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ネイティヴの子供と大人の日本人の英語学習 その4

まずその1~3でのべたことを確認しておきます。

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○ 日本人の大人が有利な点(極めて強力な武器)は2つ

① 日本語が完成していること。語彙は3~5万語のレヴェル

② 文法・構文は論理的に理解し習得することができること

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○ 日本人の大人が不利な点は2つ

① 音声の習得が著しく困難であること

② 生存に直結する必然性がないこと

① の克服 は、脳の機能と密接に関連しているので、不可能ではないが困難である(私はほとんど困難を感じません。個人差もあるようです)

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○ 「生存に直結する必然性がないこと」 の克服法は2つ

① 強固な学習意欲を持つこと

② 復習を ― 回数を限定せず ― 繰り返すこと

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今回は、ネイティヴの子供と大人の日本人の英語学習には共通点もあることに注目します。

それは、前回にも触れましたが、「習い性となる=習慣が、ついにはその人の生まれつきの性質のようになる」というプロセスです。

ネイティヴの子どもの場合は無意識で大人の日本人の場合は意識してという違いはあるが、プロセス自体は同じです。

そのプロセスを念頭において、たとえば帰国子女の日本語習得事情を考えてみましょう。

荒井佐よ子著 『英語は英語で勉強するな(2001年に主婦の友社発行)』 から帰国子女のを話を引用しておきます(タイトル以外の太字はk.y.)。類似の話はみなさんもよくご存知のはずです。

(引用開始)

帰国子女がなぜ通訳できないのか。日本語のバックボーンがないからです

 「帰国子女は英語ができていいですね」と帰国子女をうらやむ人がいたり(ただし、うらやまれるのは英語圏からの帰国子女ですが)、最近では「英語が身につくように、子供を留学させようかと思いまして」という非常に教育熱心な親御さんもいます。

 確かに、英語が話せるということは、この不況の中で就職する際に大変有利になりますが、帰国子女からすれば、やはり悩みはあるのです。どのような悩みかといいますと、日本語に対しては、日本で育った人に比べて、苦手意識やコンプレックスがあるということです。最悪なのは、海外にいた年数が短いと、英語も日本語も中途半端になっているということです。しかし英語はできるでしょうと言われるので、馬脚を現さないよう、できるような顔をしていなければならないという心理的苦痛もあります。

 日系のアメリカ人として生きていくのならともかく、いつか日本に帰ってきて、生活しようと考えたら、やはりアメリカで生活していても、きちんと日本語を学んでいかなければいけないです。日本の社会で英語のできる人日本人として高給を得るには特に日本語は必要です。

 日本人なら日本語はできて当然なんてことはありません。その証拠に、私は。同時通訳の研修所講師をしていましたが、日本で育ってきた生徒たちに英語を教えるのと同様に、外国で育ってきた生徒たちには、日本語の教育をしなければなりません。そしてどちらが早く同時通訳としてひとり立ちするかというと、本人の努力にもよるのですが、ほとんどその差はありません。会議通訳のような内容の難しい同時通訳は日本語がしっかりしている人のほうが早く上達します

 こう言っても、信じられないという人もいることでしょう。英語で教育を受け、家族と日本語で日常会話ができると、すぐに通訳などできそうだと思うかもしれませんが、意味はわかっても適切な日本語に置き換えられるだけの、日本語の知識がバックボーンになければ、通訳はできません。日本語が理解できなければ通訳として失敗です。

 もちろん、外国にいれば日本語が身につかないということを、本人やご両親が理解していて、本を読んだり日本語でニュースを聞いたり、しっかり日本語を学んできた帰国子女は、難なく通訳になれる人もいます。つまり、帰国子女だからといって、すべての人が、日本社会で英語力を発揮できるわけではないということです。外国人とのみつき合っていれば、それはそれでいいのですが。

 確かに人より早く語学が上達する人がいます。しかし、その人はその人なりに努力しているのです。「外国にいなかったから」と環境のせいにするのはよくありません

 帰国子女だって日本語を勉強する必要があるのですから、条件はフィフティー・フィフティーなのです。

 たとえば、tail wind, head wind という英語。これを「しっぽの風」とか「頭の風」なんて訳すと日本人はわからないでしょう。「追い風」、「向かい風」と適切な日本語で通訳する必要があります。日本語の語彙や知識、つまり日本語のバックボーンがいかに重要か、私が強調するゆえんです。

(引用終止)

追記: 上記の荒井佐よ子氏の著書の副題は「日本語の知識を活かせば効率100倍」となっています。

これは、私が指摘した:

「日本人の大人の有利な点2つ」

① 日本語が完成していること。語彙は3~5万語のレヴェル

② 文法・構文は論理的に理解し習得することができること

を意識的に強調したためだと思います。

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