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コメントにお答えする(14/2006)

ポッポ さんへ。

ちゃんと読んでいただいているのに検索などできなくて不便をおかけし恐縮です。ありがとうございます。

> リンカーンの演説は(19)までで(20)以上はないのでしょうか?

はい、(19)で当座は終了しています。

> 英語の専門家で、マーク・ピーターセン氏のリンカーンの演説についての見解は誤りであり、他にもピーターセン氏には誤りがあると指摘している方がいらっしゃいます。http://6617.teacup.com/m_kubota/bbs

その英語の専門家の方は govern は他動詞だと思い込んでいて 自動詞の用法もあることをご存じないのでしょう。私が「リンカーンの演説(4)」で指摘した薬袋善郎氏の場合と同じ間違いをしながらご本人は気付いておられない。参考のため、「リンカーンの演説(4)」を下記にコピー(1部省略)しておきます。

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リンカーンの演説(4)

薬袋善郎氏はなぜ、『「動詞派生名詞 of ~ by ...」というパターンで、of ~が「意味上の目的語」を示し、by ~が「意味上の主語」を示す』という間違った結論を出してしまったのか?

理由はふたつあります。

1 「動詞派生名詞 of ~ by ...」というパターンの動詞 ( リンカーンの演説の場合は govern )は「他動詞」ではなく「自動詞」であることに気づいていなかったこと

2 この演説の歴史的意味をまったく考慮しなかったこと

2 についてはあとで言及しますから、当面は1 についてのみ検討します。

薬袋善郎氏は、おそらく、「govern は他動詞である」と無意識に決め付けていたのだと思われます。他動詞の名詞構文であれば当然薬袋善郎氏の構文解釈が正しくなります。

たとえば:

「employment of young people は「若者を雇用すること」という意味になります。employ は 他動詞だからです。

ところが:

the arrival of the President は「大統領の到着」=「大統領が到着すること」という意味になります。

注意しなければいけないのは、同じ動詞が他動詞になったり自動詞になったりする場合です。

実は govern は他動詞になったり自動詞になったりします。薬袋善郎氏はひょっとしたらそれを知らなかったのかもしれません。

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薬袋善郎氏は the government of Bush, by Bush and for Bush とか the government by King とか the government by God とか実際に使われている表現をどういう風に解釈するつもりなのでしょう? たとえば the government of Bush を 「ブッシュを支配すること」 などと解釈できるはずがない。

> ネイティブスピーカーだとしても間違うものだ、と言われてしまうと迷ってしまいます。実例まであげられていますし(私にはどこが間違っているのか分かりません)。

たぶんポッポさんがご指摘の一節 ( http://6617.teacup.com/m_kubota/bbs より ) ― 「MP氏は別の著書 『心にとどく英語』(岩波書店)の 50 ページで、Yesterday, I met a beagle with amazingly expressive eyes.という文の英文解釈を誤っています」 ― ですが、私の手元にある 『心にとどく英語』(岩波書店)の 50 ページにはそんな文章はありません。

しかし、たいへん興味がありますので、どこが間違っていると件の管理人さんがおっしゃっているのかお手数ですが教えていただければうれしいです。

ちなみに、言語能力は、外国語の理解力も含めて、肩書きやいわゆる専門家であるか否かなどとはまったく関係なしに実際の能力に限って判断する必要があります。また、どんなに優れた人でも間違うのが世の常です。ましてや私など間違う可能性おおいにありです。ただし、「リンカーンの演説 the government of ・・・」に関しては、私は間違っていないと確信しています。

> それから私はこのホームページを参考にJACET8000で暗記しています。忘れるのが怖くてゆっくりとですが半分強まできました。

忘れるのは確かにいやだし怖いです。しかし、猛烈に忘れることはどうしようもない事実です。それでも、忘れても忘れても、復習していけば徐々に忘れにくくなります。5000語~1万語単位の語彙を確実に蓄積していくために必要なことは、あてにならない自分の記憶力などあてにすることではなく、絶えざる復習こそあてにするべきだと ― 他の人のことは知りませんが「私は」 ― 思っています。英語は私たちの日常言語ではなく毎日10時間内外も接しているつまり無意識に復習している日本語とはまったく違います。だから、どうしても「意識的な復習」が欠かせません。

> 単語だけではなく構文、文法にも具体的書名を挙げて、初歩から管理人様のような達人になる道標をしめしていただけるエントリーを期待しております。

語彙強化以外の英語学習に関しては他にいくらでも実証済みの学習法が提示されていますから、私は語彙強化というテーマに絞ってブログを書いています。しかし、構文や文法の学習も大好きです! ごいっしょに勉強できる機会があるかもしれません。その節はよろしくおねがいします。

他方、達人といえるようなレヴェルには程遠いのが現状です。ただ、日本語も英語もおおいに興味のあることですから、生涯学習を続けることになると思います。自分なりに上達していることは確かです。

それでは、また。

ポッポ さんもどうぞよいお年を!

Thank you.

k.y.

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コメントにお答えする(13/2006)

kwansai さんへ。

今できる範囲でお答えします。

> 公立中学で学習する英語の語彙数がゆとり教育に由来する問題であるという証拠はありますか?

あからさまなゆとり教育実施以前から、語彙水準は低下の一途をたどっています。

下記を参考にしてください ( http://www.hit-press.jp/backnumber/1088/1088no08.html より )。

中学・高校で学習する語彙数の変遷

文部省指導要領 昭和26年版   35年版   45年版   53年版   平成5年版   11年版
中学        1200-2300    1100-1300 900-1100  900-1050  1000      900
高校        2100-4500    3600     2400-3600 1400-1900 1400      1300
合計        3300-6800    4700-4900 3300-4700 2300-2950 2400      2200

> 日本国は、日本語を公用語とする国です。英語の教育水準で所得格差を論じるのは不適当です。

日本の中高の英語教育水準はその他の学科の水準と併行して低下しています。それを端的に示しているのが英語だけに限らない全般的な語彙水準の低下です。アメリカでは、個々の例は別にして統計上、語彙水準の違いが所得に有意味の違いを生じていることが明らかになっています。日本にそんな統計があるのかどうか存じませんが、個々の例ではなく一般論として、語彙水準の高い人の方が低い人より高い所得を得ている事実は否めないと思います。

> 中学教育時の英語の教育レベル(国が定めた最低教育水準)は今も昔もそれほど差はありません。

先に示しましたように語彙水準が相当程度低下し、会話を重視するようになった結果として構文の理解もかなり低下しています。そのような教育を受けてきた英語教員の英語力も、当然のごとく、低下しています。

> むしろ、公立校でも教育特区という制度を利用し、英語教育に力を入れ始めた学校があるほどです。

これは、上記の水準低下も認識した上での措置だと理解しています。

> 一部の私立進学校の教育レベルが高いのは、ゆとり教育以前からであって、これは諸外国同様、単純に上流階級向けの教育施設であるためです。

近年、特にゆとり教育が原因で、公立校の生徒と1部の私立校の生徒の学力差がひどくなってきました。かつては優秀な公立高校の生徒が私立高校の生徒を学力面で圧倒していた時期もありました。最近いくつかの公立高校で復活ののろしが上がっているのはたいへん楽しみなことだと思っています。

コメントほんとうにありがとうございました。

今後ともよろしくおねがいします。

どうぞよいお年をお迎えください。

Thank you.

k.y.

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語彙強化に関する世間の議論(6)その1

語彙強化教材や語彙強化論に欠けていることは、 ① 必要語彙(5万語超)の認識  ② 必要語彙(5万語超)の実証済獲得法(「アンチ・バベルの塔」) ③ 必要語彙(5万語超)の維持方法 の3つです。

① についてはもう何度も述べてきましたのでこのブログをちゃんと読んでいただいたら納得される方も多いでしょう。

② ① 同様何度も書いてきたことですが、従来から提案されているどんな語彙強化法にも必要語彙(5万語超)を獲得する方法は皆無です。それどころか、1~2万語で充分であるというとんでもない誤解がまかり通っていたり、やさしいものをどんどん多読すれば自然に必要語彙が獲得できるというような神話が広く信じられていたりします。

また、中学程度の語彙でほとんどの用が足せるというまことに大衆受けのしやすい言説もあいかわらずありますがたとえば have という中学で習う動詞を 『Lomgman Dictionary of American English』 というそれこそ必須の語彙・語義・語法のみを収録したした辞書でひいてみると次のような記述になっています↓

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have /hæv/ verb

[transitive not in passive]

1 FEATURES/QUALITIES used when saying what someone or something looks like, or what qualities or features he, she, or it possesses: • Rudy has brown eyes and dark hair. • The stereo doesn't have a tape deck. • Japan has a population of over 120 million.

2 OWN OR USE to own something, or be able to use something: • Kurt had a nice bike, but it got stolen. • The school doesn't have room for any more students. • We don't have enough money for a washing machine. • Dad, can I have the car tonight?

3 have got used instead of “have” to mean “possess”: • I've got four tickets to the opera.

4 EAT/DRINK to eat, drink, or smoke something: • Do you want to come have a beer with us? • We're having steak for dinner tonight. • What time do you usually have lunch/breakfast/dinner?

5 EXPERIENCE/DO to experience or do something: • I have a meeting in 15 minutes. • The kids will have fun at the circus. • Her secretary had trouble/problems with the copy machine.

6 RECEIVE to receive something: • Jenny! You have a phone call! • I'm sure he had help from his father on his homework.

7 IN A POSITION/STATE to put or keep something in a particular position or state: • He had his eyes closed. • Why do you always have the TV on so loud?

8 may I have/can I have/I'll have spoken said when you are asking for something: • I'll have two hot dogs to go, please. • Could I have that pencil, please?

9 SELL/MAKE AVAILABLE to sell something, or make it available for people to use: • Do they have lawn mowers at Sears? • The other pool has a water slide.

10 FAMILY/FRIENDS ETC to know or be related to someone: • She has six brothers. • Chris has a friend who lives in Malta.

11 AMOUNT OF TIME also have got to be allowed a particular amount of time to do something: • You have 30 minutes to finish the test.

12 have time if you have time to do something, there is nothing else that you must do at that particular time: • Do you have time to come and have a cup of coffee with us?

13 BE SICK/INJURED to become sick with a particular illness, or be injured in a particular way: • Sheila had the flu for a week. • He has a broken leg.

14 CARRY WITH YOU to be carrying something with you: • Do you have your knife? • How much money do you have on you?

15 IDEA/THOUGHT to think of something, or realize something: • Listen, I have an idea.

16 have something ready/done etc. to make something ready, or finish something: • They promised to have it done by Friday.

17 GIVE BIRTH to give birth: • Sasha had twins!

18 have your hair cut/have your house painted etc. to employ someone to cut your hair, paint your house, etc.

19 GUESTS to be with someone, or be visited by someone: • Sorry, I didn't realize you had guests. • Barry had an Australian guy with him.

20 have an influence/effect etc. to influence someone or something, or cause a particular effect: • Hungarian folk songs had a great influence on Bartok's music.

21 have nothing against used in order to say that you do not dislike someone or something: • I have nothing against hard work, but 80 hours a week is too much.

中学で学習するのはこのうちの1部に過ぎません。こんなことにはっきり気付いていない人も多いと思います。

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また、いくらでも語彙を獲得できそうな方法も提案されていますがすべてただのアイデアに過ぎずまったく実証されていないことも再三述べてきた通りです。

③ については、詳述は今回が初めてです。

従来からある、たとえば暗記ソフトなども含めて、暗記語彙の維持方法には暗黙の了解があります。それは、「有限回復習して暗記を徹底させておけばもう忘れることはないという了解」です。

しかし、この了解は明らかに事実ではありません。

永久に復習しないと、徹底して暗記したものでも忘れてしまうことがある」というのが事実です。

それなりの日本人であれば、5万語前後の日本語の語彙数を維持して生涯忘れることはほとんどないし、積極的に情報収集や読書をする人であれば生涯にわたって語彙がさらに増えていきます。毎日10時間前後日本語で生活しているという状況があります。

ところが、英語の場合はどうでしょう?

いったいどれくらいの時間を英語に接しているのか? 日本語に接している時間に比較したら微々たるものでしょう。 だから、どんどん忘れていきます。 SSS多読法などでなんとか(それもたいへん限られた語義・語法で)維持できる語彙はせいぜい5000語前後でしょう。

だから、半永久的な復習が必要になるわけです。毎日30分~1時間ぐらいの復習です。そうしなければ「アンチ・バベルの塔」が「単なるバベルの塔」になってしまいます。

続く....

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チャールズ・ディケンズの語彙(14)

その大網膜は勝ち取られた、私は思い出せる、by ある老婦人 with a手さげ-かご、 who 非常にいやいや、取り出した form it the規定された 5シリングs、 all in 半ペンス、 and 2ペンス半ペニー不足で ― as it かかった an莫大な時間 and aたいへんな浪費 of 算数、 to 努力する to ~なしに any効果  to 証明する to her

The caul was won, I recollect, by an old lady with a hand-basket, who, very reluctantly, produced from it the stipulated five shillings, all in halfpence, and two pence halfpenny short - as it took an immense time and a great waste of arithmetic, to endeavor without any effect to prove to her.

私の大網膜は手さげかごを持った老婆が当て、そのかごから約束の5シリングを実にしぶしぶそれも全部半ペニーで出してきて、とどのつまり2ペンス半足りなかった ― こんなこと思い出すのは、うんざりするほど時間をかけて勘定してみせたのに納得してもらえなかったからだ。

recollect - to be able to remember something ( LDOCE )

stipulate - if an agreement, law, or rule stipulates something, it must be done [= state] ( LDOCE )

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「アンチ・バベルの塔」の前提

「塔」には3つの前提があります。

 「学習辞書」に不要な語彙はないことを認識していること。

英語で生活したりものを読んだりする上で必要な語彙ばかりだということです。語彙の専門家チームがコーパスを精査しながら編集した「学習辞書」は、統計的に(=客観的に)見て必要な語彙だけを収録した語彙集です。

そんな「学習辞書」を見て、「こんな語彙まで要るのか?」という人がいます。しかし、個人的に必要な語彙と統計・客観的に必要とされる語彙を混同してはいけません。

各人の要不要の判断はもちろん自由ですから、自分で要らない語彙だと思ったら無視すればいい。どんどん無視すればいい

ただし、各人の要不要を統計・客観的な要不要の基準にすることはできない

② 「学習辞書」 に収録されている語彙以外に覚える必要はない(専門・業界・趣味用語及び新語などは別)ことを認識していること。

また、「学習辞書」の語彙をマスターしておけば、専門・業界・趣味用語及び新語などについても各人の必要に応じて対応が可能になります。日本人が日本語の専門・業界・趣味用語及び新語などに対応できるのと同じです。

③ ① と ② より、語彙強化の極意は、「必要語彙のなかから自分の知らない語彙を選択・確定して覚えること=「学習辞書」から未知語を選択・確定して覚えることであることを認識していること。

必要語彙から未知語彙を選択・確定してから覚えることが語彙強化の極意」であることは当たり前のように思えますが、今までだれもそれを明確に述べた人はいません。コーパスが確立するまで ① ② の認識が不可能だったからです。目標とすべき必要語彙を客観的に把握するためのコーパスがなかったからです。

なお、①に関してどうしても納得のいかない人は「中級学習辞書」をお勧めします。「中級学習辞書」の語彙レヴェルはネイティヴ・スピーカーの中・高生の語彙レヴェルです。 だから、だれであろうと 「中級学習辞書」 に不要な語彙が存在すると感じる人はいないでしょう。それだけの語彙があれば、大人の読書を楽しむことなどは明らかに不可能ですが、通常の日常生活にほとんど支障はありません。日本でも中学校(事実上は高校)まで義務教育になっている主な理由のひとつです。

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コメントにお答えする(12/2006)

miwako さんへ

ていねいに読んでいただき感謝しています。

> 感想(その1)
「日本人の語彙の不足は歴然である.未知語の数が多くなればなるほど文理解の困難度は加速度的に大きくなる」という言葉は、石川慎一郎氏の言葉ではなく、高梨庸雄・高橋正夫(1987) 『英語リーディング指導の基礎』(研究社出版)の中の言葉ではないでしょうか。石川慎一郎氏の紀要にはそう書いてありますが。

私はそう書いたつもりはまったくないのですが、引用の省略の仕方がまずかったようです。ご指摘ありがとうございます。

> 感想(その2)
左の欄の「アンチバベル選書」で紹介されている『POWER WORDS』(アルク)は品切れで、現在は『究極の英単語』というシリーズが出ています。まだ第1巻(2006年5月発行・初級の3000語)と第2巻(2006年12月発行・中級の3000語)しか出ていませんが。

すみません。資料が古いですね。しかし、『POWER WORDS』 自体はコンパクトにデザインされた語彙集で特に資格試験の語彙問題には即効性があります。私は自分の息子が英検1級(合格済)を受けたときに勧めました。

> 質問(その1)
「Cの段階で利用する辞書・ページ数は、1663ページ」と
「Dの段階で利用する辞書・ページ数は1514ページ」は、どこに掲載されているのですか?

申し訳ないです。まだ書いてないのです。ただ、「Cの段階で利用する辞書・ページ数は、1663ページ」は 『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』 のことで、「Dの段階で利用する辞書・ページ数は1514ページ」は 『Cambridge Advanced Learner's Dictionary 』 ( 上級学習英英辞典) です。

『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』 についてはあちこちに書いてありますので、このブログを「ニューヴィクトリーアンカー」で検索してみてください。

Cambridge Advanced Learner's Dictionary 』 は「アンチ・バベルの塔」で私が覚えた辞書です。「塔」 の真柱(しんばしら)です。

まずCを目標にするのが妥当でしょう。ネイティヴ・スピーカーの中・高生レヴェルの語彙 (最低限必要な語彙 ) は達成できます。Dはそれを完成したあとの目標になります。

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なお、「現実的な語彙強化(12)」 の記事で 『ニューヴィクトリーアンカー』 に関して次のように書きました。参考にしてください↓

既に7000~1万語程度の語彙力がある人で、しかし辞書暗記と聞いたら引いてしまう人を、ひょっとしたら説得できそうな辞書を1冊あげるとすれば 『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』 でしょう。

活字が大きくてレイアウトもゆったりしているので、辞書の割には、親しみを感じる人が多いはず。威圧感はあまりない。

まず、適当にあちらこちら読んで見ます。

それで、別にいやだなあと思わなかったら脈ありですよ。

ちょっと「アンチ・バベルの塔」をはじめてみたらいいです。

京大カードを買ってきて転写してみる。

毎日やるつもり(実際はなかなかできることではありませんから最初はやったりやらなかたりでよろしい)で、何とか50枚ぐらい作成してみる。

覚えなくてもいいですよ。いや、覚えるにこしたことはないが、未知語の選択・転写と暗記を同時にやろうとすると慣れてない人にはとんでもなく大きなプレッシャーになる。

ページ数がきまっていますから、終了予定日はいつでも再計算できます。とりあえず、全ページ1695ページの未知語を転写し終える。

これだけでも大変貴重な財産の取得になります。

これだけ覚えたら、少なくとも認識語彙に関する限り、標準的なネイティヴの語彙力とあまりかわらなくなるというはっきりした目安の完成です。しかもあなただけの目安ですから、むだがまったくない。

あとは、じっくり覚えてゆけばよい。英語漬けの生活をしているネイティヴ・スピーカーでも10数年かけて獲得する語彙なのですから、あせってやる必要はまったくない。

1~2年でマスターできれば理想ですが、それを狙うと挫折の危険が大きくなる。

自分のペースを見つけてそれに従うことがコツです。

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私が取り上げた辞書はあくまで参考例です。人それぞれに好みがありますから、書店でいろいろな辞書にあたってみてください。

そして、まず読んでみることから始めるのがいいと思います。その際は、あちこち拾い読みでもいいでしょう。辞書アレルギー(もしあればですが)を取り除くことが先決です。

私事ですが、今日、 『ジーニアス英和辞典 G4』 と 『Collins Cobuild Advanced Dictionary of American English』 と 『三省堂類語新辞典』 を買いました。新たな友達です!

『ジーニアス英和辞典』 はG1~今回のG4まで4冊持っていますが、それぞれの「まえがき」を読むと、G1(1988年)とG2(1994年)には「コーパス」という表現はですが、G3(2001年)では2回、G4(2006年)では何と8回も登場します。コーパスがなければ「アンチ・バベルの塔」もなかったから、コーパス万歳です。 そして、G1から編集を率いてこられた小西友七先生が今年の9月に亡くなられたそうです。さらに表紙のデザインが際立ってクールになった。時代は変わる! 

> 質問(その2)
『アンチ・バベルの塔』を創刊号から読みたいのですが、どこが先頭ですか。2004年8月10日号(「アンチ・バベルの塔の建設法」)まで、さかのぼったのですが、その先があるような気がします。

いえ、それが最初です。気の向くままに書き綴っているとこうなってしまいました。体系的にまとめたいとは思いながら一向にはかどりません。申し訳ないです

Thank you.

k.y.

追記:『英語は楽しく使うもの インターネットが可能にした最新英語学習法(朝日出版社)』 は役に立ちますよ。語彙習得法は「塔」が最高だと自負していますが、他の分野ではインターネットの利用を (既に駆使している人も多いですが) もっと促進すべきでしょう。ほんとうにいい時代になりましたね。

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英語の語彙数・続

静岡県立大学短期大学部 研究紀要 研究社『英和中辞典』第3-6 版にみる重要語指定の変遷
石川慎一郎著 ( http://bambi.u-shizuoka-ken.ac.jp/~kiyou4228021/14_3/14_3_5.pdf ) には、日本の英語教育で重要語とされる語彙について、次のような記述があります。

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・・・平均的日本人学生の認識語彙の上限に当たる7191 語では,英米の私用手紙文の48%,科学論文要綱の26%しかカバーできないという調査結果もある.「日本人の語彙の不足は歴然である.未知語の数が多くなればなるほど文理解の困難度は加速度的に大きくなる

・・・明確な指針が存在しない語彙学習の中身を決定する上で,学習英和辞書の責任はきわめて重い・・・

(省略・太字はk.y.)

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ところで、7~8000語といえば普通の日本人の英語語彙の最高レヴェル。

また、今後の英語教員として要求される標準レヴェルでもあり、英検の準1級程度 (しかも、 ほとんどの英語の先生がこのレヴェルには未達)。

しかし、上記引用にもある通り、この語彙レヴェルでは実用面でまことに心もとない

また、何度も言いますが、90%の既知語彙率では、英語の大人向け活字媒体はまったく読めません。 数字の大きさと実際の威力ははっきり区別すべきです。

私は、英語の教育に当たる人たちなら、英語や英語語彙の教授法を研究・議論する前にあるいはそれと平行して、自らの英語語彙をせめて1.5万語程度にまで高める努力をしたほうが英語を教える上でもずっと有益だと思います。

すばらしい先生方もおられることはよく存じていますが、先生全般のレヴェルアップがあれば生徒全般もレヴェルアップするはずです。すばらしい先生なら生徒も憧れをもってがんばりますよ。

他方、上記引用にもありますように、学習英和辞典に語彙学習の指針たるポジションを与えることは「塔主」としてすばらしいアイデアだと思います。

ところで、生涯の主たる情熱を日本語・日本文学に注いできたドナルド・キーンさん・84歳は、「日本での生活に一つ不満があるとすれば、それは私の本を読んだことがある人も含めて多くの日本人が、私が日本語が読めるはずがないと思っていることである・・・」と語っておられます(『私と20世紀のクロニクル(読売新聞2006年12月16日)』より)。

巨匠ドナルド・キーンさんが他の機会にもたびたび言及する日本人のこの種のとんでもない誤解も、もしかすると、日本人が英語を読みこなすことの困難さの裏返しかもしれません。

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語彙強化に関する世間の議論(5)その2

市販の 「① 単・熟語帳」の欠点を探ってみましょう。

その際に「② 学習(英和・英英)辞書」と比較しながら検討します。

まず最初にことわっておきますが、② が万能などとは決して考えていません。 ② は、① あるいはその他の語彙教科ツールに比較してはるかに優れている、by far the best coice だということです。

さて、① と ② を森にたとえるならば、① は枝も葉もまばらな弱弱しい貧相な樹がポツンポツンと生えているまばらな森であり、②は見事な枝葉を備えた力強い樹が繁茂する豊かな森と言えるでしょう。

つまり、①は語彙数も各語彙の語義説明も例文もいろいろな説明もすべて極めて不十分であり、それに比較して②は語彙数も語義説明も例文もはるかに充実しています。

また、① は上級のものでも1万数千語の語彙しか掲載していないのに対し、② の上級ヴァージョンはそれなりのネイティヴ・スピーカーの語彙を充分カヴァー(専門・業界用語などは除く)しています。さらに、学習英英辞典の場合はCD-ROMなどによってすべての例文まで音声化されているものもあります(ロングマン英英辞典)。まだだれも指摘していないことですが、この音声化された莫大な数の例文を逐一聞くようにすれば、自分のリスニング・コンプリヘンションの弱点がくっきりと浮かび上がります。人名が聞き取りにくいとか They'd p.p. の 'dの部分がまるで認識できないとか、各自のリスニング・コンプリヘンションの盲点をはっきり把握することができます。

さて、大多数の人が語彙強化に際して利用するのが ① です。しかも、それはいかにも貧相な森であることに気付いていません。 ① の上級までやれば卒業のような錯覚をしていてそれが錯覚であることにまるで気付いていない。

そんな錯覚の根本には、「英語力=(音声・文法・構文のマスターを前提にした)語彙力」という事実(だと思わない人は「塔」を無視されたし)を認めたがらない社会通念が強固にある。

しかし、その事実をいやというほど感じている人もいる。たとえば「5万語をマスターしなければ英語でビジネスを遂行することは不可能だ。そこまでする覚悟がないなら英語の学習などやめたほうがいい。ほかにするべきことがいっぱいある」とまで断言(極論?)するドリームインキュベータ・社長・堀紘一氏はそのひとりである。

もとより、だれもが5万語を習得できるわけではないしその必要もない。ただ、錯覚はあくまで錯覚であることを、やせた森が真の森では決してないことを、しっかり意識していることが肝要だと思う。

そうすれば、英語学習の有効で現実的な目標も手段も見えやすくなると思います。 ちなみに、私は、英語で十全に読書を楽しめるようになることをまず目標にしました。

続く...

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チャールズ・ディケンズの語彙(13)

私は居合わせた 私自身、 and 私は覚えている to have 感じた ずいぶん不快に and 当惑した、 at a部分 of 私自身 being 売り払われる そん風に。

I was present myself, and I remembered to have felt quite uncomfortable and confused, at a part of myself being disposed of in that way.

私自身そこに居たから忘れないが、自分の体の1部がそんな風に処分されるのはどうにも居心地が悪くて落ち着かなかった。

dispose of something ( LDOCE )

1 to get rid of something, especially something that is difficult to get rid of:

an incinerator built to dispose of toxic waste

2 to sell something, especially part of a business:

I am still not sure how best to dispose of the shares.

3 formal to deal with something such as a problem or question successfully:

Your idea at least disposes of the immediate problem.

4 to defeat an opponent:

Two goals by Raul disposed of Barcelona.

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私は remember to have p.p. という形がおもしろかった。 というのは、学校では remember to 原型 と remember ~ing の意味の違いは盛んに教えるけれども、remember ~ing = remember to have p.p. であることはあまり教えないからだ。

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語彙強化に関する世間の議論(5)その1

単語や熟語などを覚えようと決意すると世間の人たちがまず思いつくのが市販の単・熟語帳です。

進学校であれば、中学生の時から「ターゲット○○」といような単・熟語帳を渡されて、先生に覚えなさい!と命令されます。

毎週小テストがあって記憶をチェックされます。たいていの生徒は、「いやだ、覚えられない、ムチャだ!」とか文句をブツブツ言いながら、それでも少しずつ語彙を蓄積していきます。

中学3年生ともなれば「いわゆる長文」を読ませる授業もあってそこでも語彙を覚えなければならない。

高校生になると、入試をパスしなければ入学できない大学を目指す生徒は、さらにレヴェルアップしたな「ターゲット○○」といような単・熟語帳に取り組む。もちろん、「いわゆる長文」を通じて覚える語彙もレヴェルアップします。

かくして、1000語~6000語ぐらいの幅で個人差は相当あるものの、各自の英語の語彙が完成する運びとなる。

この受験勉強で覚える1000語~6000語の語彙は、みなさんご存知のように、だいぶ生硬な語彙が多くて、日常会話でしょっちゅう使われるチャンク表現や yummy などネイティヴ・スピーカーなら幼児でも知っている語彙がすっぽり抜け落ちていたりする(ただし、受験英語をけなしているのでは断じてありません。音声面・実用面で多々問題があるとはいえ、数百~1千時間という限られた授業時間であれだけの成果があればなかなかのものですぞ!みんな文句ばっかり言うが自分でそこまでできる人は少ないでしょう)。

さて、先に「各自の英語の語彙が完成する」と書いたように、普通の人の英語の語彙はここでストップする。ストップするどころか、大学を出るころには「ターゲット○○」の語彙も大部分忘却のかなたに去っていることも珍しくない。

英語など必要でない人たちも多いからだ。また、英語資料が必要な場合でも、たとえばメカニックで図面を見ただけで英語文献の要諦をズバリ把握できるような人なら語彙不足などさほど問題ではない。

他方、大学を出て自主的にあるいはやむなく英語の勉強を再開する人もおられる。その場合、語彙強化も避けて通れない課題になる。

そんな人たちがまず思いつくのが、またしても、「市販の単・熟語帳」です。

実にさまざまな「市販の単・熟語帳」が出版されている。そのデザインたるや驚くほどバラエティーに富んでいる。それぞれに工夫がこらされていて、それなりに便利なものも多い。

ただし、欠点も多い。

そこで大問題なのは、たいていの人がその欠点を自覚していないし、「語彙強化ツールとしての学習辞典の素晴らしさ」に目を向ける人も皆無に近い。

このことについては以前から何度か触れてきましたが、もう1度整理しながら述べてみたいと思います ― 幸いにして「塔」を訪ねてくださる人たちがかなりの数になり、その人たちの声もフィードバックして考えてみたいという気持ちになったからです。

整理するとはいいながら、毎日書くわけではないし、内容は重複するし、気が向くままにあちこち話題が飛ぶことも例のごとくになるでしょうが、なにぶんよろしくご寛恕ください。

何かコメントがありましたら気軽にお寄せください。

続く...

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チャールズ・ディケンズの語彙(12) 原書1ページ分のまとめ

興味のある方は気楽に語彙復習をしてみてください。

Chapter 1

I am Born 私が生まれる

① 語彙復習:

~かどうか I shall 結局~だとわかる to be theヒーロー of 私自身の人生、or ~かどうか that身分 will be 保持される by anybody else、これらのページが示すに違いない。 To 始める 私の人生 with the 始まり of 私の人生、私は記録する that 私は生まれた ( as 私は告げられた and 信じる ) ある金曜日に、12時に 夜に。それは言われた that the時計が打ち始めた、 and 私が泣き始めた、同時に。

 ~を考慮して その日と時間 of 私の誕生、 それは宣言された by the子守女 and by some 賢明な婦人s 近所の who 取った(過去完了) a生き生きした興味 in me 数ヶ月 before 在った any 可能性 of our 成ること 個人的に知り合いに、まず、that 私は運命付けられている to be 不幸な in 人生; and 第2に、that 私は特権を与えられている to 見る お化けs and 幽霊s; 両方のこれらの天資sは必然的に付随している、 as 彼らが信じた、to すべての不幸な幼児s of いずれの性別、生まれた 向けて 深夜 on a金曜日の夜。

 私は言う必要がある 無 ここで on 最初の点、brcause 無 can 示す より良く than 私の履歴 ~かどうか that予想 was 実証される or 誤りを立証される by the結果。 On 2番目の部門 of the疑問、私は唯一述べることにする that ~でなければ 私がすぐに使い尽くす that部分 of 私の天質 ~の間に 私がまだ赤ちゃんであった、私はまだそれを受け継いではいない。 But、I do not at all 文句を言う of having been 締め出されて of この資質; and if だれでも他の人 should be in the現在の楽しみ of it、彼を心から歓迎する to 保持する it。

 私は生まれた with a大網膜、which was 広告された for 販売、in the新聞s、 at the定価 of 15ギニー。 ~かどうか 航海を業とする人々 ~に不足していた お金 だいたいその当時、 or ~に不足していた 信心 and むしろ~を好んだ コルクジャケット(=水中救命胴着)、私は知らない; すべて←私が知っている is、 that there was ただひとつの単一の入札、 and that was from an事務弁護士 コネがある with the手形仲買業、 who オファーした 2ポンド 現金で、 and the差額 in シェリー酒、 but 断った to be ~しないことを保証される 溺死(ing) on any より高い取引。 結局その広告は取り下げられた 丸損で - というのは シェリー酒に関して、 私の不運な母さん自身のシェリー酒 was 売りに出されて その時 - and 10年後に その大網膜はかけられた in a福引くじ in こちらの 私たちの部分 of the田舎、to 50のメンバーs at 半クラウン ひとり頭、 the勝者 to 費やす5シリング。

② 原文:

Whether I shall turn out to be the hero of my own life, or whether that position will be held by anybody else, these pages must show. To begin my life with the beginning of my life, I record that I was born ( as I have been informed and believe ) on a Friday, at twelve oclock at night. It was remarked that the clock began to strike, and I began to cry, simultaneously.

 In consideration of the day and hour of my birth, it was declared by the nurse and by some sage women in the neighborhood who had taken a lively interest in me several months before there was any possibility of our becoming personally acquaintence, first, that I was destined to be unlucky in life; and secondly, that I was privileged to see ghosts and spirits; both these gifts inevitably attaching, as they believed, to all unlucky infants of either gender, born towards the small hours on a Friday night.

 I need say nothing here on the first head, because nothing can show better than my history whether that prediction was verified or falsified by the result.On the second branch of the question, I will only remark that unless I ran through that part of my inheritance while I was still a baby, I have not come into it yet. But, I do not at all complain of having been kept out of this property; and if anybody else should be in the present enjoyment of it, he is heartily welcome to keep it.

  I was born with a caul, which was advertised for sale, in the newspapers, at the low price of fifteen guineas. Whether sea-going people were short of money about that time, or were short of faith and preferred cork jacket, I don't know; all I know is, that there was but one solitary bidding, and that was from an attorney connected with the bill-broking business, who offered two pounds in cash, and the balance in sherry, but declined to be guaranteed from drowning on any higher bargain. Consequently the advertisement with withdrawn at a dead loss - for as to sherry, my poor dear mother's own sherry was in the market then - and ten years afterwards the caul was put up in a raffle down in our part of the country, to fifty members at half-a-crown a head, the winner to spend five shillings.


③ 塔主の翻訳:

私が自分の人生の主人公になるのか、あるいはその主人公の座に誰か他の人がすわるのか、それはあとのページのお楽しみ。私の伝記を出生から始めるとして、私は(人に言われてきたことをそのまま信じて)ある金曜日の夜中の12時に生まれたと書いておく。時計が12時を打ち始めると、私も産声を上げ始めた、同時だった、と聞かされている。

 子守女や近所の知恵に長けたおばさんたちは、じかに顔見知りになれる数ヶ月も前から私に興味津々で、 ― あの子は、生まれた日や時間からして、 まずもって不幸な運命にあるとか、さらにはお化けや幽霊が見える天与の質だとか ― 言い放った。こうした2つの資質は金曜日の深夜に生まれた不幸な子どもたちにとっては男女の別なく宿命なのだと、みんなは信じていた。

 ひとつ目に関しては何も言う必要はない。予言が当たるか否かはこの伝記を読めばよくわかるからだ。ふたつ目の疑問については、私は ― その資質を、ほんの赤子の時分に早々と使い尽くしていなかったとしたら、まだ受け継いではいない ― とだけ述べておくことにする。しかし、その資質から締め出されていることについて不平などさらさらない。 また、他の誰かがそれを享受されているなら、どうぞそのままお使いくださいと言いたい。

 私は大網膜を頭に被(かぶ)って生まれてきて、その大網膜が、15ギニーという安価で、新聞の「売ります欄」に掲載された。船乗りがそのころ手元不如意だったのか、あるいは大網膜信心を欠いていて救命胴着の方を好んだのか、私には分からない。ただ分かっているのは、 たった1件だけ手形仲買人の代理人から引き合いがあって、それは ― 20ポンドは現金で差額はシェリー酒で支払いましょう、しかし、びた一文たりとも余計に払はなければならないなら溺死除けを買うつもりはありません ― という内容だったということ。 結局、広告は丸々損をして取り下げられた ― それというのも、シェリー酒のことだが、あいにく私の母さんも自分のシェリー酒を同じころに売りに出していたからだ。私の大網膜は、その後10年もたってから私の田舎の在所で福引にかけられ、50人がそれぞれ半クラウンずつ出資して、当たりくじを引いた人が5シリング払って手に入れるということになった。


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チャールズ・ディケンズの語彙(11)

結局その広告は取り下げられた 丸損で - というのは シェリー酒に関して、 私の不運な母さん自身のシェリー酒 was 売りに出されて その時 - and 10年後に その大網膜はかけられた in a福引くじ in こちらの私たちの部分 of the田舎、to 50のメンバーs at 半クラウン ひとり頭、 the勝者 to 費やす5シリング

Consequently the advertisement with withdrawn at a dead loss - for as to sherry, my poor dear mother's own sherry was in the market then - and ten years afterwards the caul was put up in a raffle down in our part of the country, to fifty members at half-a-crown a head, the winner to spend five shillings.

結局、広告は丸々損をして取り下げられた ― シェリー酒に関して、あいにく私の母さんのシェリー酒も同じ頃に売りに出だされていたからだ。大網膜は、その後10年もたってから私の田舎の在所で福引にかけられ、50人がそれぞれ半クラウンずつ出して、当たりくじを引いた人が5シリング払って手に入れることになった。

raffle - a competition or game in which people buy numbered tickets and can win prizes ( LDOCE )

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チャールズ・ディケンズの語彙(10)

~かどうか 航海を業とする人々 ~に不足していた お金 だいたいその当時、 or ~に不足していた 信心 and むしろ~を好んだ コルクジャケット(=水中救命胴着)、私は知らない; すべて←私が知っている is、 that there was ただひとつの単一の入札、 and that was from an事務弁護士 コネがある with the手形仲買業、 who オファーした 2ポンド 現金で、 and the差額 in シェリー酒、 but 断った to be ~しないことを保証される 溺死(ing) on any より高い取引

Whether sea-going people were short of money about that time, or were short of faith and preferred cork jacket, I don't know; all I know is, that there was but one solitary bidding, and that was from an attorney connected with the bill-broking business, who offered two pounds in cash, and the balance in sherry, but declined to be guaranteed from drowning on any higher bargain.

船乗りがそのころ手元不如意だったのか、大網膜信心を欠いていて救命胴着の方を好んだのか、私には分からない。分かっているのは ― たった1件だけ、手形仲買人がらみの事務弁護士から、20ポンドは現金で差額はシェリー酒で支払いましょう、しかし、びた一文たりとも余計に払って溺死除けを買うつもりはない旨の申し込みがあった ― ということに尽きる。

caul =大網膜水難(溺死)除けのお守りとして、古代ローマでは産婆が大網膜を売ったりしたが、ディケンズの時代でも新聞にその売り広告や買い広告がよく掲載され、けっこう高値で取引されていたようです。

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コメントにお答えする(11/2006)

biaslook さんへ

ていねいなコメントありがとうございます。

> さて、あたなの説で疑問に思うところ等をいつくか

疑問に思われるところが多々あることは承知しています。私も他の人たちの書いたものに対して疑問をいだくことがよくあります。このような議論は、定量分析になじむ科学的な議論ではないので、ある程度はやむを得ないことだとも感じています。

さらに、言葉の定義の問題もありますが、私は「説」ではなく「実際の体験とその結果」を主要なテーマとして書いています。ただし、読まれる方がどのように解釈されようとそれはもちろんご自由です。

> (1)テキスト90%をカバーする単語数は、日本語は1万語、インド・ヨーロッパ語族の多くは2000語。よって、日本の国語辞書の話を持ち出すのはナンセンス。

残念ですがおっしゃっていることがよく分かりません。ただ、私の体験上、既知語彙率90%では到底スラスラ読めません。また、まるでナンセンスか否かについてはみなさんの判断におまかせします。だいたいの感触をつかめるのではないかというつもりで書いた具体例ではあります。

> (2)秘書ではなくて、平均的ホワイトカラー事務職(経理・営業など)を一般的な例として提示すべき。秘書はボスの言葉を理解しなければならないので、概して単語数が多いと思われます。

これも厳密な議論のたたき台となる正確な資料はありません。

> (3)あなたがやっているのは、「いわゆる英語の学習」ではなく、百科全書派では? 2万語前後の英単語を覚えるのは重要でしょう。しかし、それ以上の丸暗記は、日本語の辞書丸暗記となんらかわらないと思います。また、それならば、ブリタニカ百科事典などを複数回通読するほうが意味があるのではないでしょうか。

私の体験からして、2万語程度ではブリタニカ百科事典を、日本語の百科辞典を通読するようには通読できません。私は実はブリタニカ百科事典のファンでして書架に在る全30巻の中から気の向くままに拾い読みすることがひとつの楽しみです。オンラインのブリタニカよりも好んで利用します。

> (4)アンチ・バベルの塔というタイトルですが、バベルの塔により神の怒りをかって言語が分かれたのは英語だけではないはず。百科全書ではなくて語学の習得を目標にするのなら、他の複数の言語(あなたが興味を示すラテン語など)を学んでこそ意味があると思います。人間の持っている時間は有限です。

残念ですが、おっしゃっていることがよく分かりません。

> (5)とはいえ、あなたのとった方法は、昔から辞書暗記をしていた極少数の人だけでなく、それを世間に知らしめて他の人に大きな影響を与えたのは事実。それは、すばらしいと思います。私はイタリア語の基本単語を覚える方法として、アレンジして使っています。

それはよかったです!

まことに恐縮なことではありますが、全部読んでいただいたら、ひょっとしたら、もっとよく理解してもらえるかもしれません。

なお、私の人生も決して長くありません。 お互いに貴重な時間でもありますし、勝手ながら、これ以上の議論は遠慮させていただきます。

なにぶんよろしくご了解ください。

イタリア語の学習が実り多いものになりますように!

Thank you.

追記:若かったころに、イタリア語・スペイン語・ロシア語はほんのちょっぴり、ドイツ語・フランス語は多少やったことがあります。しかし、少しでも使えるようになったのは英語だけです。今後は漢字をもっと勉強したいと思っています。

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英語の語彙数

英語のネイティヴ・スピーカーの語彙数は、だいたい、5~6万語 ( 学習英英辞典の見出し語方式に基づいた数字 )だと述べると、猛烈に反論する人がまだまだ少なくありません。

そんなに知ってるのか?」とか「知り合いのネイティヴは驚くほど語彙を知らないぞ!」などとおっしゃる方がいくらでもおられます。

しかし、何度も述べてきましたように、語彙数は個人差が極めて大きいですから、たまたま知り合いになったネイティヴ・スピーカーの語彙を基準にして判断するのは危険です。

これも前から述べていることですが、『小学館日本語新辞典』の見出し語数は6万3000語です。「英語のネイティヴ・スピーカーの語彙数は、だいたい、5~6万語」だという主張が信じられない方は、手元になければ書店で 『小学館日本語新辞典』 をパラパラめくって未知語彙をチェックしてみてください。ほとんど理解できる語彙ばかりだという方も多いはずです。

『小学館日本語新辞典』 の編集方針によると、「現代生活に必要な約6万3000語を、現代語を中心に収録した」由。だから、ほとんどが既知語であっても何ら不思議なことはなく、私たちの日本語の語彙数は、したがって、5~6万語と推定できます。

そんな私たちの日本語の語彙数から考えて、英語のネイティヴ・スピーカーの語彙数が同じようにだいたい5~6万語だと推定してもごく妥当な判断でしょう。

そして、一般の日本人を対象とする日本語の読み物は、当然のことながら、『小学館日本語新辞典』に収録されているような語彙レヴェルで記述されているわけです。

逆に、そんな読み物をスラスラと読める日本人の語彙数は、5~6万語だということになります。

同様に、普通の英語のネイティヴ・スピーカーを対象とした英語の読み物も5~6万語の語彙レヴェルで書かれていて、楽に読むためには5~6万語の英語の語彙数が必要なことは言うまでもありません。

他方、日本語であろうと英語であろうと語彙数が5~6万語に達しない人たちも珍しくありません。そんな場合は上記のような読み物は、当然、読めないしまた読もうともしない。これも、また厳然とした事実で否定の仕様がない。

つまり、5~6万語の語彙(決して多い語彙数ではない!)がないかぎり、スラスラ(=普通に)読めないことは厳然とした事実で、この事実を 「しっかり見据え逃げないことが語彙強化の大前提です。

なお、普通に(=スラスラ / 楽に)読めるということは、読んでいる途中で未知語に遭遇してもその意味を文脈から正しく推定できるあるいはその未知語を無視してもかまわないという判断ができる語彙レヴェルに達していることを意味します。このレヴェルでは、既知語率が98%超になります。

もちろん、5~6万語獲得がいろいろな理由で不可能な場合もある。それでも、事実は事実としてしっかり認識しておいた方がいいと思います。

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下記は、前にも引用したことの在る ( http://www.nullarbor.co.jp/tg/contents/tg_5.htm  ) の記事から再度の抜粋です↓

英米人の語彙数

     理解語彙数 使用語彙数
秘書 38,300 31,500
読書家 73,350 63,000
大学教師 76,250 56,250

16 年間の学校教育を受けたイギリス人のスピーキングとライティングに使う語彙数は次のとおりである。

スピーキング使用語彙数 約 5,000
ライティング使用語彙数 約10,000

ネイティブ・スピーカーの最低線として「秘書」の語彙数を採用し、それをさらにラウンドナンバー化して、理解語数を 40,000、使用語数を 30,000 とする。そしてギネスブックのスピーキングとライティングとの1対2の関係をそのまま保つと、次のような4技能間の語彙数の関係が考えられる。

口頭英語 リスニング スピーキング
40,000 15,000
文字英語 リーディング ライティング
40,000 30,000

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私の記事 ( https://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=10866873&blog_id=48616 ) も参照ください。

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ちょっとひとこと

T さんや Post さんから、たいへんすなおなコメントをいただいたこともあって申し上げておきたいのですが、人の価値観なり言語観なり読書観などはそれこそ各人各様で、他の人が干渉する筋合いのものではまったくないと思っています。

ただ、私は、「アンチ・バベルの塔」という語彙獲得論を展開し、実践し、すばらしい効果を実感しています。だから、「アンチ・バベルの塔」を強力に主張し、その成果に基づいて「実証性を欠く」他の人たちの語彙獲得論を激しく批判することもあります。

そうすることによって、語彙獲得の意義や効果について考えていただきたいし、ときには何がしか役に立つこともあるだろうと期待しています。

すばらしい学習・英和・英英辞典をもっともっと利用したらもっともっと英語の理解が深まります。食べず嫌いの人が多過ぎます。覚えるのがいやなら、まず、ていねいにお読みになればいい。新たな世界を発見できます。

しかし、世の中万事いろいろですから、興味のない方は(こんなことを言うのもおこがましいことですが)いっさい気にせず無視なさってください。 私だって 「I have other fish to try.」をいつも実践しています。そのほうが心の健康にもよろしい

よろしくご了解ください。

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コメントにお答えする(10/2006)

Post さんへ。

ストレートなコメントをいただきたいへんありがとうございます。

多様な物事の捉え方のあることに今更ながら驚いています。

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>>英語で読書を楽しみたいのであれば当然の語彙数です。

私はこの部分が納得いきません。この言い方には語弊がある。読書の楽しみは人それぞれ。自分の好きな本を繰り返し読み返すのが読書の楽しみだという人もいる。(むしろ私はこういう読書スタイルのほうが好きだ。)
そういうひとにとってあなたほどの語彙は必要か?
そもそもどの本も一度読んだだけで全てわかる必要はあるのか?解らなかったら何回でも読み直せばいいだけだ。読み返すと読書は楽しめないのだろうか。不思議だ。

-----------------------------

私も 「読書の楽しみは人それぞれ。自分の好きな本を繰り返し読み返すのが読書の楽しみだ」 ということについては何の異論もありませんし、それを否定する主張をしたこともまったくありません

さらに、「どの本も一度読んだだけで全てわかる必要がある」ともさらさら思っていませんし、そのような主張をしたこともまったくありません。1度や2度読んだだけでは分からない書物もあります。読む毎に理解が深まり新たな感銘が湧いてくる場合もあります。また、読む年齢によって同じ作品でもまったく異なる趣を帯びることがあります。私は、昨年漱石の『心』を数10年ぶりに読んで、若かったころとはまるで違う読後感を味わいました。

ただ、私は、あらゆる形態の読書について、「語彙が不足していたらテクストを充分に充分に楽しんだり理解したりできない」と考えています。

そして、英語で大人の読書をするためには大人の英語の語彙の質・量が必要だと思っています。

すべて、私自身の経験に基づく見解です。

とまれ、各自に独自の考え方があるのもしごく当然のことですし、とりわけ「読書と語彙」というようなことに関して、どの見解が正しくてどれが間違っているかを断定することなど可能だとも、そんなことをすることがあらゆる場合に実り多いことだとも、まったく思っていません。

だから、私の見解はあくまでも「単なる私見」に過ぎません。Post さんには、その旨了解くだされたく、今後ともよろしくお願いします。

Thank you, Post-san.

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チャールズ・ディケンズの語彙(9)

私は生まれた with a大網膜、which was 広告された for 販売、in the新聞s、 at the定価 of 15ギニー

I was born with a caul, which was advertised for sale, in the newspapers, at the low price of fifteen guineas.

私は大網膜を頭に被(かぶ)って生まれてきて、その大網膜が、15ギニーという安価で、新聞の「売ります欄」に掲載された。

caul (コール)とは、研究社大英和辞典によると、「大網膜《胎児が時に頭にかぶって出てくる羊膜の一部; 昔これを吉兆として「幸福の帽子」と称し, 水難よけのお守りとした》」だそうで、19世紀・ヴィクトリア朝の英国にはまだそれを売買する中世以来の風習が残っていたのですね。

caul - A portion of the amnion(羊膜), especially when it covers the head of a fetus (胎児) at birth (The American Heritage Dictionary of the English Language )

この大網膜でふっと思い出したのが、最近も問題になっている臓器売買です。ディケンズ ( 1812-1870 ) の活躍したころは臓器移植手術など考えられない時代ですから、大網膜を現代の臓器売買に比べれば小金で売るなどは何か素朴でアニミズム的な感じもします。

臓器売買 = organ traffics

traffic - the secret buying and selling of illegal goods (LDOC)

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