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辞書の威力(4)

前回に、「上級学習英英辞典」 は、語彙強化の面から見て特別な威力があるという話をしました。

その理由として次の2つがあるといいました。

① 「上級学習英英辞典」は、それなりのネイティヴ・スピーカーの語彙水準(単語やチャンク表現の質・量)を、これ以上なく客観的に、示してくれること。

② したがって「上級学習英英辞典」の語彙を覚えることは英語で書かれた普通の読みものを楽に読める語彙水準に達することであり、その結果、ものを読みながら新たな語彙を習得していくという日本語の場合と同じ語彙増加のプロセスを実現できること。

ここで再度繰り返しますが、ものを読みながら語彙が増えていくというプロセスは母語並みの語彙力が前提になります。この事実を無視していくら未知語だらけの本(既知語率98%未満)に取り組んでも効果はほとんどありません。

SSS多読法が効果を発揮するのは既知語率98%超の本を読む場合です。あくまでボキャビル先行を実行しないと、幻を追いかけることになります。

さて、① と ② の2つの「上級学習英英辞典」の威力に言及する人は誰もいません。

まだ、気づいていないからだと思います。

その結果、今の「語彙増強論」 は、 「どれだけの質・量の単語やチャンク表現を習得したらいいのかという最終目標」 も設定しないまま迷走を続けています。そして、迷走していることにも気づいていません

物事は、なんであれ、目標があればこそ戦略も作戦も立てられるのであって、目標がなければ、ゴールがなければ、どの方向に向かってどのように進んでいったらいいのか試行錯誤さえできなくなります。

誰もが最終目標に到達できるわけでは、もちろん、ありません。

しかし、最終目標があれば、各自が今何合目にいるのか自覚したり誰かに教えてもらったりできます。

今は、誰も目標が分からずに右往左往している(ことにも気づいていない)状態です。

今あるのは、教材市場で自然発生的に決まった1万語前後という幻の目標です。

その市場目標に到達しても達成感はとうてい味わえないことは、多くの人が経験済みです。自分の日本語のレヴェルとの乖離を痛感する人ほど不満が大きくなります。

他方、真の最終目標が分かっている人であれば、不満を軽減するために次の段階に向かって空回り(別の市販教材に取り組むこと)ではない学習にとりかかることができます。

事情によっては、合理的にあきらめることも可能です。たとえば、5合目なら5号目なりの眺めを楽しむことができます。

「上級学習英英辞典」 は幻ではありません。厳然と存在する人によって事情によって登頂可能な美しい山なのです

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