リーディングの5段階(1)
「アンチ・バベルの塔」の目的は、ネイティヴスピーカーと同じレヴェルで読書を楽しめるようになることです。
『外国語の効果的な学び方(ジョーン・ルービン&アイリーン・トンプソン 著) 西嶋久雄訳 』 に、「リーディングのレベル5段階」という章があります。参考のため引用します(太字k.y.)。
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(引用開始)
リーディングの力もスピーキングと同様、いくつかのレベルに分けて考えられます。必要性や自分の望みに応じたRレベル(Rはリーディングの意)を目指すとよいでしょう。
(k.y.のコメント:まず「自分の望みに応じたRレベルを目指す」という点が大事。自分の希望するRレヴェルによって学習方法や「アンチ・バベルの塔の高さ」も違ってくる。学習法に関する議論がかみ合わない場合が多いのは、各自の希望レヴェルを意識しないままで意見を述べ合うからである)
R-O : 初歩的な読解力
短期の海外旅行で、通りの名やメニューなどのようにかなり状況に依存した語句が理解できるレベルです。学習している外国語の表記法が自分の母語と似ているとか、または同じであるという場合、このレベルに達するのは簡単です。
R-1 : サバイバル・レベルのリーディング力
ひんぱんに辞書の助けを借りながら、簡単なものを読むことができるレベルです。たとえば、ごく一般的な語句や基本的な文法を使った新聞上でのニュースを読み、誰が、いつ、どこで、なぜといったことがらを把握できます。母語が西ヨーロッパの言語で、学習している外国語が自分の母語と関連した言語であれば、このレベルに達するのにあまり時間はかからないでしょう。そのような場合、会話力よりも読む力のほうが早くつくようです。同じ人が中国語とか日本語のように自分の言語とは違った表記法の言語を学習する場合は、逆に読む力のほうが話す力よりも習得に時間がかかります。
(k.y.のコメント:このレヴェルはまさしくSSS多読法を開始するレヴェルである。しかし、「ひんぱんに辞書の助けをかりる」ことを前提にしていることに注目。この点がSSS多読法と大きく異る。私もこのレヴェルで辞書を使わないという方法のメリットが皆目分からない。まったく辞書を使わない読書は、ひんぱんに辞書を使う読書と並行して行うべきであって、SSS多読法だけに徹するのは無謀である。「分かったつもり」をどんどん助長し、とんでもない誤解を解く機会がどんどん少なくなるからである。SSS多読法が効果を発揮するのは、すでに「標準文法&1~2万語ほどの語彙」を習得済でさらに学校教育によって体系的に構文&語彙を強化しているネイティヴの児童・生徒の場合であって、日本人から構文の勉強・辞書を奪ってしまうと、学習の質・効率が著しく低下し、英語力が低いレヴェルで停滞してしまう可能性が極めて大きい)
(引用中断)
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続く....
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