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脳科学から見た英語上達法(2)

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(引用再開)

 脳科学の視点からすれば、処方箋は一つしかない。すなわち、できるだけ多くの英語の文章を読み、会話を聞くことである。「そんなこと、当たり前ではないか」と思われるかもしれないが、その理由をきちんと説明すると、次のようになる。
 
 私たちの脳の中では、海馬の助けを借りて、大脳皮質の側頭葉に長期記憶が蓄えられる。長期記憶は、まずは、「あのときに、このようなことがあった」という「エピソード記憶」として貯蔵される。さまざまなエピソード記憶が蓄積されてくると、それが次第に脳の中で編集されて、「意味記憶」が立ち上がってくる。蓄積されるエピソード記憶が質量共に充実すればするほど、そこから編集される意味も豊かなものになる。

(引用中断)

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これは脳科学(まだ近代科学のレヴェルに達していない)を持ち出すまでもなく常識そのものでしょう。

ここで決定的に重要になるのは、「蓄積されるエピソード記憶が質量共に充実すればするほど、そこから編集される意味も豊かなものになる」という点だと思います。

では、そうなるためにはどうすればいいのか? いろいろなエピソードをどれだけの頻度でどれだけの時間をかけて蓄積すればよいのか? どれだけやればネイティヴの域に達するのか? 

私が常に主張していますように、日本の大人の学習者がネイティヴと同じ頻度と時間数を費やしてエピソードを積み上げていくことは絶対に不可能です。学生時代でさえネイティヴに比較して100分の1の時間しかかけられないし、社会人になればもっと時間がなくなるのが実情です。

したがって、次に引用を再開する茂木さんの主張は ― エピソード記憶の役割はまったくおっしゃる通りだと思うのですが ― そんな実情を半ば無視した主張になっています。時間がどうしようもなく不足しているのだから、日本語の場合と同様に考えるのは不可能です。

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(引用再開)

 私達の脳は、多くの場合、直接、意味を記憶するのではなく、エピソードから意味を編集し、類推している。私達にとっての母国語である日本語の言葉の意味を、どのように理解してきたかを思い起こしてみよう。辞書を引いたり、誰かに直接聞いたりして言葉の意味を理解することは、むしろ少ない。言葉の意味は、さまざまなエピソード記憶の中から抽象化されて、理解されていくのである。

 たとえば、「やさしい」という言葉の意味は、「君のお母さんはやさしいね」「こんなのやさしい問題だよ」「もっとやさしくしてほしい」などといった具体的な使い方に触れる中で、理解されていく。私たちが日本語を柔軟に使うことができるのも、一つ一つの言葉の背後に、豊かなエピソード記憶の蓄積があるからなのである。

 英語の習得も同じことだ。単語の意味を機械的に覚えるのでは、英語を柔軟に使いこなすことができない。ネイティブ・スピーカー並み、とまではいかなくても、それなりのエピソード記憶の積み重ねがあって、はじめて英語を自由に使うことができるのである。

 単語の意味を、辞書のように覚えることは弊害が多い。言葉のニュアンスは、そう単純に定義できるものではないからである。多くの用例に接しなければ、その単語のもっている生命力のようなものがつかめない。場数を踏んで、はじめて言葉の生き生きとした意味がつかめるのである。(k.y.注: 「つかめる」は、原文は漢字ですが、ブログでは使えなかったので平仮名にした)

(引用中断)

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続く...

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