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脳と語彙・思考と文明

「なぜ語彙を豊かにしたいのか(続続)」で、次のように書きました。

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言葉にはもうひとつおもしろい側面があります。類似した脳をもっている人は、まれにではあるが、まったく同じ言葉を使うという現象です。つまり、まったく同じ思考をする。

私は、それを確信する信じられないような体験をしたことがある。それは、抽象画家・ワシリー・カンディンスキー(1866~1944)について考えていたときに起こりました。まだ、20歳代のころでした。

私は、抽象絵画について自分なりに考えたことを数行の文章にして書きとめておいたのですが、何とそれとそっくり同じ文章を岩波書店刊の 『哲学講座』 の中に発見したのです。

そっくり同じだった。短い語句ではなく3~4行の文章でしたからほんとうに驚きました。

もし私がプロのライターで、その文章を 『哲学講座』 より前に発表していたら、『哲学講座』 の執筆者を盗作で訴えていたかもしれません。

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一卵性双生児同士がまったく同じことを考えるというのはよく聞く話ですが、まったくの他人同士でも同じような現象があり得るということです。

異言語話者同士ではどうなるのか? これも興味津々です。

さて、『哲学講座』事件を書いているうちにもうひとつおもしろい話を思い出しました。

つまり、「同じ脳 → 同じ思考 → 同じ語彙 」の延長線上に 「同じ文明」 という現象もあるという話です。

その話は 『養老孟司・学問の格闘』 のなかの対談「養老孟司×関雄二(専攻:中南米考古学・文化人類学)」に出てきます。

以下に引用しておきます(太字k.y.)。

(引用開始)

・・・

養老 ― アンデスの神殿もそうですが、ピラミッドに似たものは世界各地にありますね。

関 ― 似てはいますが、私たちはそれぞれ独立にできたと考えています。ただ今世紀の初頭には、似ているのは文明が伝わったためだという説が非常に強かったんです。たとえば、エクアドルでは南米で一番古い土器が出るんですが、これが北九州の縄文式土器とそっくりなんです。それで、海流の動きなどを計算して、縄文の漁民が難破して伝えたという説を出した研究者がいました。
 現在では、この説は信じられていません。人間の文化の形成はそんなに単純ではなくて、もっと複雑なメカニズムで進んでいくはずです。ただ、離れたところで同じようなものができるというのは、確かに面白いですね。

養老 ― 人間だから同じようなことをするんですよ(笑い)。脳の働き方には特定の法則性があるはずなんで、一定の段階にある文明が同じようなものを生み出すというのは、別に不思議なことではないと思いますね。

(引用終止)

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