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「アンチ・バベルの塔」を支える福音

「塔」は、近年のコーパスの確立・充実と軌を一にした語彙強化法です。

日本語でも英語でもネイティヴ・スピーカーが通常備えている語彙数には限りがあって、学習辞書の見出し語換算でおよそ5~6万語になります。

コーパスの出現以前は、どの語彙がその5~6万語に相当するのか分からなかった

通常必要な語彙を客観的に確定する方法がなかったために、学者がそれを決定していた。「これこれは習得すべき語彙である」と判断して一般の人たちに示していたわけです。

だから、辞書の記載と実際使われる語彙に隔たりがあった。その結果、辞書を暗記しても通常は不要な語彙を覚えてしまう可能性があった。

この難点がコーパスの活用によって一挙に解消された。

通常どれが必要な語彙でどれが不要な語彙であるかが客観的・統計的に明らかになった。

その通常必要な語彙が「学習英英辞典」に記載されるようになり、従って、通常必要な語彙を覚えるためには「学習英英辞典」やそれに準じた「学習英和辞典」を利用するのが最善の方法であることが明らかになった

これは、語彙強化を意図する学習者にとって、まさに福音(喜ばしい知らせ)でした。

学習辞書=限られた数の必要な語彙だけを記載した語彙リスト」をほんの数千円で買うことができるようになった。しかも、CDーROMを使えば、類義語も反意語も語源も例文も文化的背景さえもインスタントに検索できる環境が整った。

従来主張されてきた多様な語彙強化法をすべて試行して自分なりの語彙強化法を確立できるツールが出現したことになります。

そんな福音は語彙強化を熱望する学習者に大きな安心感を与えました。「これだけおぼえればOKなのだ」という安心感です。「底なし沼の恐怖」から解放された安心感です。

あなたが「学習辞書」からピックアップする未知語彙があなたの覚えるべき語彙です。それだけを覚えたらいいわけです。

その未知語彙数は人によって様々でしょう。

しかし、誰にとっても、登る山はひとつです。「学習用辞書」という山です。登山技術を磨き体調を整え根気よくアタックすればやがて頂上が見えてきます。酸素ボンベが必要なほど高い山ではありません。

ついに登頂すれば、もう視界をさえぎるものはなくなります。通常の語彙世界(新聞・雑誌・ペーパーバック・ニュース・映画などなど)はすっかりあなたのものになります。勉強の材料ではなく、娯楽や情報のソースになります。

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Comments

いつも読ませて頂いております。
久しぶりに辞典の話なので、質問というか要望があります。

「アンチ・バベルの塔」による段階的ボキャビル(2) 以降のエントリーはないのでしょうか?
________________________
B: 大学受験レヴェルを再度確認したい人の段階。
ページ数は890ページです。

C: 知的なネイティヴの数分の1の語彙力で、
しかし、『Reader's Digest』 などはすらすら読める段階。ページ数は、1663ページです。

D: 上級学習英英辞典の段階。専門語彙などは別にして、これ以上覚える必要はありません。
一般的な読み物に関する限り日本語と同様に楽しむことができるレヴェルです。
ページ数は1514ページです。
________________________

の辞典が気になっているのです。
もっとも自分はまだDの段階の半分程度ですが…

Posted by: n2k | August 05, 2006 at 10:58 AM

すいません、DじゃなくてAですね。
Dの半分なら今のように簡単な洋書ですら
つっかえつっかえ、ということはないでしょう。

Posted by: n2k | August 05, 2006 at 11:05 AM

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