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私の精読・精聴法

「アンチ・バベルの塔」を完成して認識語彙(=見れば分かる語彙)の目標レヴェルに達したあと、塔作成に割いていた時間を読書に充当できるようになりました。

ペーパーバックなどを読んでいてまことに実感するのは「語彙の威力」です。語彙力の悦びです。日本語と同じように読める楽しさは、まさに、長年の試行錯誤から「塔」の完成に至る過程で習得した語彙のたまものです。

さて、認識語彙の目標レヴェルを達成したあとの私の英語学習の重点は「活用語彙」の強化です。とりわけ、ものを書くさいに活用できる語彙の強化です。

そのための私の方法は精読・精聴です。

私にとって多読はほとんど娯楽あるいは情報収集のためであって、語彙強化の手段でないことはもちろん(多読が語彙強化の手段にならないことは再三主張してきたことです)、活用語彙の強化にもなりがたい。

日曜日などにペーパーバックを読んでいて興に乗ると一気に200ページぐらいは読んでしまうことがある。いちいち語彙を追っているのではなく物語りに没頭してしまう。「へー、おもしろい表現だなあ」と思うことがあってもメモを取るでもないからたいていは頭に残らない。残るものといえば、頭の中で惹起される映像。映画を見たわけでもないが印象的な場面などはむしろ映像で記憶される。

だから、多読は活用語彙の強化にも不向きである。

多読ではなく、精読・精聴を活用語彙強化に利用している。

たとえば、Will Durant 著 『The Story of philosophy』 を:

まず精読します↓

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① There is a pleasure in philosophy, and a lure even in the mirages of metaphysics, which every student feels until the coarse necessities of physical existence drag him from the heights of thought into the mart of economic strife and gain. Most of us have known some golden days in the June of life when philosophy was in fact what Plato calls it “that dear delight” ; when the love of a modestly elusive Truth seemed more glorious, incomparably, than the lust for the ways of the flesh and the dross of the world. And there is always some wistful remnant in us of that early wooing of wisdom.

② 在る a悦び in 哲学、and a魅惑 even in the蜃気楼s of 形而上学、which every 学生 感じる until the粗雑な必要性s of 肉体的存在 引きずる him from the高みs of 思索 into the市場( m- )of 経済的な競争 [U] と儲け [U & C]。Most of us 知っている( 現完 ) some 黄金の日s in the 6月 of 人生 when 哲学 was 実際 what プラトン 呼ぶ it、「かの尊い喜び」; when the愛 of a地味なつかまえどころのない真理 seemed より輝かしい, 比べものにならないほど、than the渇望 [U&C] for the 仕方s of 肉( f-) and the浮きカス[U] of the世界。 And 在る 常に some 哀愁を帯びた残り物 [C & pl.] in us of あの若いころの求愛 of 英知 [U]

③ 哲学には悦びがある。形而上学の蜃気楼にさえ魅惑がある。それは、学問をするものならだれでも ― やがて身辺の雑事に忙殺されて思考の高みから生存競争の巷に引き摺り下ろされるようになるまで ― 感じることである。人は、たいてい、若く意気盛んな ― 哲学がプラトン曰く「あの尊い悦び」となり、そこはかとなく捉えがたい「真理」を愛することが処世や俗世の欲望より比較にならずすばらしく思える ― 時期があることを知っている。そんな若いころの切ない思い出が消えることもない。

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上記の様に構文・文法・語彙を精査・納得した上で意味を捉え、① と ② を 「塔」作成で使ったのと同じカードの左右に転写します。③ は頭の中に留めるだけ。

次に― ①あるいは②を見ながらまたは何も見ないで ― 声量豊かで流麗なCDの朗読(Read by Grover Gardner COMPLETE AND UNABRIDGED)を精聴します。

この精読・精聴を繰返し、暇を見つけてカードのみを復習したりするうちに、高校時代から好きだった Will Durant のスタイル(文体)をそっくり味わうことができます。

やがてたいていの表現は覚えてしまいます。

活用語彙が徐々に強化されるわけです。

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