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語彙学習と文型の知識(1)

1970年の春に、安田一郎先生は、 『続基礎英語』 を受講している人たちからの要望にこたえて、 『英語の文型』 という本を日本放送協会から出版されました。

安田先生は、その序文で、文型について次のように述べておられます(太字k.y.)。

(引用開始)

 昔はよく「英語の実力は字引をひく回数によってきまる」というようなことがいわれました。単語さえおぼえれば、英語はひとりでにできるようになるという極めてそぼくな考えから出た言葉です。たしかに、単語の数が多ければ、それを自由に操っていろいろなことが言えるようになることは事実です。しかし、その前に大切なことを忘れています。おぼえた単語を操る「しかけ」を知っておかなければ、せっかくおぼえても単語に「ことば」としての血を通わすことができません。それでは、その「しかけ」とはなにかといいますと、それが文型です。
 言語として考えた場合、日本語と英語の一番大きな違いは、文字の書き方でも発音でもありません。素材としての単語を「ことば」に変えるための語順の法則、つまり文型なのです。日本語は格助詞の存在によって、語順をどうにでも変えられる言語ですから、それに慣れている私たちはうっかりすると英語における語順の重要性をわすれてしまいます。たとえば、「AはBが好き」という場合、日本語では「Aは好きです、Bさんが」/「好きですAは、Bさんが」/「好きですBを、Aさんは」/「Bが好きです、Aさんは」/「BをAは好きなんです」と少なくとも6通りの言い方ができるわけです。ところが、英語ではこの場合たった一つの語順しかありません。それが [A likes B.] という語順であることは、英語を少し習いはじめたひとならだれにでもわかることです。
 では、なぜこの場合それ一つしかないということがわかったか、といいますと、それはこの言い方について語順の法則をよく心得ていたからだ、といえます。心得ていたから正しい英語をすぐ引き出すことができたわけですが、このほかの言い方についてはどうでしょう? 英語の言い方にはすべてこれと同様な語順の法則があって、それを心得ていなければ英語にならないということを考えたことがあるでしょうか? つまり、どんなに単語をおぼえていても、語順の法則を知らなければ、それを「ことば」として使うことができないということを考えたことがあるでしょうか? 英語の勉強にとって、語順の法則、すなわち文型はそれほど重要なものなのです。英語ができるようになるか、ならないかは身につける文型によってきまる、といっても過言ではありません。

(引用終止)

k.y. 談

「アンチ・バベルの塔」は、既に何度か書きましたように、「構文=文型のマスター」を前提にして語彙を強化するツールです。

また、構文=文型の知識がなければ、語彙学習も早晩頭打ちになります。語彙ばかりを単独に増やせるはずがない。

「単語ばかり覚えてもしかたがない」という人のなかには、実は「単語が覚えられない」人も多く含まれています。さらに、「単語が覚えられない人たち」=「構文=文型の心得がない人たち」=「英語がなかなか習得できない人たち」という図式が成り立つ場合がめずらしくありません。

逆に言うと、1~2~3万と語彙数を増やせる人は、構文=文型の心得があるはずです。

大学受験生も、「英語がわかる」と感じて「語彙の暗記も軌道に乗る」のは、S V O C の分析ができるようになったときです。そうなると英語の勉強が苦痛でなくなる。

やみくもに単語を詰め込むという表現を好む人たち」は、明らかに、「構文=文型欠損症の人たち」でしょう。

欠損症を克服したら語彙が欲しくなります。

少なくとも、「やみくもに」という不快感が解消します。

続く...

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