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1万時間(2)

英語学習者の中で、「私には時間も根気もないからそんなことが必要な学習方法は役に立たない」という人は巷に満ちています。

そんな人が同時に「英語に憑(つ)かれた人」であることもまた珍しくありません。

三輪裕範さんはその著 『四十歳からの勉強法』 で次のように述べています(本文太字k.y.)。

(引用開始)

英語に憑かれた日本人

 現在にいたるまで、戦後の日本は、ずっと英語に憑かれた時代が続いてきました。その間、日本人は英語に「憑かれた」と同時に、いくら努力しても上達しない英語の勉強に「疲れた」こともまた事実でしょう。
 
 日本人が英語に「疲れる」前に、どれだけ「憑かれた」かは、戦後、何度かにわたって起こった英語ブームを見ればよく分かります。有名なところでは、終戦後、アメリカ軍が「進駐軍」としてやって来たころ、これからは英語の時代になるということで、第一次の英語ブームが起こりました。

 驚くべきことに、昭和20年八月一五日の終戦からまだ一ヶ月しかたっていない九月一五日には、早くも 『日米会話手帳』 が発売され、その年末までに、三六0万部を売り上げるという大ベストセラーになっています。そしてその翌年の昭和二一年二月には、平川唯一氏による「カム、カム、エヴリボディ」というテーマソングで始まるラジオ放送が開始され、これがきっかけとなって全国的な大英語ブームが起こりました。

 また高度経済成長時代の昭和三六年には、岩田一男氏が 『英語に強くなる本』 を出版すると、これが短時日に一00万部を越す大ベストセラーになり、昭和三九年に開催された東京オリンピック前後まで第二次英語ブームが続きました。

 その後も、日本が世界経済の中での重みを増し主導的な地位を確立するにつれ、海外と接触する機会が格段に増えたビジネスマンの英語に対する需要は増大の一途をたどることになりました。そうした状況を反映して、昭和五四年には國弘正雄氏の 『英語の話し方』、昭和五四年には村松増美氏の 『私も英語が話せなかった』 (正・続)がベストセラーになっています。

 平成になってからも、それまでのような大ベストセラーは出ていませんが、英単語の学習本を中心に、毎年のように小ベストセラーが出ており、長年、英語学習関連の本は、出版社にとっても必ずある程度の販売が見込める貴重な存在になっています。日本の出版界において、これだけ長期にわたって根強い需要があるのは、おそらく英語学習関連本だけではないかと思います。その意味では、第何次にあたるのかは分かりませんが、現在も依然として英語ブームが続いていると言ってもよいでしょう。

(引用終止)

日本人は、英語学習関連本の第1次及び第2次のブームとそれ以後も衰えない根強い需要の歴史を通じて、「英語に憑かれて英語の勉強に疲れた」と表現する三輪さんのレトリックは見事だと思います。「英語学習の空回り」状態を端的に活写しています。

なぜ、人々は憑かれて疲れるのか?

それは、それなりのレヴェルに達するために必要な時間をまったく知らなかったからあるいは意識しなかったからです。

そんな無知・無意識に由来するのが、「私には時間も根気もないからそんなことが必要な学習方法は役に立たない」というような無茶苦茶な言い訳なのです。

なぜ、無茶苦茶なのか?

それは、「それなら ― 時間や根気が不要な ― どんな方法がありますか? あなたはその方法で成果をあげていますか?」という問いにはまったく答えられないからです

続く...


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