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なぜ語彙を豊かにしたいのか?(続続続)

(引用再開)

 そういう意味で、すべての勉強の基本は「言葉」にあるというのは私の実感である。どんなにすばらしいことを考えていたとしても、それを言葉で表現することができなければ何も考えていないのと同じになってしまう。つまり、言葉によって思考は成立すると言っていい。言語をきちんと勉強した人間でなければ思考できないと言っても、けっしておおげさではないと思うくらい、私は言語をだいじなものだと思っている。
 ローマの道徳哲学のエッセイストだったM・T・キケロも、ただ言語を話すだけではなく、より的確にまたより美しく話したり、立派な文章を書くことを「より人間的なこと」と名付けていた。つまり言語を磨くことによって、よりよい言語を使うことで、より一層人間的になることができる
 幅広い言葉を身につけ、それを自由に操ることによって、表現力は豊かになり、創造力も湧いてきて、新しい発想ができる。思考と言う段階をふまずに、いきなりキレたり、刃物を振り回したりする輩が増えた大きな原因は、彼らが勉強の基本としての「言葉」に乏しいからだと思えてしかたがないのである

(引用終止)

k.y.談

 互いに切磋琢磨して言葉をみがくことによって言論の質が向上し、自分は何もしないでひたすら相手が実行したことをけなすだけで「何かをした気分になる」ような現象はどんどん少なくなると思います。

何も実行することなく、何も独自のアイデアを持たず(つまり自分の言葉を持たず)、ただただ相手を批判する現象は、貧血症ならぬ貧語症(低劣なレトリックも含む)の典型的な症状でしょう。

貧語症はどんな事態を招くか?

政治の世界を観てみましょう。Aという案に対してBという対案を持たずにただただ「反対」を叫んで「何かをした気分になる」のが常態の集団がどうなるかは誰の目にも明らかでしょう。対立陣営に対して具体的で実効性のある対案を持たない硬直化したイデオロギー集団は必ず衰退・消滅します。

ひょっとしたらA案が間違っているかもしれないのにBその他の案がないために結果としてAが生き延びていく。しかもA自体は盛んな新陳代謝によってときには ―いい悪いとは無関係に ― 原型をとどめないほどの変容を遂げて強くなる。

己の正義の実現を目指すなら「反対反対反対・・・」のオンパレード作戦は愚の骨頂でしょう。さらに、危険でさえある。第3者に利用されて、関係のない人まで被災することがあるからです。

今度の選挙でも ― いい悪いとは無関係に ― 貧語症の度合いが得票数に直結する。

貧語症集団は富の配分でも著しく不利な立場にある。

ビル・ゲイツは米国の人口の1/3(=下層集団)の富に等しい資産(5兆円)をたった1人で築き上げている。 また、北朝鮮の国家予算は2千~3千億円に過ぎない。

貧語症集団は母語の習得自体でも劣勢を強いられる。たとえば英語では「標準英語」という強力な言語に従わざるを得ない。「標準英語」は貧語症集団の言語ではない。

そして、貧語症を予防・治療するための手立ては、独学も含めた教育しかありません

ニューオリンズの被災者の英語を聞きながら、言語や教育についてもいろいろなことを考えさせられました。

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