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即席英語脳?

日本人の英語学習者が英語だけでものを考えるのは可能なのか? 通常は明らかに不可能でしょう。しかし、そんな不可能なことを不用意に主張する人が耐えない。

いくつかのポイントをアットランダムに列挙してみます。

① まず、思考と言語は同一ではない: 英語や日本語その他の言語は、各人の思考や情動などを、各人自ら整理・確認したり、それを他の人(たち)にむかって表現したりするためのツールであって、思考や情動と言語表現は常に一体だとは限らない。たとえば多言語話者は、無意識に多言語を使い分けるようですが、もとの思考なり感情は普通はひとつだろうと思われます。

② 日本語や英語であるいは多言語で話したり読んだりできる人は、場合によって、使用言語を意識したりしなかったりするのではないでしょうか。意識するのは、英語・日本語・その他の言語ではどう表現するのだろうかと考えるときや、いずれかの言語でしか表現できない場合でしょう。たとえば、ドナルド・キーンさんは、「自分には英語だけでは表現できない面があって、無意識ながら、それをあらゆる言語でどうしても表現したいと思った」という趣旨のことを述べておられます。

③ 英語環境に、ある期間を超えて、滞在すると、英語の既習レヴェルにも左右されますが、日常生活のたいていの場面において英語が無意識に口に出るようになります。こんな場合は英語で考えていると言えるでしょう。英・日の完全なバイリングアルの人は、②の意識する場合を除いて、常時無意識に日・英を行き来するようです。

④ 英語のネイティヴ・スピーカーが日本語で表現する場合、逆に、日本語のネイティヴ・スピーカーが英語で表現する場合、母語ではない日本語や英語のレヴェルが高くなればなるほどそれぞれの言語を意識せずに行き来する場合が多くなる。また、母語ではない日本語または英語だけで思考する割合も高まる。しかし、低いレヴェルであればそれなりの表現しかできない。無理に努力しても不可能です。

⑤ 日本人の英語学習者が最もストレスを感じるのは、日本語の表現レヴェルと英語の表現レヴェルがあまりにも違うためであり、そうした事実を無視して誰に対しても「英語だけで考えましょう」などと説くのは滑稽でしょう。日本語で充分考えながら英語のレヴェルをあげていけばいい。そうすれば英語が徐々に日本語に追いついてやがて日・英を ― 必要がなければ ― 意識しなくなるときがくる。自然にそうなる

⑥ 両(多)言語で自由に思考できるようになれば、単一言語の束縛から完全に解放され、内面の視野を大きく広げる幸運を手にすることになります。 

⑥ その幸運にいたる黄金の鍵は、「語彙力」でしょう。

Happy learning !

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