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「英語を英語の語順で理解すること」

「英語を英語の語順で理解することが重要だ」という有力な議論があります。

日本の学校では日本語の語順で英語を教えている。だから、いつまでたっても英語を英語のまま理解できないのだ。この英語の教育の仕方は間違っているという主張です

たとえば、She saw a figure before her whom she took to be John. は 「① 彼女は見た ある人影を 彼女の前に その人を 彼女は思った ジョンだと」というふうに頭から理解しなければならない。「② 彼女は、前方に、ジョンだと思う人影を見た」と訳して理解してはいけないという見解である。

私は、こんなばかげたことを主張する人に、「それなら、それを可能にするどのような英語教育があるのですか?」と質問したい。

しかし、そんな質問はしない。

なぜしないのか?

そんな英語教育の方法は皆無だからだ。

伝統的な学校文法は極めて優れた英語の教育・学習の方法であってそれに代替するものは未だ現れていないしその萌芽さえない。

しかも、充分実用に耐える確立された文法・構文教育を受けた後だからこそ①のような意味取りができるのであって、白紙の状態でそれが可能なはずがない。SVOおよび whom 以下の SVOC さらに関係代名詞 whom が文法・構文面で了解できてそれを日本語にすると②のようになるというプロセスを無視して①の意味取りは不可能なのだ。

さらに、そんな主張をしている人たちは自らが否定する学校文法の知識に基づいて ① を引き出していることは明らかなのだ

だから、いきなり ① を引き出せる教育方法を開発することなどとてもできない

素直にそんな論者のいうことを信じ学校文法をいい加減にやり過ごして ① に至ろうとする人は生涯正確な英文の解釈ができないままで過ごすことになる。まことに悲劇としかいいようがない。

英文 → 学校文法 → ② → ① のプロセス」こそ、代替する方法がない今の状態では、最も瑕疵(かし)の少ないプロセスであって、充分熟達すれば「英文 → ①」が無意識にできるようになる。当然、必要に応じて、②も完璧にできる。

そもそも、たとえばCNNのニュースを聞きながらいちいち ② を頭で引き出すことなどできっこない。英語の流れに沿って理解する以外にない。日本語など浮かべる余裕がない。

ただし、そんな聴き方ができる基盤に学校文法・構文学習があることを忘れてはならない。

逆転した議論を信じてはならないと思います学校文法があるから英語を英語の語順で理解できるのであってその逆ではありません。

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Comments

 はじめまして。
 英文を抵抗なく読めるようになりたいと思いリーディングを続けています。しかしあまりにもわからない単語が多いため、語彙学習を分離した方が良いのではないかと考え、いろいろな学習法を調べているうちにアンチ・バベルの塔方式を知りました。
 さっそくカード作成を始めています。さしあたり、愛用しているマクミラン英英辞典の定義語彙2500から記憶のあやふやな語を選び、またリーディングで出会った未知語もあわせて暗記しています。
 ですが、訳語や語義に添える例文を集めるうちに、さらにわからない語に次から次へと出くわしてしまい、カード記入候補が雪だるま式に増えていくという状態に陥りつつあります。本当は、はやく定義語に一段落つけて、本格的に辞書の冒頭からの暗記を始めたいのに、と思っているのですが。引用されていたピーター・フランクルさんの言葉から、未知語との最初の出会いは大事にしたいと思いましたので、ひたすらカードを作っています。

 ところで、復習をする時にも、訳語より例文を見た方がすとんと腑に落ちる感じがするのですが、いわゆる「暗記」のイメージからすると、例文よりも訳語や語義を重視した方が良いのでしょうか。私的には英和辞典の訳語は生気を感じないため覚えにくく、想起もしにくいように思われます。k.yさんは単語を記憶したかどうかはどのように判定されますか? 訳語が想起されたらOKということでしょうか。
 
 ともあれ、繰り返し復習することで、よそよそしく見えていた語がだんだん身近に感じられるようになっていくのが楽しく、今後も模索しながら継続していこうと思います。
 
 追記:このコメントの文章を考えている間に更新されていました。英語の語順で理解を、というフレーズを念頭に数年英文を読んできましたが、最近は自分の読解の「精度」に対する不審感が高まり、基礎文法の重要性を実感しているところです。すらすら読んでいるつもりでも、ふと立ち止まり、なぜそうと読めるのか、なぜそうとしか読めないのか、を説明しようとしてもできないことに不安になります。
 私の場合は、学校文法の批判どころか、学生時分の自分を責めるばかりです。

 コメントにあるまじき長文失礼しました。今後もブログの更新、楽しみにしています。それでは。

Posted by: muket | July 05, 2005 at 03:48 AM

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