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待望の文法書の登場(4)

私が、「インタースクール」で日⇔英翻訳の練習をしていたときに、ネイティヴのライターのコメントを聞いたり添削を受けたりして感じたことは、「ことば」はTPO(この表現は和製英語)を考慮して使わなければ誤解されたり理解してもらえなかったりするということでした。

当たり前じゃないか!? 

いや、その通りなんですが、英語の場合無意識に誤用してしまうことがあったのです。

今もあり得ます。しかし、当時より、知識は増え学習用・業務用の各種の辞典などもずいぶん進化しインターネットで得られる情報も活用できるようになったから、誤用を犯す確率は明らかに低下しています。

文法書も、規範集の傾向が強かった過去のものに比較すれば、「ことば」のTPOを記述して実用性を強化したものが増えています。

『実践ロイヤル』はその代表的な例で、随所に誤用防止の配慮が感じられます。

次に引用するのは、基本事項ですが、『実践ロイヤル』 の中の配置から察して、マークさんが日本人の英語を見ていて気づいたことの反映かもしれません。

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11A 日本語との関係で誤りやすい動詞

(1) 日本語では同じ表現をするもの

① 「かく」 writedraw

 「文字を書く」 は write、「線や絵や図を描く」 は draw、「絵の具などで絵や図を描く」 は paint のように使い分ける。

 Please write your name and address on the back of your check.
 (お名前とご住所を小切手の裏に書いてください)

 Draw a circle here. (ここに円を描きなさい)
 
② 「忘れる」 forgetleave
 「(持ってくるのを)忘れる」 なら forget でよいが、置き忘れた場所を示す語句があるときは、 leave を使うのがふつう。

 I forgot my umbrella. (傘を持ってくるのを忘れた)
 
 I left my umbrella in the taxi. (傘をタクシーに置き忘れた)

③ 「盗む」 robsteal
 「 A から B を盗む」 は、rob A of B か、steal B from A となる。

 They robbed him of his wallet. (彼らは彼から財布を奪い取った)

 My wallet was stolen while I was sleeping.
 (私は眠っている間に財布を盗まれた)

④ 「登る」 climbgo up

 climb は本来手足を使って登ることを意味するが、go up はただ登りさえすれば方法は問わない。

 We went up the mountain on the cable car.
 (我々はケーブルカーで山を登った)

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上記の引用は、常識的な事例( たとえば 『ジュニア・アンカー英和辞典』 にもちゃんと説明してあります)ですが、日本人の英語学習者にとって常識とは言いがたい「ことばのTPO」
もあちこちに記述されています。

日本人にとって常識とはいえない語法は、従来の規範色の強い文法書ではとうてい得られなかったもので、日英両語に精通した2人の著者の資質に負うところがたいへん大きいと思います。

誤用に対する注意喚起が総括的な文法書のなかにはめ込まれていることも有意義なポイントです。

続く...

追記: http://www.alc.co.jp/be/tk/memoribo/index2.html メモリボより「アンチ・バベルの塔」のほうがずっといいですよ(我田引水で失礼!)。 手間がかかりますがその分得るものも大きいのです。

なお、上記の広告コピーで言及のある 『 Learning Vocabulary in Another Language 』 は読みがいのある良書です。和訳も出版されていますが、これはひどい翻訳でとうてい読めません。

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