や耳に飛び込んでくる語彙は「あなたに興味のある語彙だけではない」し「あなたの印象に残っている語彙だけでもない」し「微々たる数の語彙でもない」のです。

暗記する語彙を選り好みしている限り永遠にまともに「読めない」「聞いてもわからない」「しゃべれない」「書けない」状態が続きます。

それで満足できる人はまことに幸福です。何の問題もない。他の人がとやかくいうことではない。

しかし、それで満足できないなら、選り好みなどしてはいけない。小学生の語彙数でさえ2万語であることを忘れないようにしたい

満足できない人は語彙を充分に覚えたらいい

充分にといっても無限に覚える必要などない。「学習用辞書」の語彙をすべて覚えたらいい。それで充分である。十数万語の辞書でも2000ページしかない。一日1ページ覚えても6~7年あれば終了する(年間300日の計算)。6~7年が長いと思うなら日にちなど無視すればいい。5年や10年はすぐに過ぎることをみなさんはもうしっかり経験されていると思う。500ページの辞書(これだけでも覚えたら日本人としては超級)なら2年もかからない。

選り好みしながら2年間かけてどれだけ覚えられますか? そんなことをしていて語彙の増強はほとんど不可能である。暗記すべき語彙の選択は「学習用辞書」が既に済ませてくれています

それ以外に専門用語・業界用語などが必要な場合は、日本語の同様な場合を考えればわかるように、自分でいくらでもあらゆる手段を使って効率よく追加できます。ベースになる5~6万語の語彙があるからです。

まずしなければならないことは、「それなりのネイティブなら誰でも知っている語彙=学習用辞書(できたら学習用英英辞典)に掲載されている語彙」を覚えることです。

「学習用辞書の暗記=アンチ・バベルの塔」なら、学習用辞書を利用して、数万の語彙力増強が可能です。

覚える秘訣はただひとつ「繰り返すこと」です。何回復習したか意識する必要はありません。覚えるまで繰り返せばよい。「繰り返せば、何回とは言えないが、必ず覚えられる」ことは確実です。そう、確実に覚えられます。そして、あなたの英語の能力は格段に進歩します。

覚える際に自分流の暗記法を生かせればさらにすばらしい。しかし、繰り返しなしではどんな暗記法も機能しない

すぐ忘れるから①②③④がいいという。しかし、①②③④でやると忘れないのですか? どんどん忘れますよ、もちろん。しかも、①②③④がカバーする語彙数などせいぜい数百語でしょう。また、①②③④は単なるアイデアに過ぎず、それで成果を挙げる実証済みの方法もまったくありません

「アンチ・バベルの塔」もいやになれば繰り返し(=復習)だけにすればいいし、多読しながら再びやる気がでてくるのを待ってもいいし、未知語彙の転写だけに、とりあえず、専念してもかまわない。

いずれにしても、暗記に関して常に心がけるべきは「繰り返しは暗記の王」という事実です。

ネイティブは20~30年かけて5~6万語以上の語彙を獲得します。その間のあらゆる形の繰り返し学習の時間も膨大です。この膨大な時間を無視できない。膨大な繰り返しの学習を無視できない。各教科の学習上暗記せざるを得ない語彙の量も膨大である。こんなことは私たちの日本語の語彙の獲得を振り返ったら充分理解できることです。日本語の5~6万語の語彙を①②③④で習得したわけでは決してない。

日本語の場合、英語の学習と異なって、覚えるべき語彙の選択をする必要はありません。周りの人たちが覚えていく語彙を習得すればいいだけです。英語の場合はそうではない。どうすればいいのか? 学習用辞書を覚えたらいい。辞書暗記が、正確さ及び効率の観点から最も優れた方法です。完全な方法とはもちろん言えませんが、①②③④とは比較にならない優れた方法です。私は、辞書暗記の代わりになるあるいはそれを凌ぐ実証済みの方法を知りません。

さらに言えば、辞書暗記の背景に「日本語による豊かな教養」があれば理想的でしょう。日本語が豊かであればあるほど、英語の世界も豊かになる可能性が大きくなる。 日本語が豊かであればあるほど、自分の英語の幼稚さを痛感する。だから、その分、英語の習得にも力を注げる。

日本語の充実+繰り返し!

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