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語彙強化に関する世間の議論(5)その2

市販の 「① 単・熟語帳」の欠点を探ってみましょう。

その際に「② 学習(英和・英英)辞書」と比較しながら検討します。

まず最初にことわっておきますが、② が万能などとは決して考えていません。 ② は、① あるいはその他の語彙教科ツールに比較してはるかに優れている、by far the best coice だということです。

さて、① と ② を森にたとえるならば、① は枝も葉もまばらな弱弱しい貧相な樹がポツンポツンと生えているまばらな森であり、②は見事な枝葉を備えた力強い樹が繁茂する豊かな森と言えるでしょう。

つまり、①は語彙数も各語彙の語義説明も例文もいろいろな説明もすべて極めて不十分であり、それに比較して②は語彙数も語義説明も例文もはるかに充実しています。

また、① は上級のものでも1万数千語の語彙しか掲載していないのに対し、② の上級ヴァージョンはそれなりのネイティヴ・スピーカーの語彙を充分カヴァー(専門・業界用語などは除く)しています。さらに、学習英英辞典の場合はCD-ROMなどによってすべての例文まで音声化されているものもあります(ロングマン英英辞典)。まだだれも指摘していないことですが、この音声化された莫大な数の例文を逐一聞くようにすれば、自分のリスニング・コンプリヘンションの弱点がくっきりと浮かび上がります。人名が聞き取りにくいとか They'd p.p. の 'dの部分がまるで認識できないとか、各自のリスニング・コンプリヘンションの盲点をはっきり把握することができます。

さて、大多数の人が語彙強化に際して利用するのが ① です。しかも、それはいかにも貧相な森であることに気付いていません。 ① の上級までやれば卒業のような錯覚をしていてそれが錯覚であることにまるで気付いていない。

そんな錯覚の根本には、「英語力=(音声・文法・構文のマスターを前提にした)語彙力」という事実(だと思わない人は「塔」を無視されたし)を認めたがらない社会通念が強固にある。

しかし、その事実をいやというほど感じている人もいる。たとえば「5万語をマスターしなければ英語でビジネスを遂行することは不可能だ。そこまでする覚悟がないなら英語の学習などやめたほうがいい。ほかにするべきことがいっぱいある」とまで断言(極論?)するドリームインキュベータ・社長・堀紘一氏はそのひとりである。

もとより、だれもが5万語を習得できるわけではないしその必要もない。ただ、錯覚はあくまで錯覚であることを、やせた森が真の森では決してないことを、しっかり意識していることが肝要だと思う。

そうすれば、英語学習の有効で現実的な目標も手段も見えやすくなると思います。 ちなみに、私は、英語で十全に読書を楽しめるようになることをまず目標にしました。

続く...

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