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「才能」(26)

平成8年に 『人生、惚れてこそ 知的競争力の秘密』 という、米長邦雄・棋士と羽生善治・棋士の対談集が出版されました。

たぐいまれな頭脳を持つふたりの対談集ですからどこを読んでも面白いのですが、今回は「”狂気の世界”の入り口が見える」という1章のなかにある羽生・棋士の発言を引用します(発言中の太字及び漢数字を算用数字に変換はk.y.)。

(引用開始)

 羽生 将棋にものすごく時間を割いて、1日に10時間とかめちゃくちゃ研究する、ということも不可能ではないんですね。それを毎日のようにずっと続けていくとします。そうすると、だんだん頭がおかしくなってくるんじゃないでしょうか。
 将棋には、ある意味で”狂気の世界”の部分があると思うんです。そういう世界というのは1度入ったら2度と戻って来れないから、ちょっと行くのは躊躇する。ただ入口があるのはわかるんです。見えている。 そこに入るともう2度と出て来れないという怖さがあります。
 だから、目一杯アクセルを踏み込んで”狂気の世界”を駆け抜けるということも、不可能ではないと思いますが、1度、その中に入ったら戻って来れない。私はそういう世界に入りたくはありません
 だから、将棋が人生のすべてだとか、全人格を賭けた戦いだというふうには考えず、1つの技術だと思っています。将棋における人生と、日常生活での人生とをドライに割り切っていくほうがいいというか、自分には向いている気がします。
 チェスの世界に、フィッシャーという棋士がいますね。本当にチェス一筋で、チェスばっかりずっとやっている変わった人です。一方にカスパロフという強豪がいます。彼は必ずしもチェスばかりをやっているわけではないらしいんです。むしろ、チェスばかりやっているのは弊害があるという考え方で、たとえばロシアの詩人の詩を読んだりとか、そういうこともしているらしい。そうしないとチェスの今のレベルを維持するのはむずかしいという考え方なんです。
 つまり、その人の考え方というか、人生の方針で大分違ってくるということでしょうね。

(引用終止)

k.y.談↓

天才といわれる人たちは正気と狂気の境界線を経験している ― 狂ってしまう人もいる ― という事実に今更ながら興味があります。

「才能」というのは、「何時間勉強したら~だけの成果が出る」というような計算を超越した世界の閃光(せんこう)なのか?

F1レースでアイルトン・セナがコーナーを曲がりきれずにクラッシュして死亡しましたが、あれは天才(の操る)マシン正気と狂気の境界線でバランスを崩したからではなかったか?

羽生・棋士の発言に将棋に魅せられた男の才能の断面図をかいま見たような印象を受けました。

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