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中村修二の言語観

中村修二さんは、「20世紀中には絶対無理と言われた高輝度青色発行ダイオードの開発」を成し遂げて「世界の常識を破った人」である。

その中村さんが、独自の言語観を 『考える力、やりぬく力 私の方法(三笠書房)』 で披瀝しておられるので引用したい(太字は1部 k.y.)。

中村さん一流の言語観であるが、たいへん説得力がある。

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(引用開始)

 私が発光ダイオードという摩訶不思議なものと出会ったのと同じように、人は誰しもその人生のある時点で、何かとんでもなく不可思議なものと出会うのではないだろうか。専門外の知りもしないもの、あるいは、思いもよらないような仕事などにぶち当たることはあるだろう。その時に、それにどう対応するかで、その後の人生は決まってくる。

人生で一番大切なキーワード 「できない理由を探すな?」

 私が赤色発光ダイオードの材料であるガリウム・リンの多結晶の成長を言い渡された時がそうだった。私自身、半導体にかかわる研究をしようなどとは、これっぱかりも思っていなかった。ましてや発光ダイオードなど頭の片隅にもなかった。

 しかし、幸運なことに大学時代に勉強していたテーマに近い発光ダイオードの研究を、この片田舎の化学会社でするようになったのである。本当に人生とはどうなるかわかったものではない。私は、半導体の研究が好きだったのである。しかし、半導体に関する基礎理論に関しては、まったくの無知であった。というのは、当時の徳島大学には半導体が専門の先生が少なく、ほとんど基礎知識を勉強する機会がなかったからである。

 実際、現在の半導体を理解するためには、量子力学を勉強しなければならないと言われている。専門家は皆、口をそろえてそう言うことだろう。半導体を扱うにはまず量子力学を勉強してからにしなさい、そうでなければ、何もわからないし、結局は失敗してしまいますよ、というわけなのだ。

 だが、実のところ、私自身、量子力学など知らない部類に属する人間だったのだ。もしもこの時、私に常識がそなわっていたなら、専門家たちの忠告を聞いて、まず量子力学を勉強していたかもしれない。

 しかし、幸いなことに私には常識などというものがなかった。だから、別に量子力学など学ばなくても、半導体は理解できると考えていたのである。それはどういうことかというと、要は、量子力学に代わる別の 「言語」 でもって物の性質を理解してやればいいということだ。

 では、別の 「言語」 とはいったい何なのか。 私にとってそれは、実験結果以外の何物でもなかった。実験結果を深く考えること。これが私にとってものを理解する道具だったのだ。

(引用中断)

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中村さんは、まったく同じ現象に対して複数の理解がある、複数の言語があると言う。

ひとつは量子力学という言語、また、実験結果という中村語

これはたいへんな考え方である。真理はひとつではないということになる。

独創とは、中村さんによれば、独自言語である」ということになる。


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