« 英語の語彙:雑談(28) | Main | 英語習得と日本語の役割:続続(3) »

英語習得と日本語の役割:続続(2)

名古屋外国語大学教授・中島和子さんが、日経夕刊(2006年1月28日)の「生活ファミリー・英語で子育て」のコラムで「成果長い目で考えて まず日本語しっかり」という話しをされています。

中島先生の、ご自身の研究成果も踏まえた示唆に富む発言は、ぜひ記録しておきたい内容なので、日経記者の前書きも含めて転記しておきます(太字k.y.)。

---------------

(転記再開)

 もちろん、赤ちゃんのころから英語に触れることに意味がない訳ではない。いろいろな音を聞き分ける力は、小さいころほど強い。CDで英語の歌を親子で一緒に聞いたり、などは積極的に取り組んでもいいことだろう。日本語の絵本の読み聞かせや親子の会話を十分にやった上で、付加的に英語もやるという方法だ

 その際は親がネイティブでない限り、教材などを使い、きちんとした英語を聞かせてほしい。大人は言葉の多少の違いにも寛容だが、子供は残酷なまでに敏感。わずかなニュアンスを感じ取るのか、私自身、英語が母国語の子どもに、ぷいと横を向かれた経験は少なくない

 発音はもちろんイントネーション、表情、ジェスチャーもすべて、言葉の一部。バイリンガルの子どもにシンデレラを読んでもらうと、英語と日本語とで、まったく違う読み方をする。特に小さい子ほど、言葉以外の部分が意思伝達に果たす役割は大きい。子どもが「英語」の世界を全体で受け取れるよう、ビデオを活用するのも一手だろう。

 子どもが少し大きくなり、集団遊びができるようになったら、英語教室もいいだろう。海外旅行に連れて行く人も多いだろうが、小学校低学年までの子どもは「外国」「違う言葉」をあまり意識しておらず、親が期待するほど吸収はしない。「米国はどうだった?」と小一の子に聞いたら、「おせんべいがなかった」と言われたこともある。

(転記中断)

------------------------

子どもが音声面で大人よりずっと大きな可能性を秘めていることは明らかなようです。だから、環境によっては、そういう可能性を活かす教育があってもよいと思います。

ただ、充分な環境も整わないのにカリキュラムだけこなすような授業ならないほうがましでしょう。その分もっと国語の教育にあててほしい。中島先生もおっしゃるように「一つの言葉に強い子は別の言葉にも強い」。まず、日本語の充実が先です。

また、幼児なら、お母さんと喋るのが一番うれしいはずです。お母さんと会話しながらあるいは本を読んでもらいながらどんどん脳も発達する。そんな時期に、英語など、実は、どうでもいいのだと思います。

続く...

|

« 英語の語彙:雑談(28) | Main | 英語習得と日本語の役割:続続(3) »

Comments

初めまして。

こちらのブログに衝撃を受け、昨年よりアンチ・バベルの塔作成を始めた者です。
始めたのが出産直前で、その後赤ちゃんが生まれたため、この子の世話もあり、進度は亀の歩みですが、細々と続けています。
性格に合っているのか、塔の作成も復習も楽しくやっております。なかなか時間が取れないのが悩みですが、この方法は、隙間時間の活用もでき、本当に素晴らしい方法だと感じています。

このやり方で下の子が幼稚園に入るあと3年ぐらいの間には、5万語習得をめざしたいと思っています。それまで、ご教示のほど、よろしくお願いいたします。

さて、本題ですが、私は上の子には生後すぐから(正しくは胎教より)英語育児をしております。
多々異論があるのは知っておりますが、私は英語をやること、やらないことを天秤にかけ、やることを選択しました。

生半可な知識と方法でやると弊害が出ることも見聞きしておりますが、今のところ、早くから始めておいてよかった、と思っています。

以前、こちらのブログで紹介されていた、帰国子女ではないけれど中一で英検に合格された少女とそのお母様は、英語育児をやっている母親の間では有名な親子です。
このお母様も、早くからやれば子供は努力も苦労もすることなく英語を身につけられる、とおっしゃっています。(お母様は、ご努力なさったことと思いますが)

母国語の大切さは言うまでもありませんが、英語の必要性もどんどん大きくなっている今、日本人が英語をもう少しラクに習得できる方法として、幼児期の英語教育をもっと重視した方がいいのではないかと思っています。

私自身は大変な苦労をして英語を勉強していますが、苦労のいらない方法があるならば、その情報を皆で共有し、日本語力を損なうことなく日本人の英語力を底上げすることは、日本の将来にも役立つと思います。

やり方を誤ると弊害が出るとしたらなおのこと、効果が高く弊害が出ないようなやり方を、もっと皆で情報交換し合うべきだと思います。
(一部の母親たちは、既にそうやって子供をバイリンガルに育てていますが)

一概に「幼児期の英語=悪」とばかり言えないと思い、投稿させていただきました。

Posted by: Liu | February 03, 2006 at 05:58 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/8470987

Listed below are links to weblogs that reference 英語習得と日本語の役割:続続(2):

« 英語の語彙:雑談(28) | Main | 英語習得と日本語の役割:続続(3) »