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「アンチ・バベルの塔」による段階的ボキャビル(4)

今回は、利用する辞書の紹介ではなく、「ボキャビルを段階的に進める」ことの意義について、再度確認しておきます。

ボキャビルは、”いつまでにどれだけの”語彙を覚えるのかというはっきりした目標がないと、やりがいがありません。

そんな目標なしにやっていても「いったいどのレヴェルの語彙をいくつぐらい覚えているのか」そして「いつぐらいにそれを達成できるのか」という目安がないと、語彙の海を漂流して自分の位置を見失ってしまうことになります。

あの単語集もかじったしこの単語集もかじったけれど、果たしてこのあとどれぐらい覚えたらどれぐらいのレヴェルになるのかとか、実際やった語彙を覚えているのかどうかとか、見た覚えはあるていどにとどまっているのかとか、語彙の体系的な積み上げが達成されているのかどうかとか、そうしたことについてはっきりした自覚がないままだとズルズル生涯を過ごすことになります。

たとえばとにかく物を読んで未知の語彙を拾っているというような状態では、「日暮れてなお道遠し」のまま夜明けがきません。

だから、「アンチ・バベルの塔」では、(既知語彙数が2万数千語に達していない人の場合は)辞書を段階的に選んで覚えていくことがひとつのポイントになるのです。

① 日本の中学レヴェルの辞書
② 日本の高校レヴェルの辞書
③ ネイティヴ・スピーカーの中・高校レヴェルの(語彙数の)辞書
④ ネイティヴ・スピーカーの大人レヴェルの(語彙数の)辞書 

というように具体的に利用辞書を決めて、つまり目標語彙数を明確に設定して、各レヴェルを確実に征服していくわけです。

まず各レヴェルの辞書の「未知語彙」をピックアップして(少しでも怪しい語彙はもらさずピックアップして)カードに記入し、それを徹底して覚えていきます。

何回復習するのか? そんなことは心配しなくていいです。覚えるまで復習します。複数の回数など無視です。慣れてくれば最初思ったほどの負担ではなくなってきます。徐々に暗記力も向上して楽しくなります。

案ずるより産むが易し」ですぞ! しかし、ほんとうに真剣にやるべし

未知語彙群を、つまり堅固な城を、探り出して徹底して攻め落とす」作業を 「④ネイティヴ・スピーカーの大人レヴェルの辞書」を我が物とするまで続ける。

また、たとえば②でやめざるを得なくなっても、自分のレヴェルをはっきり認識できるメリットがある。

順調に各レヴェルを征服してゆけば、あなたの視界はどんどん開けてきます。雲が晴れ霧が晴れ風景がくっきりし文脈が躍動するようになる。「こんなにすっきりした景色だったのか!」と感嘆するようになる。

ただし、何年もかかりますよ。朝から晩まで英語漬のネイティヴ・スピーカーでさえ20数年かかって大人の語彙を獲得するわけですから、ノン・ネイティヴ・スピーカーが何年かかってもそれはあたりまえのことでしょう。

もちろん、別コースのボキャビルもあります。簡単な英会話・大学受験・留学・各種資格試験用のボキャビルで、これなら(それぞれレヴェルは非常に異なりますが)辞書暗記よりはるかに簡単です。市販の単語集でOKです。他方、割り切らない限り、そのままでは永久に不満が(人によってはですが)残りますよ。

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英語の語彙:雑談(36)

class classy classic classical classically はちょっと分かりにくい語彙。

以下は 『Cambridge Advanced Learner's Dictionary』 より:

○ He's a class ( = very good ) golfer. 形容詞

○ She's got real class ( = the quality of being stylish or fashionable). 不加算名詞

○ a classy ( = stylish and elegant ) vehicle 形容詞

○ Ten she fell over backward into the flowerbed - it was absolutely classic ( = extremely or unusually funny, bad or annoying おかしい!). ! 形容詞

○ It's classic ( = bad or unpleasant, but not particularly surprising or unexpected よくあることだがシャクな ) - you arrive at the station on time and find that the train's left early. 形容詞

○ She wore a classic ( = always fashionable はやりすたりのない ) navy suit. 形容詞

○ I spent my childfood reading the classics ( = the most famous works of literature ). 名詞

○ He's a classic ( = having all the characteristics or qualities that you expect 典型的な ) example of a kid who's clever but lazy. 形容詞

○ I love the classical ( = attractive because it has a simple, traditional style ) lines of his dress designs. 形容詞

○ a classically ( = traditionally ) beautiful face 副詞

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復習こそ最高の記憶術

あなたがもし特別な記憶力・記憶術の持ち主なら「アンチ・バベルの塔」は必要ないでしょう。

私から見れば円周率何万桁を暗証できるようなひとは特別な記憶力・記憶術の持ち主です。

だれにもまねのできない能力を発揮できる人。異能の人。

他方、異能力は発揮できなくても、異能の人のやり方は、だれでも、まねることができます。

そのやり方とは何か?

くりかえして復習することです。ものを記憶することのコツは繰返す術(すべ)を身につけることです。

しかし、その繰り返しをしない人が圧倒的に多い。

「私は記憶が苦手です」という人が大勢います。そんな人たちは例外なく繰り返しが苦手な人たちです。1回や2回や3回や4回や5回ぐらいの繰り返しで覚えられるわけがない(私の場合)。なるほど「覚えた」と思えることは確かだが数ヶ月経てばもう忘れるに決まっている(私の場合)。中学生や高校生の場合でも同じです。繰返すことをいやがる。猛烈に詰め込むことがあっても繰返すことがない。大人だってまったく同じです。

私は、(もちろん冗談だが)「ピストルか刃物をつきつけてやろうか?そしたら誰でも繰り返しができる=覚えられる」と思うことがある。やがて繰り返しがおもしろくなる。ピストルや刃物などもう必要なくなる。しっかりと記憶された語彙を確認できて幸せな気分になる。すいすい読書ができて繰り返しの威力をまざまざと悟る。映画を見ていて覚えた語彙たちが随所にあるいはごくたまにではあっても決定的な瞬間に登場して「繰り返し暗記」の鮮烈な効果にうれしくなる。

しかし、「ピストルや刃物」は使えない。そうだとすれば、意志力のない人に繰り返しを実行させる方法はとにかくPCのまえにすわってもらう、机にすわってもらう、電車の中で作成したカードを取り出してもらう、とにかく始めてもらうしかない。「嫌だだめだ面白くないから飽きる他にもっといい方法があるらしいから探してみようあれがいいいやこれがいいいややっぱりあれかな・・・だめだやーめた・・・と言ってるまに時間はどんどん過ぎて5年や10年はどんどん過ぎてぜんぜん進歩していない自分に気づくあるいは覚えることなどすっかり放棄してせいぜい小学生レヴェルの多読(専門書は読むのが容易だから別)あるいは未知語すっ飛ばしでわかったことにするTIME読みに励んでいるあるいはもう何もしなくなっているどころか何事につけても物忘れがひどくなっている」ことになる?!

とにかく始めたらいいですよ。

形からはいる。まず姿勢をとる。たとえば、どんな民族であっても神や仏にお祈りするときの姿勢=形はだいたい同じです。やがてその気になる、少なくともその可能性はある。

たかだか秀才程度の能力なら、そして1万語単位の語彙力をつけて英語を日本語のように楽しみたいのなら、「繰り返しを友とする」のが最善の方法ですよ。

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英語の語彙:雑談(35)

気骨」という漢字がある。

読み方は2つ:

① きぼね
② きこつ

日本語新辞典(小学館)』 によると:

① = 心遣い気苦労。 
② = 自分が正しいと信じていることは、どんな障害にも屈しないで貫き通そうとする強い心気概

英語では( 『研究社・和英大辞典』 より ):

① = ○気骨が折れる be a great strain on one's [the] mind [nerves]; be tiring.
   ○気骨の折れる仕事 a nerve-racking job; a job involving stress and strain.

② = moral fiber; backbone; determination; grit; mettle; pluck.
   ○ 気骨がある have moral fiber [backbone]; be mettlesome [plucky]; have a strong character
     気骨がない lack backbone [moral fiber, mettle, pluck, determination]; be weak-kneed [spineless].
   ○ 気骨のある人 a person with moral fiber [backbone, determination]
     気骨のない男だ. He has no backbone. | He is weak-kneed [spineless].
   ○ 気骨を示す show one's backbone [moral fiber, mettle].

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「アンチ・バベルの塔」による段階的ボキャビル(3)

前回は、Aの段階で利用する辞書を紹介しました。

今回は、Bの段階で利用する辞書を紹介します。

B: 大学受験レヴェルを再度確認したい人の段階。Aの段階では欠落する大学合格レヴェルの語彙をすべて含みます。Aを終えた人ならまったく困難な作業ではないはずです。ページ数は890ページです。

辞書名: 『トリム英和辞典 (研究社)』

総ページ数1005ページ

語彙記述ページ数890ページ

総語彙数約1万5000語

編者が書かれた「まえがき」から引用しておきます(太字・省略 k.y.)

(引用開始) この辞典は中学で英語の勉強を始めて2年から5年くらいの人々と、英語からしばらく遠ざかっていたがもう一度勉強しなおしたいという人々のための学習用辞典です。
 そのために、まず第一に、「使いやすさ」を考えました。「使いやすさ」とは、目指す単語を見つけやすい、語の意味(語義)が見やすい、例文が分かりやすい、などのことです。
 Trimという辞典名がこの辞典の特徴を現しています。trimには、形容詞として「(健康的で)すらっとした;(体などが)引きしまった」などの意味があり、動詞として「(木・髪など)をきちんと刈り込む、手入れをする」などの意味があります。
 この辞典は語の周辺的・間接的な情報を思い切って刈り込み、引きしまった、使いやすい辞典を目指しました・・・(引用終止)

語彙強化に関して、一般にはまだまだ認知されていないことですが(語彙リストをAから順に暗記するなど最悪であると固く信じている人が圧倒的に多い!)、実証済みの事実を2点確認しておきます。

① 語彙リストは語彙暗記の最高のツールである。

② 語彙リストは簡潔なほうが記憶しやすい(ターゲット語彙+その和訳+簡潔な例文)。

東進ハイスクール講師の今井宏さんはその著 『今度こそ英語は大丈夫』 のなかで ― 「単語そのもの」と「例文」以外は無視してもまったくかまいません。「反対語は?」「派生語は?」「多義語は?」「語源は?」いろいろ気になるところですが、完全主義はとにかく禁物です。「反対語・派生語・語源、すべて完璧に覚えないと意味がない」 難しいことをおっしゃるヒトはいますが、そんなに時間のかかることをやっていると、こわいこわい挫折が、大きな口をあけて、皆さんを呑み込もうと待ち構えていますよ ― と述べておられます。

今井さんは最前線の英語教師としての実感をことばにしているわけですが、簡潔な語彙リストの威力は応用言語学者たちによる比較実験によっても実証済みです。

特に、今回のようなBレヴェルの語彙強化に関しては、① ② は何の留保もなく当てはまる鉄則です(精読や多読ももちろん並行して実行しなければなりません)。

何度も言いますが、語源などに熱中している暇があるなら語彙リストでどんどん覚えた方がはるかに能率がいい。必要な範囲の語源は、あとのC・Dレヴェルの辞書暗記の一環(副産物)として充分習得できます。数十個の語源知識で1~2万語の語彙を正確に理解できるなどと信じてはいけません。そんなことを実行できた人は、それを主張するご本人も含めて、だれひとりいません

①と②の観点からして、『トリム英和辞典 』 はたいへん好都合な学習辞典です。

この辞書は、各ページが左右に分割されていて左側にターゲット語彙と例文、右側に語義と各例文の和訳という「アンチ・バベルの塔」の形式とまったく同じで、カードに整理しやすくなっています。

語の周辺的・間接的な情報を思い切って刈り込み、引きしまった、使いやすい」という『トリム英和辞典 』 の特徴が ① ② の語彙リスト作成に最適なのです。

ただし、注意も必要です。簡潔で重要部分を赤で印字した例文は、「まえがき」にも指摘してあるようにたいへん理解・暗記が容易です。

しかし軽視するべからずです。

やさしすぎるように思えるかもしれませんが、それを流暢にしゃべるのは、実は、そんなに容易なことでない。英検1級2次試験の面接現場でもよく見かけることですが 『トリム英和辞典 』 の例文表現をよどみなく口に出せる人は意外に少ない。

発音・リズムに注意し感情豊かに音読しながら、バッチリ覚えていきましょう。

そして、A→B→C→Dと進み、やがて、数年後に、あるいは10~15年後に、2000頁の学習英英辞典のどのページを開いても知らない語彙が存在しない快感を想像してみてください。

追記: az さん、コメントありがとうございます。 かいちゃん さん、ご自由になさってください。

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情報カードによる既知語彙の確認と実用化(1)

「アンチ・バベルの塔」は語彙強化のツールですが他の利用法もあります。

それは、「① 明確な構文・語法」と「② 特定分野の語彙」をコンテクストの中で習得するためのツールとして利用することです。

①と②を習得する最適の教材は、たとえば、「③中学生用の理科の教科書」です。

下記は、③を利用して①と「②生物学用語」を習得する実例です。

A: ワードで「アンチ・バベル用の情報カード(182ミリ×128ミリ)」を用いる。

B: カードの「ページ設定」の「余白設定」は任意だが、たとえば、上:6ミリ 下:12.7ミリ 左:20ミリ 右:6.4ミリ とじしろ:0ミリ とじしろの位置:左(パンチの穴を空けるための余白)とする。 「段数」の設定は2段、つまり左右に分けて左に英文の原文を記入し、右に英文と和文の混合文(英文を正確に再現できる直訳)を記入する。

C: カードの裏面には参考イラストなどを印刷する。

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具体例↓

カードの左側に記入する英文:

Cells                                                            

All living things are made up of cells.

Animals and plants are multicellular.

This means they are made up of lots of cells.            

Humans have millions of cells.

・・・・・・・・・・・                          

・・・・・・・・・・・                           

右側に記入する英和混合文(今回は英文のみ):

細胞

すべての生物sは細胞sでできている。

動物sと植物sは多細胞である。

これは意味する それらは多数の細胞からできている。

人間sは何百万もの細胞sを持っている。

・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・                         

同じカードの裏面

たとえば、Googleで検索した動物細胞の断面図(http://www.enchantedlearning.com/subjects/animals/cell/anatomy.GIF)を印刷しておく。

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上記の作業をする内に語彙と英文をほとんど覚えてしまうので、「正確な構文・作文」の習得と「認識語彙の活用語彙化」にたいへん有益です。


追記: 英和混合文にするのは、以下のように直訳しにくい部分がある場合です↓

右側: All living things carry out the same life processes, although they don't always carry them out in exactly the same way.

左側: すべての生物sは同じ生命過程sを実行する、although they don't alaways それらを実行する 正確に同じ方法で。

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語彙強化の時間軸(1)

日本人は、通常、不十分な語彙強化法を ― 不十分なものとは気付かないままに ― 当然のごとく受け入れてきました。

そのため、いろいろな珍説が、実証済みの根拠がまったくないにもかかわらず、当然のようにまかり通ってきました。

ひとつ、英語の本を読んでいて未知の語彙があっても意味を類推するか無視するかして読み進めばよい。

ひとつ、英検1級に出題されるような語彙は実はほとんど使われない覚えなくてもよい語彙である。

etc.

そうしたとんでもなく事実に反した珍説の前提になっている語彙強化観を打破し、大人の語彙強化法を実践するのが「アンチ・バベルの塔」です。

私は、今まで、「従来の不十分な語彙強化法」と「大人の語彙・強化法」の違いを、主としてターゲット語彙の質・量の面から説明してきました。

しかし、最近、その質・量を高めるために必要な時間数に改めて注目しなければならない、もっと注意を向けなければならないと思うようになりました。

アンチ・バベルの塔=大人の語彙・強化法」の建設に必要な時間数にもっと目を向けて欲しいと思うようになりました。

人は、通常、語彙強化期間として数ヶ月から1年ぐらいしか考えていないのではないか? いや、そんなことは、これまた当然のこととして、意識さえしていないのではないか? 

語彙強化の座標を考えて横軸に時間軸(=X)を縦軸に語彙の質・量(=Y)を設定すると、従来の語彙強化法はそのYだけではなくXの上限も過小に設定した極めて不自然な座標を成している、しかも人々はその不自然さに気付いていない。

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格差社会と語彙格差

ここ数年、「格差社会」ということばをよく見聞きするようになりました。

一般には「所得格差」が顕著な社会を意味することばですが、今回は「語彙格差」に焦点をあててみます。

「語彙格差」が「所得格差」に直結している事実は否めないと思うからです。

And studies have revealed a 3000-word vocabulary disparity between 4-year-olds from high- and low-income families. (http://www.projectcalifornia.org/site/pp.asp?c=nmL9KgNYLyH&b=392095より) という文章の中にある「vocabulary disparity」という表現が「語彙格差」の私訳になります。

上記の「California Project」で言及されている4歳児の最大語彙格差3000語は驚くべき数字です。前にも述べたかもしれませんが、こうした幼児の語彙格差は、そのまま放置しておくと、子どもの成長と共にどんどん大きくなりやがて手がつけられなくなって、結局は語彙格差が所得格差に直結してしまうという現実があります。

これは、あくまで統計的な現実です。語彙の貧困な人が大金を稼ぐ例はいくらでもあるからです。しかし、統計的な現実が社会の実相を反映し、貧困が重大な社会問題になっていることが事実だとすれば、各人の語彙格差を小さくすることは、あるべき社会を築くために欠かせない努力目標でしょう。

「結果の平等」は、ある程度まで、存在して自然ですが、「機会の平等」は人が生来持つべき権利でしょう。「California Project」が指摘するように生まれながらにして既に機会の不平等が存在するとしたら大問題です。

さて、日本の教育の現状はどうなっているでしょう?

端的な例として、中学生の語彙力。

まず、「アンチ・バベルの塔」の塔主として、中学生が学習する英語の語彙数に注目してみます。

まことに愚かな「ゆとり教育=放置教育」の結果、公立中学で学習する英語の語彙は何と!800~900語にすぎません。

他方、私立の有名中学の生徒が3年間で学習する英語の語彙数は3000語に達します(文法・構文もはるかに高度です)。中学3年間で学ぶ英語の教科書の総ページ数は650ページほどになり、その他問題集などもたいへんな量になります。ラジオやテレビの英語番組もカリキュラムに含まれます。順調に学習する生徒は(音声面でも概ね優れ)中学生で当然のように英検2級に合格し、高校では準1級(高校の英語教諭で準1級レヴェルに達するのは20%未満)やごく少数ではあるが1級にも合格するレヴェルまで上達します。当然落ちこぼれもかなり出ますが、そんな落ちこぼれの生徒でも公立中学ではよくできる生徒になることが多い。公立中学の落ちこぼれは究極の落ちこぼれになってしまう可能性が高い。

さらに、語彙学習の充実は、英語の語彙に限りません。他の科目の学習語彙も、質・量ともに、公立中学とは桁違いです。

一部の有名私立の生徒たちが傑出して恵まれた機会を与えられていることは明らかです。裕福な家庭の子弟が私立に殺到し、公立中学は「おろかなゆとり教育」を強行して与えられるべき「機会の平等」を奪っている。

公立中学出身者でも公立高校の2年間ほどで有名私立高校生に追いつき追い越す生徒もかなりの数に昇りますが、統計上、中学時代に機会均等の権利を侵害されていることは否めません。

15歳までの教育格差(=語彙格差)が格差社会の主要な要因のひとつになっている事実は看過できません。

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「アンチ・バベルの塔」を支える福音 ・続 続

「アンチ・バベルの塔」を支えるのは「コーパスに依拠した学習英英辞典」である。

その「学習英英辞典」の出現がなかったら「辞書暗記」を完成する決断はできなかったと思います。

「覚えるべき語彙の有限性」を確信できなかったら、「アンチ・バベルの塔」の完成も期待できなかった。高さが限定されない塔の建設などありえない。いつか目標の高さに達することがわかっていたからこそ続行できた。完成の日を指折り数えながら着実に目標に接近していくことができた。

私が市販の単語帳に不満を感じたのは、そのどれをマスターしたところで、満足な語彙数に達しないことは経験上明らかだったからです。それなりの大人のネイティヴ・スピーカーの語彙力はそんな市販の単語帳どころではないことは充分に悟っていた。もちろん、たいへん語彙力の乏しいネイティヴ・スピーカーには何人も出会った。しかし、そんな人たちはそれなりの大人とはいえない、本国ではまともな職にありつけないような人たちだった。

だから、「質・量ともに必要充分な語彙リスト=学習英英辞典」の存在を知ったときの安心感はとても大きなものでした。「これだけ覚えればいいのだ!」という確信は語彙学習上何にも勝る福音でした。

ところが、そんな「学習英英辞典(あるいはそれに準じる英和辞典)」を観てさえ疑念を示す人たちがおられます。圧倒的に多いのは、「5万も覚える必要があるの?」「○○の単語などこれから先またお目にかかるとも思えないよ」といったような疑念です。福音を福音と悟ることができずに「学習英英辞典」と「他の辞書」を区別できない人たちの疑念です。

何度も述べましたように、「学習英英辞典」に不要な語彙は皆無です。なるほど、これから先出会うことのない語彙がいろいろあるかも知れません。しかし、それは私が出会わないだけのことであって、それらの語彙が統計上使用頻度の高い語彙であるという事実は変わりません。

ただし、「自分にとって不要な語彙は即不要な語彙である」とする人たちの「学習辞典」に対する疑念を解消するひとつの方法があります。「学習英英辞典」をチェックする際に「これは不要だ」と思う語彙をはずしていけばいいのです。そうすれば「自分が不要だと思う語彙」を排除することができます。私は「統計的に使用頻度の高い語彙のみ」を収集した「学習英英辞典」に不要語彙があるとは考えませんが、それについてなお疑念を抱く人たちにとっては、「不要だと思う語彙を排除して覚えること」=「疑念払拭」になります。

他方、「学習英英辞典以外の語彙はもう覚える必要がないのか?」という疑念もあります。

そんなことはあり得ません。「学習英英辞典の語彙」は大人が通常知っておくべき語彙であって、① 趣味・専門・業界用語 ② 流行語 ③ 新語などは、それこそ各自の必要に応じて覚えなければなりません

そして、① ② ③ を習得するプロセスは私たちの母語である日本語に関しても同じです。

「学習英英辞典」の語彙を覚えることは、① ② ③ の習得 に関して、英語のネイティヴ・スピーカーと同じ地平に立つためのプロセスでもあります。

「学習英英辞典」の語彙習得は「外国語としての英語の語彙習得」の最終段階であって、それ以上の語彙は不要だというわけではありません。

「塔」建設は、ネイティヴ・スピーカーと同じ地平に立つためのプロセスです。

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「アンチ・バベルの塔」を支える福音 ・続

「学習英英辞典」が登場するまで、ノン・ネイティヴ・スピーカーがネイティヴ・スピーカーの通常試用する語彙をすべて知ることは不可能でした。

辞書を暗記した日本人は昔から実在しました。しかし、彼らが暗記した辞書は、語彙数も充分ではなく、限られた数の専門家が独自に編纂していたために普通のネイティヴ・スピーカーの語法を正確に反映したものでもなく、だから、今の学習辞典のような統計的客観性を有するものではなかった。

記載された各語彙についてもどのような人たちがどんな場面でどのように使うのかまた口語なのか文語なのか可算名詞なのか不加算名詞なのか普通に使われる表現なのか避けるべき表現なのか各語彙のどれが主な意味でどれが従たる意味なのか等々が不明であった。

ネイティヴ・スピーカーにとっても不明なことが少なくなかった。

しかし、今や、「学習辞典」によって次のようなことが明らかになっています。

① 覚えるべき語彙

② 各語彙の覚えるべき意味

③ 各語彙の覚えるべき用法

覚えるべき範囲がはっきり分かるわけですから、しなければならないことは、未知語彙をピックアップして各自の語彙リストを作成しそれを覚えるだけです。

最速2~5年、それが不可なら10年でも20年でもかけて、覚えたらいい。

昔のように暗中模索する必要なまったくないのです。ひたすら明示された目標に向かって進めばよい。

しかも、CDーROMや学習ソフトの併用によって、独自の語彙リストの作成・編集が格段に容易になっています。

昔は、こんなにすばらしい語彙強化環境を想像だにできなかった!

そんな変化に気づいていない人が非常に多い

追記: n2k さん、1週間ほどお待ちください。

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「アンチ・バベルの塔」を支える福音

「塔」は、近年のコーパスの確立・充実と軌を一にした語彙強化法です。

日本語でも英語でもネイティヴ・スピーカーが通常備えている語彙数には限りがあって、学習辞書の見出し語換算でおよそ5~6万語になります。

コーパスの出現以前は、どの語彙がその5~6万語に相当するのか分からなかった

通常必要な語彙を客観的に確定する方法がなかったために、学者がそれを決定していた。「これこれは習得すべき語彙である」と判断して一般の人たちに示していたわけです。

だから、辞書の記載と実際使われる語彙に隔たりがあった。その結果、辞書を暗記しても通常は不要な語彙を覚えてしまう可能性があった。

この難点がコーパスの活用によって一挙に解消された。

通常どれが必要な語彙でどれが不要な語彙であるかが客観的・統計的に明らかになった。

その通常必要な語彙が「学習英英辞典」に記載されるようになり、従って、通常必要な語彙を覚えるためには「学習英英辞典」やそれに準じた「学習英和辞典」を利用するのが最善の方法であることが明らかになった

これは、語彙強化を意図する学習者にとって、まさに福音(喜ばしい知らせ)でした。

学習辞書=限られた数の必要な語彙だけを記載した語彙リスト」をほんの数千円で買うことができるようになった。しかも、CDーROMを使えば、類義語も反意語も語源も例文も文化的背景さえもインスタントに検索できる環境が整った。

従来主張されてきた多様な語彙強化法をすべて試行して自分なりの語彙強化法を確立できるツールが出現したことになります。

そんな福音は語彙強化を熱望する学習者に大きな安心感を与えました。「これだけおぼえればOKなのだ」という安心感です。「底なし沼の恐怖」から解放された安心感です。

あなたが「学習辞書」からピックアップする未知語彙があなたの覚えるべき語彙です。それだけを覚えたらいいわけです。

その未知語彙数は人によって様々でしょう。

しかし、誰にとっても、登る山はひとつです。「学習用辞書」という山です。登山技術を磨き体調を整え根気よくアタックすればやがて頂上が見えてきます。酸素ボンベが必要なほど高い山ではありません。

ついに登頂すれば、もう視界をさえぎるものはなくなります。通常の語彙世界(新聞・雑誌・ペーパーバック・ニュース・映画などなど)はすっかりあなたのものになります。勉強の材料ではなく、娯楽や情報のソースになります。

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語彙強化に関する神話の崩壊(4)

語彙強化の秘訣は、「独自の方法で根気よく続けること」である。

その対極にあるのが「神話」

語彙は、ことさらに覚えようとするのではなく、付随的にすなわちついでに、たとえば読書をするおまけとして、習得するのがもっとも望ましいし可能である ― という神話である。

独自の方法など不要である、根気よく続ける必要もない、もののついでに身につくものである ― という神話。

そんな神話で語彙が増えるはずがないし、増やした人もいない。

「独自の方法で根気よく続けること」、換言すれば「自分なりに覚える努力を続けること」が肝心である。

「努力することに価値がある」などと実にくだらないことを言うつもりはまったくありません。「努力しないと覚えられない」から努力するだけのことです。ただの事実にすぎません。

もっとも、「努力」は、ときには、非常な喜びを伴うことも事実です。だから、続けられるし、やがて大きな成果が達成された暁には、努力したことが貴重な経験知となり、精神的進化の豊穣な土壌になります。

「○○の時間をかけたら××の語彙を習得することができる」という実証済みの、経験済みの、成果を示すことができない語彙強化論は、すべて、神話に過ぎません。

古代から着実な成果をあげてきた「語彙リストによる語彙強化」を真っ向から否定してさまざまな語彙指導法や語彙学習法が試行されてきました。「付随的語彙習得法」が、少なくとも理論上は、優勢を得た時期もありました。いや、日本ではいまだにしつこく神話を主張する人がいて、そんな空論を信じて成果を上げられない人や成果をあげたつもりになっている人が少なくありません。

しかし、今や神話は厳然とした事実の前にして崩壊しつつあります。本家の欧米で急速に権威を失墜しつつある「付随的語彙習得=神話」論者の受け売りをしている日本の言語学者もは今も1部で健在ですが、そのご本人でさえ最近は???と感じていると思います。そんな人たちだって、実は、「語彙リスト」を懸命に暗記した経験の持ち主です。それで英語の本を読めるようになった人たちです。ところが、そんな自分の経験知を捨てて「Stephen Krashen's Theory of Second Language Acquisition」に即した付随的語彙習得論に酔ってしまった。

もう「神話酔い」がさめてもいいころです。

ノン・ネイティヴ・スピーカーが 「読書」 に「質・量ともに充実した語彙の習得」を期待しても落胆するだけです。

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語彙強化に関する神話の崩壊(3)

語彙は文章の中で覚えた方がいいとか、英英辞典の方が英和辞典よりいいとか、リストにして順番に覚えるのはよくないとか、英→英で覚える方が英→日で覚えるよりいいという主張は、だれが言い出したのか明らかではありませんが、すべて、何の実証的な根拠のない主張=神話です。

それどころか、語彙強化に関する限り、本を読んで未知語彙を覚えるよりリストにして覚えた方がはるかに覚えやすいし復習もしやすいしだから忘れにくい。大多数の日本人にとって英英辞典より英和辞典の方がわかりやすい。また、どんなに上達しても、英→日で覚えるほうが英→英で覚えるよりわかりやすい場合も必ずある。だから、英→英と英→日は併用すべきであって、どちらがいいというものではない。

構文と音声を習得した後に残るとてつもなく大きな英語学習の壁は、真剣に英語を学習している人ならだれでも実感しているように、語彙の壁なのです。この壁を突破するためには何の根拠も実効性もない「神話」を捨てて、確実に大きな効果のある語彙リストや母語を併用するやり方を踏襲すればいいのです。

英語で何をするにしても、仕事や留学で外国に滞在していても、もっともたよりになるのは何? もちろん辞書でしょう。そして、辞書は語彙リストの究極の姿です。

不思議にも神話を信じている人は、同じ1ヶ月~半年を費やして神話方式と語彙リスト方式でどちらが効率的で正確に意味が理解できて覚えやすくて復習もしやすいか試してみればいいです。

自分の大学受験を振り返って、神話方式でやっていたらどうなっていたか想像してみるのもいい。

神話は神話に過ぎないことがいやでもわかるでしょう。


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語彙強化に関する神話の崩壊(2)

前回に (1) 本を読みながら未知語の意味を類推して語彙を強化する方法は、他の方法に比較して、効率も悪いし意味の把握も不正確になりがちである、(2) 英英辞典が英和辞典より常に優れているわけでもないという話しをしました。

英語学習に関して、いつも不思議に思うのですが、多読によって語彙が大いに強化されたという実例はまったくないのに、語彙は文脈の中で覚えていくのが最も望ましいという主張が根強くある。他方で、非常に多くの人が、語彙リストを順番に覚えていくなど最低のやりかただという、何の根拠もない固定観念(神話)を持っています。

(3) 大学受験や各種資格試験に語彙リスト(単語帳)による暗記が必須であり、ネイティヴ・スピーカーも語彙リストを暗記して語彙強化を図ります。速く効率よく語彙を強化する必要があるときはだれでも語彙リストを利用するわけですだれも、多読で1000語単位の語彙強化を図ったりしません

さらに、英→日の語彙リストも、ほとんどの人が利用して確かな成果をあげている厳然とした事実があるのに、語彙強化論になると人気がありません。英→日はいけないという神話です。英→英のリストの方が優れているという実例はありません

(4) 英→日のリストは普遍・不変の語彙強化ツールです。特に学習英英辞典を自由に利用できる語彙をもたない人たちにとっては最強のツールです。なぜわざわざ分かりにくい英英で我慢する必要があるのですか? さっさと英→日で覚えたほうが速いし、忘れにくいという利点もある。

また、私も、みなさんも、外国語の学習が好きな人は、ほとんどだれでも「語彙リスト」が好きなんですよ。しかも古代から利用され実効性も保証されている。そんなツールを否定する理由がどこにありますか? 

英→日リストで覚えても使えないから無意味だという人も多い。しかし、まず覚えないでどうするのですか?。たとえ英→日リストの暗記に過ぎなくても、読書やリスニングで大活躍します。そんなあたりまえのことがなぜ、肯定されないのでしょう? 

5 以降は次回に書きます。

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