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「アンチ・バベルの塔」検証(10)―英英辞典を読むことの意義:続続

「アンチ・バベルの塔」を建設する際に、「学習用英和辞典」と「学習用英英辞典」どちらがよいかというと、どちらでもかまわないと思います。

いずれの辞書であっても1000~2000ページの辞書を覚えたら劇的な効果があります。別世界が開けます。

夢のボキャブラリーを我がものにすることになります。

しかし、もし可能であれば、「学習用英英辞典」のほうを ― PCの性能にたとえるなら拡張性がはるかに高くなりますから ― お勧めします。

なぜか?

英英辞典を読むこと」は「英語を読むこと」と等価だからです。各語彙の意味を正確に把握しながらしかもペーパーバックや雑誌を読むのに類似した楽しさや英語そのものに慣れるという効果もあるからです。

ところが、「英英辞典の説明はダラダラと長くて、めんどうだ。英和辞典の記述のほうが簡単で覚えやすい」という人が少なからずおられます。

私はこの意見には反対です。

なぜなら、英英辞典のほうが英語力の向上に資する度合いがずっと大きいからです。

たとえば、chromosome という単語の場合をみてみましょう。英和辞典は ① 『ジーニアス英和辞典』、② 英英辞典は 『OALD (Oxford Advanced Learner’s Dictionary 第7版)』 を使います。この2冊の語彙レヴェルはほぼ同じ。

① 染色体
② one of the very small structures like threads in the nuclei ( = central parts ) of animal and plant cells, that carry the GENES ( 訳 k.y. : 動植物細胞の細胞核(中央の部分)の内にある糸状の微小構造物のひとつで、遺伝子を担う )

英語力の向上が目的であるなら ① の暗記で終わってしまうよりも ② の内容を覚えておくほうがはるかに効果が高い、ずっと広く応用できる(拡張性が高い)ことはまちがいありません。

one of the very small structures like threads in the nuclei ( = central parts ) of animal and plant cells, that carry the GENES という英語の説明が私達にもたらしてくれる恩恵は ① とは比較になりません。

そこに含まれる英語の各語彙の意味、表現のスタイル、定冠詞の使い方、各複数形の使い方、nuclei は nucleus の複数形であること、などに注意して読むこと自体が実に大きな英語の勉強になります。

さらに、② のCD-ROMの充実も ① の比ではありません。

また、② 『OALD』 の記述はすべて3000語の活用基本語彙で説明され、それ以外の語彙を使う場合は central parts のような説明があったり GENES のように書体をかえてすぐ調べられるようにしてあります。

『OALD』 は、この The Oxford 3000 を「大人としてコミュニケーションをはかる最低限のミニマル・エッセンス」だと位置づけています。

この3000語ですべての語彙を説明しているわけですから、その登場回数は何千回何万回になるでしょう。それだけの回数で活用基本語彙に触れる機会があることは、The Oxford 3000 を活用語彙として習得する上で ① では考えられない大きなメリットです。

英和辞典ならではのメリットも無視できませんが、英英辞典を読む(できれば覚える)ことの意義は計り知れず大きいことをぜひしっかり認識してください。暗記目的で簡潔な日本語が欲しい場合はそれを英英の説明に付記すればいいだけです。

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