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語彙強化に関する神話の崩壊(4)

語彙強化の秘訣は、「独自の方法で根気よく続けること」である。

その対極にあるのが「神話」

語彙は、ことさらに覚えようとするのではなく、付随的にすなわちついでに、たとえば読書をするおまけとして、習得するのがもっとも望ましいし可能である ― という神話である。

独自の方法など不要である、根気よく続ける必要もない、もののついでに身につくものである ― という神話。

そんな神話で語彙が増えるはずがないし、増やした人もいない。

「独自の方法で根気よく続けること」、換言すれば「自分なりに覚える努力を続けること」が肝心である。

「努力することに価値がある」などと実にくだらないことを言うつもりはまったくありません。「努力しないと覚えられない」から努力するだけのことです。ただの事実にすぎません。

もっとも、「努力」は、ときには、非常な喜びを伴うことも事実です。だから、続けられるし、やがて大きな成果が達成された暁には、努力したことが貴重な経験知となり、精神的進化の豊穣な土壌になります。

「○○の時間をかけたら××の語彙を習得することができる」という実証済みの、経験済みの、成果を示すことができない語彙強化論は、すべて、神話に過ぎません。

古代から着実な成果をあげてきた「語彙リストによる語彙強化」を真っ向から否定してさまざまな語彙指導法や語彙学習法が試行されてきました。「付随的語彙習得法」が、少なくとも理論上は、優勢を得た時期もありました。いや、日本ではいまだにしつこく神話を主張する人がいて、そんな空論を信じて成果を上げられない人や成果をあげたつもりになっている人が少なくありません。

しかし、今や神話は厳然とした事実の前にして崩壊しつつあります。本家の欧米で急速に権威を失墜しつつある「付随的語彙習得=神話」論者の受け売りをしている日本の言語学者もは今も1部で健在ですが、そのご本人でさえ最近は???と感じていると思います。そんな人たちだって、実は、「語彙リスト」を懸命に暗記した経験の持ち主です。それで英語の本を読めるようになった人たちです。ところが、そんな自分の経験知を捨てて「Stephen Krashen's Theory of Second Language Acquisition」に即した付随的語彙習得論に酔ってしまった。

もう「神話酔い」がさめてもいいころです。

ノン・ネイティヴ・スピーカーが 「読書」 に「質・量ともに充実した語彙の習得」を期待しても落胆するだけです。

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