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記憶の筋肉とスキル(3)

前回までに、ボキャビルをするためには「①目標語彙数を具体的に設定すること」、その目標に向かって 「②覚えようと努力すること」 が必要だと書いた。

次に、必要なのは、その「③努力を継続すること」である。

なぜ、継続しなければならないか? 

(1) 継続すれば、自分固有の暗記のリズムやペースが分かってくる

たとえば、新たに1万語を暗記する目標を立てた場合、3000語ぐらいまで消化しないとリズムやペースが分からない。その間にいろいろなやり方も試すことになる。「これは、だめそうだ・これもダメみたいだ、うん、これならうまくいけそうだ・いや、1ヶ月試してみたけど結局元のやり方のほうがよかったみたいだ」etc.というような試行錯誤が続くはず。10日や2週間程度いや1~3ヶ月うまくいったやり方だからといって、それが最終的に最良の方法かどうかは分からない。その程度では自分の脳力の特性さえまだ分からない。そうしながら半分も消化する頃には自分流の方法もだいたい固定してくる。いろいろな微調整その他の工夫も行われるが基軸になるやりかたは固定してくる。そうなったら1万語が見えてくる。何月何日ごろに達成できそうだというXデーもカレンダーに記入したりする。もちろん、そのXデーは予定より大幅に延期せざるを、多分、得なくなる。しかし、いつかXデーが来ることを確信できるようになる

(2)そうして、晴れて1万語の暗記を達成したときに初めて「1万語暗記の方法」が確立される。それが、「ただのアイデアではない実証された方法」となり、他の人達にも自信を持って披露できる。そして、他の人達もその方法を参考にして自分独自の方法を模索することができるようになる。それ以外の方法は「ただのアイデア」に過ぎない。「ただのアイデア」ならすでに山ほどある!

(3) その確立された方法は、「大目標」に近づくための次の小目標の達成にそのまま、あるいは多少の調整を加えて、生かすことができる。

(4) もちろん、「継続こそ力なり」という意味もある。

継続というと、必ず、「1日10~30分で、いいから続けよう」という話しがでてくる。しかし、これもまさに「ただのアイデア」である。

1日10~30分で覚えられる単語の数を ― 定着させるまでに必要な復習時間も含めて ― 計算して、自分の目標語彙数達成にかかる必要日数を確認しよう。

「大目標」に達するためには数世代もかかるし、小目標だってかなり長生きしなければならない、いや、一生かかっても無理な場合もある。

ちなみに、「1日10~30分論」は、なぜ「まさにただのアイデア」か? 

具体的な目標語彙数がなく、従って、永久に「実証された方法」とはなり得ないからである。

また、継続どころか、「明日からやろう」と言いながらすでに数年たっていることだってめずらしくない。

さて、各自の方法を模索しなければならないことは、人は嫌でも個性を持っている以上、当然のことであるが、継続したボキャビルにはカード作成が非常に有効であることを疑う人は少ない。

この記事 ( http://www1.harenet.ne.jp/~waring/papers/cup.html ) に、「アンチ・バベルの塔」の塔主としてまったく異議なしの指摘がある(太字k.y.)↓

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To these research based arguments might be added the argument that most serious learners make use of such an approach. They can be helped to do it more effectively. There are other advantages for using word cards. They can give a sense of progress, and a sense of achievement, particularly if numerical targets are set and met. They are readily portable and can be used in idle moments in or out of class either for learning new words or revising old ones. They are specifically made to suit particular learners and their needs and are thus self motivating.

It should not be assumed that learning from word lists or word cards means that the words are learned forever, nor does it mean that all knowledge of a word has been learned. Learning from lists or word cards is only an initial stage of learning a particular word (see Schmitt and Schmitt, 1995 for further information). It is however a learning tool for use at any level of vocabulary proficiency. There will always be a need to have extra exposure to the words through reading, listening and speaking as well as extra formal study of the words, their collocates, associations, different meanings, grammar and so on. This shows a complementary relationship between contextualized learning of new words and the decontextualized learning from word cards.

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続く...

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