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なぜ語彙を豊かにしたいのか?(続続)

(引用再開)

 あるいは、書物を読んで、それに共感することもある。それは、かつて自分が体験し、非常に印象的なできごとだったにもかかわらず、的確な言葉が見つからなかったために、忘れてしまっていたことを思い出させてくれているのである。

 絵画を見たときなども同じような体験をすることがある。どうすばらしかったか、どう心を打たれたのかということをうまく表現できなかったために、心の奥底にしまいこんでしまったものが、具体的に書き記されているのを見て出てくるわけだ。言葉は、こうして記憶の底にあるものを引っ張り出してくれる役目も持っている。そして、脳味噌の中に蓄積されていくのである。

 また、言葉は自分では思っていなかった意外な情報をもたらしてくれることもある。そういう考え方もあるのかと、目からうろこが落ちる思いをした経験もまた、だれにでも一度ならずあるのではないだろうか。

 私は小さいときから、何となく「読書ノート」を作るのが習慣になっていた。小説などを読んで、いいなと思った文章や言葉を抜き書きしておくわけだ。川端康成の 『伊豆の踊り子』 の一節などは、今でも頭の中にインプットされている。それを何回も反芻していると、あたかも、自分で書いたような気持ちになって、言葉が自分のものになっていくのがわかったし、それが快感だった。

 それは、自分で書くときのヒントになった。よく絵や音楽の勉強は模倣からと言われているが、文章修行の場合も、まずは模倣からなのだ。

(引用中断)

k.y.談

言葉にはもうひとつおもしろい側面があります。類似した脳をもっている人は、まれにではあるが、まったく同じ言葉を使うという現象です。つまり、まったく同じ思考をする。

私は、それを確信する信じられないような体験をしたことがある。それは、抽象画家・ワシリー・カンディンスキー(1866~1944)について考えていたときに起こりました。まだ、20歳代のころでした。

私は、抽象絵画について自分なりに考えたことを数行の文章にして書きとめておいたのですが、何とそれとそっくり同じ文章を岩波書店刊の 『哲学講座』 の中に発見したのです。

そっくり同じだった。短い語句ではなく3~4行の文章でしたからほんとうに驚きました。

もし私がプロのライターで、その文章を 『哲学講座』 より前に発表していたら、『哲学講座』 の執筆者を盗作で訴えていたかもしれません。

続く...

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