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「才能」(22)

前回に続いて今回も、スティーヴン・キングのことばを引用します。

以下は、彼の著書 『死の舞踏(安野玲・訳 福武書店)』 より(省略の3つのドット...・太字はk.y.)。

(引用開始)

...私は、作家というのは作られるものだと思っている。夢や幼児期のトラウマがあるからといって、それだけで作家になれるわけではない。作家(なり画家なり俳優なりダンサーなり)になれるのも、意識的な努力あってこそのこと。もちろん、才能の有無を無視してよいわけではない。だが、才能などというものはきわめて瑣末な要素に過ぎない。いってみれば、食卓塩のようなものだ。たんに才能があるだけの者と成功する者とを分かつのは、ひとえに日々の研鑽のみ。才能だけではなまくらなナイフも同然しゃかりきにならなければ何ひとつ切れはしない。しかも、力を入れすぎると、うまく切れるどころか、切ろうとした当の対象までめちゃめちゃにしてしまいかねないから始末が悪い(ついでながら、そういうナイフは二度か三度使うのが関の山。というのも、ショックに弱くてすぐにぽっきり折れてしまうからだ......ロス・ロックリッジやロバート・E・ハワードといった作家のたどった運命がまさにそのパターンといえよう)。才能というナイフに必要不可欠な砥石は、耐えざる努力ただひとつ。努力によって研ぎすまされた刃は、きっと鋭いはずだ。うまくいけば、硬い肉や腱を切ることも夢ではない。作家であれ画家であれ俳優であれ、アーティストと名がつく人々も生まれながらに切れ味のよいナイフに恵まれていたわけではないのだ(ただし、持って生まれたのが特大のナイフだという可能性はある。そういう場合、世間はその人を「天才」と呼ぶ)。おのおのが自分のナイフを自分にぴったりの方法で真剣に研ぐしかない
 もう少しいえば、どんな分野のアーティストにもその人にふさわしい時と場所がある。ふさわしい時のほうは神のみぞ知るだが、ふさわしい場所に至る道のほうは、人として生を享けたからには、必ず自力で見つけ出せることになっている

続く...

k.y.談: 「才能だけではなまくらなナイフも同然しゃかりきにならなければ何ひとつ切れはしない」と書いてあるが、こうした姿勢を「オタク」といってバカにする人が多い。しかし、私は、「オタクにあらずしてしかも何かをなした人」をまったく知らない。それは「まさに天才・スティーヴン・キング」級の人だけに限らない。それなりに人を惹きつけるアーティストはすべて「オタク」である。いやいや、アーティストを例に出すまでもない。どんなことでも「オタク」にならずして達成できることなど、私にとっては、どうでもいい程度のことばかりである。

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