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「才能」(24)

前回に続き、スティーヴン・キング著 『死の舞踏(安野玲・訳 福武書店)』から 引用します(省略・太字はk.y.)。

...才能を見つけるというのはなかなか魅惑的な作業だ(ただし、納得いくように説明するのは困難をきわめるし、わざわざ説明するつもりもまったくない ― 「詩人の手に委ねよ! 詩人は語るすべてを心得ている。すくなくとも、自分たちにはその力があると信じている。どちらにしても同じことだ。だから、語るのは詩人にまかせておけばよい !」)。ダウンジング・ロッド(k.y.注: 水脈探しの棒)が地面をさして、水がそこに、自分の足の下にあるとわかる瞬間、あれこそまさに魔法の一瞬。さらに、実際に井戸を掘り、原石を磨き、ナイフを研ぐという作業も、これまた魅惑的な作業だ(ただし、これについても納得いくように説明するのは困難をきわめる。若く雄々しい作家の英雄的とさえ形容できそうな奮闘を描いたハーマン・ウォークの『ヤングブラッド・ホーク』にはいつも感心させられる)。ところがもうひとつ、ちょっと趣を異にするダウンジングがある。そのもうひとつのダウンジングについて、ここで多少の行数を費やしてもむだにはなるまい。こちらのダウンジングの目的は才能そのものを見つけることではなく、「ああ、自分はこういうことに向いているんだ」と悟る電光に打たれたようなその一瞬を感じとることにある。リトルリーグで野球をやっている子供がいるとしよう。その子にとっての一大事は、そこそこの球が放れることがわかる瞬間ではなくて(そんなことなら黙っていてもそのうちわかる)、とびきり速い球が投げられるとか、すごい変化球を投げられるとか、何でもいい、とにかく、「自分はこれが得意だ」という特別の何かに気づく瞬間そのものだ。まさにその瞬間、人は天にも上る心地を味わう...

k.y.談 : 「競争」は「ダウンジング・ロッド=水脈を探す占い棒」の役割を果たすはずだ。・スティーヴン・キングがここでいう「水脈」とは各自の向き・得意分野のことである。


小学生や中学生の時期に「自分はこれが得意なのだ!」とわかる瞬間。これは、だれにも訪れる瞬間ではないかもしれない。しかし、たとえば、そんな児童・生徒が増えたら「陰湿ないじめ」などは減るだろう。他人をいじめるより自分の得意なものに打ち込めるほうが楽しいに決まっているではないか。他方で、他人を助ける気持ちもかえって強くなると思う。

相手が強くなったほうがおもしろい。全国で「アンチ・バベル大会」を開催したら愉快だろう。中学生なら出題範囲を 『ジュニア・アンカー英和辞典』 に限定する。

今の学校は「競争」を悪いこととみなす傾向がある。私は「競争がなぜ悪いことなのか」わからない。みんなで競争したほうが「各自の得意なこと」がはっきりする。何をやるにも譲り合いながらやっていては全力を出し切る機会がどんどんなくなっていく。そして、自分の得意分野を発見できる機会がどんどん少なくなってしまう。

勉強もそうだし運動もそうである。人は、時に勝ち誇り、時に落胆してみじめになり、時に他の人のすばらしさ・優秀さに感嘆して自分もそうなりたいと感じ、時には自分の不得意分野をいやというほど自覚し、時に同情し、時には今度は勝つぞと思ったりするのが自然だろう。情操教育が自然に行われる。生きていることの喜びももっと強くなる。そうすれば困っている人の気持ちもよくわかるだろう

チームで競争することもいいことだ。

今の社会は、実は競争社会なのに、学校だけ「みんないっしょに仲良くしましょう」ではおかしいし、むしろウソっぽい。もっと「競争」を肯定したほうがいい。

ちなみに、今関西では関関同立ががっぷり4つに組んで「小学校・新設ウォーズ」が展開されている。新設校の目的が「みんないっしょに仲良くしましょう」だけではないことは、たとえば立命館小学校の広告コピーを読んでも明らかである。


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