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『語彙力を極める!最強の英語ボキャブラリー1700語(語研)』 について:その1

今年(2005年9月)に、『最強の英語ボキャブラリー 1700語』 という単語集が出版されました。

○ その裏表紙に次のようなキャッチ・フレーズがあります。

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実力派が待ち望んでいたハイレベル英語語彙集!

* 1万語を超える、ネイティブ並みの語彙力を身につけたい。

* TOEIC,TOEFL,GMAT,GRE,SATで高得点を取りたい。

* TIME,Newsweek によく登場する難語を克服したい。

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○ また、5~6ページの「本書の特徴」 には次のように書いてあります(省略k.y.)。

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・・・本書には1万語レベルを超える最難関の英語語彙1700語強が収録されています。そのほとんどはアメリカの大学、大学院での学問研究に必須の academic vocabulary ですが、TIME や Newsweek など、欧米の教養在るネイティブスピーカーが読むニュース雑誌に頻繁に登場する難語とかなりの部分が重複しています。
 
 それほど難しい語彙集なのに、なぜ原著のタイトルは Basic Word LIst なのか不思議に思われるかもしれません。実は・・・原著はアメリカ人向けに開発された標準化テストをアメリカ人が受験するうえで知っておくべき基本語彙(basic words)をまとめたものであるために、日本人から見ると、そのタイトルから連想するよりはるかに難しい語彙が扱われているのです。

 とはいえ、ここに収録された1700語はアメリカの大学、大学院での学問研究にしか使われないものではありません。一般に、教養ある欧米人は3万語近い語彙力を備えていると言われます。しかし、原著は大学入学のためにアメリカの高校生が受けるSATを対象として含んでいるため、1万語~1万5000語レベルの内容になっています。つまり、「アメリカの高校生が身につけておくべき英語語彙」というわけですから、大学進学に限らず、日常生活で情報をやりとりする(特に読む、書く)うえで必要な語彙であるわけです・・・

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いったい、1700語強が基本語なのか難語なのか実に混乱する説明です。また、TIME や Newsweek は教養あるネイティブスピーカーだけが読む雑誌ではなく、500~600万人の読者を持つ一般的な雑誌です。「ニュース雑誌に頻繁に登場する難語」と書いてありますが、頻繁に登場する語は難語ではなく、ごく一般的な語彙です。「教養ある欧米人は3万語近い語彙力を備えている」と書いてありますが3万語どころではない3万語は中学生の語彙力です。「アメリカの高校生が身につけておくべき英語語彙」という部分だけがはっきりした正しい表現になっています。

○ ただし、「本書の特徴」の最後には ― ぜひ本書を活用して、ネイティブスピーカー(の高校生)並みの英語語彙力を身につけてください ― という「半分は正しい記述」があります。半分正しくないのは、この1700語を覚えたからといって「ネイティブのちゃんとした高校生」の語彙力にははるかに及ばないという現実があるからです。

○ それから、原著は2000語なのになぜ1700語に削ったのかという点にはまったく言及がないこともちょっと気になります。

○原著では「基本語」のリストであることが明確に述べられています。「洗練された語彙」の基盤になる単語群だと書いてあります。

 そこで、原著の『BASIC WORD LIST』 の序文(INTRODUCTION) の原文(最後の節は省略)とk.y.の翻訳を書いておきます。

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 The more we look at college texts, professional journals, and standardized examas, the more we realize one thing; the key to doing well academically and professionally is a strong working vocabulary of college-level words.

 To have a good vocabulary, you don’t need to memorize an entire dictionary; you need to work with a preselected, masterable group of words.

 Barron’s Basic Word List is your tool to help you master the working vocabulary you need efficiently and effectively. The 2000-plus words of the Basic Word List are exactly that – basic. They are the foundations of a sophisticated vocabulary, the words you will encounter on the job, in the lecture hall, and on the SAT and GRE/ In Academic and professional circles, these words predominate.

 大学の教科書や専門誌や標準テストを見るたびに ― 学問や仕事で成果をあげる鍵は高度な語彙力である ― という思いが強くなる。

 語彙を強化するために必要なことは、辞書の丸暗記ではなく、あらかじめ精選された単語に取り組むことである。

 Barron’s Basic Word List は活用語彙を効率よく実用的に習得するためのツールであり、Barron’s Basic Word List の2000語強の単語はズバリ―基本である。これらの単語は、洗練された語彙の基盤であり、仕事や講演であるいはSATやGREでよく目にする単語である。また、学会や業界で幅を利かす単語でもある。
 
 k.y.注: 念のため、「辞書の丸暗記は不要だ」と書いてありますが、ここで言う「辞書」は私達が使う非ネイティヴ用の「学習用英英辞典」のことではありません。

 「学習用英英辞典」はズバリ「あらかじめ精選された語彙群」であり「丸暗記の対象にすべき究極の語彙集」です。

 なお、私が言う丸暗記とは、「内容をすべて覚えること」であって「一字一句そのまま覚えること」ではありません。

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続く....

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