« 絶対必要な英単語6000語(238/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語(239/365) »

ネイティヴの子供と大人の日本人の英語学習 その3

前回(その2)で日本人の大人がネイティヴの子どもに比較して、英語学習上、不利な点は次の2点あると述べました。

① 音声の習得が著しく困難であること

② 生存に直結する必然性がないこと

① については前回に触れましたので、今回は②について考えてみます。

ネイティヴの子どもは母語を覚えない限り文字通り生きていけないわけですから、ことばを覚えることが生存に直結しています。

食べたり寝たりするのと同じ所為になります。文法書を買ってきて勉強しようとか、英会話学校へいこうとか、「アンチ・バベルの塔」を建てようとか、そんなことは一切なしに、だれでも母語を習得します。

何度繰り返して練習しても、復習しているという意識は皆無です。本能的に母語を習得すると言っても過言ではないでしょう 

( この「本能的に母語を学習する」という現象を、非ネイティヴの大人は「楽に学習する」と解釈しがちである。そして、「だから大人も子どものように学習すれば楽に覚えられる」と短絡的に結論してしまう。子どもが、非ネイティヴの大人には到底真似のできないエネルギーと集中力と膨大な時間をかけて、母語を習得していくという事実を完全に無視してしまう。子どもはそのエネルギー・集中力・膨大な時間を意識しないだけであって、決して易々と母語を習得するわけではない誤解していけない。だから、「非ネイティヴの大人がネイティヴの子どもと同じように外国語を習得することはありえない」ということをしっかりと認識しておかなければならない。私はこのことをしつこく主張しているが、誤解している人は無数におられる。「いわゆる多読 ― それが英語力向上の非常に有力な手段のひとつであることも確かだが ― だけでボキャビル」が可能だとする人たちもひどい誤解・幻想にとらわれている。曲がりなりにも英語で読書らしきものができるのはいやでも受験勉強(文法・構文・単語暗記)をしたからだという明らかな事実を無視している。ちなみに 「いわゆる多読」 は 「ネイティヴの超・遅読」 であり、真の多読は、本格的なボキャビルの併用によってのみ可能になる )。

 他方、非ネイティヴ(日本人の大人)は違います。英語がわからなくても充分生きていけますし、通訳や翻訳を利用することもできます。まったく、生存には直結していない

応用言語学者・ドミニク・チータムは、自著 『リチューニング英語習得法』 で (以下太字はk.y.)、“ …日本にはイギリス人が何千人も住んでいて、毎日日本語に接しているのに、日本語があまりうまくしゃべれない人たちが大勢いる。これはなぜなのか? 必要がないからである。他にイギリス人もいるし、日本人の中に英語がうまい人も多いし、英語の本や新聞、雑誌、映画、そして英語だけでも就職ができるところさえあるから、日本語を学ぶ必要性を感じないのだ。その点では、英語以外の言葉をしゃべる外国人のほうが、日本語がうまくなるのは当然だと言えるだろう。 日本に住んでいるイギリス人、あるいはアメリカ人は、こうしてみると日本語を勉強する必要があまりないわけだが、とはいっても彼らも日本語には常に触れている。 それならなぜ自動的に日本語が身に付かないのか? 人間の脳は、自分が必要としないことを学ぶのがうまくない、あるいは必要のないことは身につかないようになっているからだ。 しかし、言葉を学びたい、あるいは言葉を学ぶ必要があると思っていても、なかなか身につかない人が多いではないかという考え方もあるだろう。 「確かにそのとおり」だと思う。けれども問題は、人間の脳は脳にとって必要がないことは学ばないという点で、実に巧妙にできている。人間が必要であると考えることと、脳が必要であると考えることがまったく違うというケースはよくあることなのだ。 もし脳が自動的に言葉を学ぶことができるのなら、脳はまた言葉を身につけないことも自動的におこなえるのである。 脳は愚かなものではない。 たとえ低いレヴェルに留まるとしても、言葉を学ぶには脳が大きな働きをする。 LAD (k.y.注:言語習得装置) は精一杯働かなくてはならないだろう。仮に低いレヴェルでも、言葉を学ぶのは大変な作業である。脳が言葉を学ぶ理由がほとんどない、あるいはまったくないのなら、貴重な時間と労力を無駄に費やしたことになる。何らかの納得できる理由を与えてやらなければ、意味がなくなるのだ。脳が自信を持って、「さあすぐにやれ、さもないとお仕置きをするぞ」 と言うようでなければならないのである ” と述べています。

ドミニク・チータムの文章はまだまだ続いているのですが、同じ章の最後のほうに 「ではどうすればいいのか? ・・・ 自分の脳をだまして、英語を苦労して学ぶに値するものだと納得させることである」 と書いてあります。

では、具体的にどうしたらいいのか。

私は2つしかないと考えます。

(1) 強固な学習意欲を持つ

(2) 復習を ― 回数を限定せず ― 繰り返す

強固な意欲を持続して、自分の脳を「これでもか・これでもか・これでもか」と徹底して洗脳することでしょう。

私は 「ならい、せいとなる(習い、性となる)」ということばが好きです。

「習慣が、ついにはその人の生まれつきの性質のようになる」という意味です。

習慣になるまで徹底して繰り返すこと。「アンチ・バベルの塔」の鉄則でもあります。

|

« 絶対必要な英単語6000語(238/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語(239/365) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/5707879

Listed below are links to weblogs that reference ネイティヴの子供と大人の日本人の英語学習 その3:

« 絶対必要な英単語6000語(238/365) | Main | 絶対必要な英単語6000語(239/365) »