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英語学習法(27)その1

茂木健一郎著 『脳の中の人生』 に、「劇場型」英語克服法というちょっとユニークな記事がある。

茂木さんが大学の授業を英語で行いながら実感された英語克服法である。

英語で授業することは、特に最近は、さほど珍しいものではないが、脳科学者の観点から「劇場型英語克服法」というひとつのコンセプトを提示されたことに意味がある。

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(引用開始)

 野球、サッカーなどのスポーツや、演劇、ミュージカルなどの芸術を、テレビで見るのとライブで見るのとでは迫真度が違う。

 技術がどんどん進み、映像や音声が精緻になっていったとしても、やはり全く同じ体験を再現することは不可能なようである。それは、私たちの脳には、受け取った刺激が単に情報として届いているものなのか、それとも目の前で現実に起こっていることなのかを見分ける力を持っているからだ。生の迫力に勝るものはないのだ。

 幼児を対象にした、興味深い研究がある。テレビを通して音を聞くよりも、目の前で生身の人間が発音してくれたほうが、抜群に学習効果がよいのである。やはり、幼児にとっても、生の人間がしゃべるほうが「アタマに入る」らしい。

 「あ」「い」「う」「え」「お」などの母音の数は、言語によって違う。アメリカの幼児を対象に、中国語にはあるが、英語にはない母音を教える研究が行われた。その結果、目の前で中国人の研究者が、おもちゃなどで遊びながら発音してくれたほうが、単にテレビで中国語の発音を聞くよりも、はるかに学習効果が高いということが明らかにされたのである。

 テレビからの映像と、生身の人間の差は、どこにあるのだろうか? テレビからの映像は、ただ一方的に受け取るだけである。一方、現実に目の前で起こっていることに対しては、こちらから積極的に働きかけることができる。中国人の先生に向かって声を出したり、身体を触ったり、いっしょにおもちゃをいじったりすることができる。そのように、自分から能動的に働きかける可能性があるとき、人間の脳はより活性化して、学習効果が高まるようなのである。

(引用中断)

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文字だけの学習を1次元の学習だとすれば音声が伴う学習は2次元の学習といえる。さらに生身の人間が登場すれば3次元の学習になる。つまり立体的な学習になる。

人は、進化して今の姿になるまで、1次元や2次元の言語世界を経験したことはなかった。だから、脳は3次元の世界で最も効率よく機能するのだと思う。五感であらゆる必要な情報をキャッチしながら言葉のやりとりをするべく進化してきた。そんな経緯からすれば、音だけで、ましてや文字だけで、外国語を学ぼうとするのは不自然であるだけではなく効率も悪い。もちろん、幼児がそんなことをするのは不可能だ。

他方、大人が英語を学習する場合はうっかりすると1次元の学習からスタートしてしまう。そして、3次元体験まで豊かにある人はむしろ少ない。

私は、少なくとも言葉の学習に限っては、3次元体験は欠かせないと思う。どの程度必要なのかは分からないが、3次元を自分の頭でシミュレーションできるようになる程度の体験は最小限必要なはずだ。

ネイティヴなら3次元から1次元に進むのに対し、ノンネイティヴ学習者はうっかりすると1次元や2次元にとどまることが多い。方向がまったく逆でしかも3次元まで届かない。

そんなことを考えながら「劇場型」英語克服法を読んでいる。

続く...


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