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そもそも、なぜ、単語集さらには辞書の暗記が必要なのか(1)

英語でも日本語でもその他何語であっても、ネイティヴ・スピーカーが母語を習得していく過程で、語彙の学習は、各人の将来の学業および社会的成功に大きなあるいは決定的な役割を演じる。

そして、語彙の学習は幼児に始まる。

幼児の語彙学習には、主として、次の2つの側面がある。

① 文法の獲得

② 語彙の学習

ここで、「獲得」とは先天的なプロセスを指し、「学習」とは後天的なプロセスを指すものとし、この「獲得」 および 「学習」 の区別は、酒井邦嘉著『言語の脳科学(中公新書) 』 にしたがったものである。

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上記の 『言語の脳科学』 によると、「獲得」 : 「学習」 は次のような対比関係にある。

生得的 : 後天的

遺伝 : 環

言語能力 : 認知能力

特殊性 : 一般性

母語 : 第2言語

音声・手話 : 文字

文法 : 意味

 : 単語

規則 : 連想

必然 : 偶然

創造 : 模倣

普遍性 : 多様性

演繹 : 帰納

成長 : 教育

無意識 : 意識

潜在的 : 顕在的

手続き的記憶 : 宣言的記憶

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酒井氏は、チョムスキーの 「生成文法論」 に依拠して、「文法は生得的であり、語彙は後天的である」という。

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幼児は、健常であれば、どの子であろうと例外なく、就学前に誰に教わることもなく無意識に、基本文法をマスターしてしまう。

この事実からして、「生成文法論」はたぶん正しいのだろうと思うが、反対する人も多く、科学的に証明されたわけでもない。

また、文法を意識的に学習してマスターすることが絶対不可能だという決定的な説もない。 ドナルド・キーンさんのような驚異的な現象を目の前にすると、可能ではないかとも思う。

しかし、② については疑いようがない。

語彙は、酒井氏の説明を待つまでもなく、学習なのだ。

ネイティヴ・スピーカーの場合、英語・日本語・その他の言語を問わず、語彙の多寡を決定的に左右するのは、読書の多寡である。

日本の大学生の日本語の語彙力も2万語前後~5万語超の格差があり、その原因は主として読書の多寡にある

大きな語彙力の格差は、すでに5~6歳で存在し、教育による読書訓練がない限り、その後もどんどん拡大する

英語圏で行われた調査によると、就学前児童の活用語彙数には、2000語~5000語の開きがあるという。

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