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「才能」(29)続

私は、前回に ― 才能の大きな要素のひとつは「長時間にわたって時間を忘れること」かもしれませんね ― と書きました。

きのうある本を探して、何の本を探していたのか忘れてしまいましたが、本棚の前面の1列に並んだ本を除けて後の書列に視線が走ったときに Sylvia Nasar 著 『A Beautiful Mind 』 (ペーパバック)が目に留まりました。映画にもなった「天才数学者にしてノーベル賞受賞者・ John Nash」 の伝記です。裏表紙の裏に「2002年6月17日読了」と書いてあるから3年半ぶりの再開です。

特に印象深かった部分に、例のごとく、蛍光ペンでマークがしてあってそのなかに ― There is no way of knowing what enables one man to crack a big problem while another man, also brilliant, fails. Some geniuses have been sprinters who have solved problems quickly. Nash was a long-distance runner. If Nash defied von Neumann in his approach to the theory of games, he now took on the received wisdom of nearly a century. He went into a classical domain where everybody believed that they understood what was possible and not possible. "It took enormous courage to attack these problems,” said Paul Cohen, a mathematician at Stanford University and a Fields medalist. His tolerance for solitude, great confidence in his own tuition, indifference to criticism - all detectable at a young age but now prominent and impermeable features of his personality - served him well He was a hard worker by habit. He worked mostly at night in his MIT office - from ten in the evening until 3:00 A.M. - and on weekends as well, with, as one observer said, “no references but his own mind" and his "supreme self-confidence." Schwartz called it "the ability to continue punching the wall until the stone breaks."(翻訳&太字 k.y.: どういうわけか分からないが、同じ俊秀であっても難問を突破できる人とできない人がいる。また、短距離走者のようにすばやく問題を解く天才もいる。他方、Nash は長距離走者であった。ナッシュは ― おそらく von Neumann方式を拒否し ― ほぼ1世紀の伝統を持つ叡智に従ってゲームの理論に取り組んだ。つまり、何が可能で何が不可能かすべて了解済みであるはずの古典的な分野に分け入ったことになる。Paul Cohen (スタンフォード大学・数学者・フィールズ賞受賞)は、「蛮勇がなければできないことだった」と語っている。若いころからの ― 孤立に絶え、己の洞察力を確信し、批判には無関心 ― といった傾向は、今やずっと顕著で強固な資質となって、ナッシュの研究に大きく寄与していた。勤勉な性質(たち)で、たいてい夜の10時から午前3時までMITで研究し、週末も同じで、そばにいた人は「徹底して独想し、至高の自信を持っていた」と話している。Schwartz は そんな Nash の資質を 「石壁を砕けるまで打ち続ける能力」と形容している ) ― という1節がある。

Nash の思考は、もちろん、MITのオフィスにいる夜中に限られていたわけではなく、ほとんど間断なく続いていた。

Nash のような例をみると、「才能」とは時間など念頭にない猛烈な思考活動だとも言える。

『A Beautiful Mind 』 には ― Moser と言う人は Nash の資質を称して 「Just brute mental power = むき出しで残酷なまでの思考力」 と言った ― と書いてあります。

Nash は、その後、ひどい精神分裂症に苦しむことになります。代償も大きかったというべきでしょうか?

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