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英語の語彙:雑談(43)

仮定法 would の用法

マーク・ピーターセンさんが、 『英語!達人が教える”とっておきの上達法”』 で、 would の使い方に関して次の2つのおもしろい例をあげている。

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1 Aその他の人たちが、ある映画を見に行こうという話しをしているとき、だれか別の人 (B) が 「私も行きたい!」 と言う。

AがBに対して:

You won't like it. と言えば、 「連れて行くけど、気に入らないと思うよ」 という意味になる。
You wouldn't like it. と言えば、 「一緒に行っても気に入らないと思うから、連れて行かない」 という意味になる。

2 ビジネス文書(商品を12月12日までに届くように送って欲しいという依頼に対する返答)

It won't arrive by Dec.12. と書けば、 「12月12日には間に合わないがそれでも送る」 という意味になる。
You wouldn't receive it by Dec.12. と書けば、 「12月12日には間に合わないから送るつもりはない」 という意味になる。

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チャールズ・ディケンズの語彙(22)

An伯母 of 私の父の、 従って a大伯母 of 私の、 of whom I shall 持つ more to 物語る やがて ( b- and b-)、 was the主要な重鎮 of 我々の家族

An aunt of my father's, and cosequently a great-aunt of mine, of whom I shall have more to relate by and by, was the principal magnate of our family.

私の父の伯母、つまり私の大伯母 ( この人についてはあとでもっと書くことになるが ) は、我々家族の重鎮だった。

2重所有格  an aunt of my father's   a great-aunt of mine に関して、 『表現のための 実践ロイヤル英文法 』 に次の説明がある。

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a friend of my father's

my father's friend と言えば、 「特定の友人」 を指す。 one of my father's friends と言えば、 父の 「複数の友人の1人」 を指す。 この場合は、父の友人は他にもいることが示されている。 a friend of my father's は、同じような意味だが、 厳密に言えば他にも友人かいるかどうかは不明で、ただ漠然と父の友人である1人を示すだけである。

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なお、同書には、次の記述 ( ただし、要旨のみ) もある。

a picture of my mother  = 私の母を描いた絵
a picture of my mother's = 私の母が持っている (1枚の) 絵
a picture by my mother  = 私の母が描いた絵

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英語学習法(30)

斉藤兆史著 『 これが正しい!英語学習法 (ちくまプリマー新書)』 は、文法・読解・筆写・音読・暗礁・多読 などを軸とする地道な勉強が英語学習の正道だとしている。

正道を歩むことが、日本で生まれ育ち日本で教育を受ける人たちの英語学習法として最も合理的で有効であることは、私の体験からも、疑いようがない。

『 これが正しい!英語学習法』 を読んで、「言葉は自然に覚えるものではない(3)」で触れたこと意外に印象に残ったことをいくつか列記しておきます。

1 ノートを2つ(2つの用途のために)用意すること。

まず、模範的な英文を筆写するため。 斎藤さん曰く 「名文を実際に手で書き写すことで、そのリズムや構造を体で覚えるのです。」 江戸時代の儒者・新井白石は9歳のとき毎日4千字の筆写を実行していた由。

次に、単語帳にするため。 もちろん、英語学習の核心をなす語彙力養成が目的。 斎藤さん曰く 「辞書を引く回数、単語帳の冊数、それが増えるにしたがって、確実に英語力がついていきます。」 これは 「アンチ・バベルの塔」 の未知語彙カード作成に相当し、ノート作成の後に必要な復習のプロセスも 「塔」 と同様である。 ただし、忘れた場合に同じ語彙をまたノートに記入する点と、範囲 (「塔」 は 「上級学習辞典」 の全語彙をもって覚えるべき範囲とする)」 を定めていない点で、「塔」 と異なる。 『 これが正しい!英語学習法』 は初心者を主たる対象とした本であるためかと思う。 

3 文法に関して、丸暗記の必要な場合があること。 たとえば 「太郎が悪い」 は 英語で Taro is to be blamed. ではなく Taro is to blame. となるが、blame が他動詞であることを考えれば実に不合理である。 こんな場合は文法的な説明は不可能だから丸暗記するしかない。 斎藤さんは、高1のとき、英文法の参考書を4回通読し、時には細部を丸暗記して、文法の基礎をかなり固めることができたそうだ。

4 英語で考えることに関係すると思うが、斎藤さんは、 いつも日本で生活していて英語がスラスラ出てくるわけでもないのに自由英作文をしてもろくな英文が浮かぶはずもない、だから、日本語で考えてちゃんと英訳するほうがはるかに効果的だとする。 その通りだと思う。 平凡な英語力しかないのに 「英語は英語のままで!」 を徹底していたら、 生涯 幼稚な英語 を書き続ける危険性が高くなる。 私はこのブログでさえ自由には書けない。 国語・漢字辞典が欠かせない。 ましてや英語を書くのは異次元のプロセスである。

ちなみに、卓越した作家 Thomas Pynchon が小説を書く際には数百回書き直すらしい。

5 斎藤さんは、自分自身の英語学習について、今までに少なくとも5~600冊の英書を読み、毎日英語のラジオ・ニュースを聴き、英語で作文し、1年365日英語に触れない日はないと言う。 できる人ほど努力するのが世の常でしょう。

Happy learning !

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言葉は自然に覚えるものではない(3)

斉藤兆史さんはその著 『 これが正しい!英語学習法 (ちくまプリマー新書)』 で、「文法や読解を基礎にする日々の地道な学習」 が英語学習の正道であり、正道を踏むはずして間違った学習法である 「小径(こみち)」 にはいってしまわないようにしようと述べておられる。

そして、小径への誘い文句として、次のようなフレーズをを例示されている:

1 「英語は、楽しみながら自然に身につけるもの」

2 「文法を気にしないで話しましょう」

3 「何週間(何ヶ月)で英語がペラペラになる」

4 「これぞ短期間で英語を習得する最強・究極の学習法」

文法に関しては、文法を等閑視するのではなく、「文法が気にならなくなるまで体に覚えこませることが大事」 だとし、「学校文法ほど強い見方はない」 と主張されている。 

語彙力に関しては、「語学力の中で一番大事なもの」 あるいは 「語学力の要(かなめ)」 だと位置付けておられる。

そして、斎藤さんの大好きな英語のことわざは、Genius is an infinite capacity for taking pains. (天才とは、無限に努力することのできる能力のことである) である由。

『 これが正しい!英語学習法 (ちくまプリマー新書)』 をぜひ読まれたし! 

私たちも正道を歩みましょう。 それが ― 年単位の学習法ではあっても ― 結局は最も効率よく成果を出せる方法なのです。

他方、日常の決まりごとを何とかやりとりしたり、どうでもいいことをとりあえずペラペラしゃべる程度なら、英語を年単位で勉強する必要も価値もないでしょう。

斎藤さんもおっしゃるように 「帰国子女が数年英語圏で生活して身につけた程度の英語力には努力すればすぐに追いつける」 。

目標はもっと高くかかげたい。 


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言葉は自然に覚えるものではない(2)

語彙の獲得は、自然になされるものではなく、教育に負う部分が大きいという話しをしています。

日本語のことを考えればわかるはずなのに、外国語の英語のことになると、とたんに、「語彙自然獲得説」に与(くみ)したくなる人が多い。

どれだけ多くの日本語を教科書や読み物を通してまたはけっこう辞書も引いて覚えたか、いやいやながら中間や期末のテストのためにどれほど多様な語彙を詰め込んだかを思い出してみましょう。教育を受ける時間は3~4万時間に達するわけですから、いかに膨大な時間をかけて語彙を蓄積してきているかを考えてみましょう。

そんな語彙が相当な割合で私たちの日本語の特に認識語彙を形成している。

ところが、英語の語彙のことになると、とたんにSSS多読程度で間に合うと勘違いしてしまう。 なぜだろう!? 私には分かりません。

前にも言及したことのある坂井セシルさん(日・仏のバイリンガル)は ― (引用開始) 日本語の話し言葉はやさしいし、自分の生活環境で話される言葉を子どもなら容易に覚えるので、話し言葉の次元ではバイリンガルはいくらでもいます。 けれど、フランス語と日本語はとても遠い言葉ですから、ほんとうに学習しなければ書き言葉は習得できない。私の場合は、個人レッスンをつうじて文章語を勉強しました (引用終止) (『世界の翻訳家たち 辻 由美著』 より。太字は k.y. ) ― と述べておられます。

また、瀧沢広人さんは自著 『アメリカンスクールはどう英語を教えているか』 の 「あとがき」 で ― (引用開始)・・・娘が受けてきたアメリカンスクールでの授業、またその成果を私なりに分析してみると、「体験を通しながら英語を覚えていくこと」 「覚えた英語がすぐに使える環境にいること」 に加えて、「文字を読んだり書いたりすること」 が英語力を身につけるカギになっていたと思います・・・これからの児童英語で取り入れるべきもの、英語初心者が力を入れて取り組むべきものは、「読書」 と 「文字指導 (読むこと、書くこと) 」 だと思います・・・ (引用終止) (省略・太字は k.y. ) ― と書いておられます。

意識的に学ばなければどうにもならない部分も大きいということです。

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言葉は自然に覚えるものではない(1)

「ネイティヴ・スピーカーは本を読んだり辞書を調べたりして語彙を獲得するのではなく自然に覚えてしまう」 と思い込んでいる人も多い。

これが思い違いであることは、たとえば日本のゆとり教育の ( うまく活用すればいい面もあるが ) 失敗面を注視してみればよくわかる。

今や、日本語の読み書きさえおぼつかない若者がおおぜいいる。 普通なら4~5万語の語彙数があってしかるべきなのに、彼らはおそらく2万語前後の語彙数しかありません。 読めない漢字や理解できない語彙が多くてコンビニのバイトでさえ満足にできないことがある。 だから、職業選択の幅がせまくなる。 まともな本など読めないし、深く考えることもできない。 思考のツールである語彙が不足しているのだから仕方がない。 芸術やスポーツやビジネス感覚に秀でている人たちならあまり語彙は必要でないこともある。 しかし、そうではない人たちの場合、語彙不足は深刻です。

人は、日常のルーティーンをこなすのに必要な語彙以外は、自然には覚えない。 書き言葉や標準文法や日常語彙ではないが必要な語彙は、ちゃんとした教育を受けなければ身につかない。 ゆとり教育はややもするとそのことを等閑視してきた。 

最近、『 Longman Study Dictionary of American English 』 という学習英英辞典が出版されました。 この辞書は、本来は非ネイティヴ・スピーカーの英語学習者向けではなく、語彙貧困問題を抱える米国の小中学生のために開発された辞書です。

その巻頭の 「 Introduction 」 は ― A dictionary can be an invaluable resource for young language learners as they tackle the vocabulary demands of challenging reading curricula and academic writing tasks. ― という書き出しになっています(太字 k.y.)。 

この 「 Introduction 」 をさらに読むと、絵本のような小学校低学年用の辞書では対応しきれなくなってきたときに、適切な辞書がない。大人用の辞書を使えない子どもたちは落ちこぼれていく。分からない語彙がでてきても意味も分からず丸覚えなどしているうちに落ちこぼれ感を深めていく。だから、子どもの日常語で語義説明をし子どもでもわかる例文を添えて理解を促す 『 Longman Study Dictionary of American English 』 が出版されたと書いてある。

『 Longman Study Dictionary of American English 』 の総語彙数は24000語 (見出し語は1万5千語ぐらいでしょう ) 。 まことに基本語・必須語ばかりですが、米国でもこの程度の語彙につまづく生徒がめずらしくなく、そのまま大人になってしまう可能性もあるということです。 そんな大人の語彙数はやはり2万語前後になってしまう。 それなりの職につくことは望み薄になります。 読めない書けない考えられない・・・ 

他方で、日本でも米国でも、『広辞苑』 レヴェルの辞書を使って自己学習を進める子どもたちもいる。

歴然とした格差が生じて社会問題になる。

「Introduction 」 は最後の節で、「 A consuderate, developmentally appropriate dictionary shoud be an educational civil right at every grade. = 子どもの発達過程に即した辞書は、教育的公民権のひとつだ」 としています。

資本主義・市場主義社会である以上辞書出版も儲けを狙うビジネスであることはもちろんですが、辞書は権利であるという主張も肯定せざるを得ません。 

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英語の語彙:雑談(42)

私はインター・スクールの翻訳科 (本科からプロ科終了) に通っていたことがある。

その演習の際に、「日本人は・・・」 という 日 → 英 の翻訳課題があった。

どういう内容の文章だったか忘れてしまったが、私は「The Japanese ・・・」 で書き始めた。

講師(米人のテクニカル・ライター)から、「The Japanese は日本人全員を意味するからこの場合は適切ではない。Japanese の方が良い」 という指摘を受けた。

この the の用法について、『表現のための 実践ロイヤル英文法』 に、たいへん分かりやすい説明があるので次に引用する。

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・・・多くの日本人の感覚からすると、無冠詞でも定冠詞つきでも同じように思えるかもしれない。たとえば「イタリア人は勤勉である」という一般論を言うには、無冠詞の Italians are industrious. でも、定冠詞つきの The Italians are industrious. でも、どちらでもよいように見えるのである。
 だが、この2つは英語としてはニュアンスがだいぶ違う。無冠詞の Italians are ... . のほうは意味上比較的柔らかい表現で、「イタリア人は [1人残らずとまでは言えないが] 一般的に」 といった感じだが、定冠詞の The Italians are ... . のほうは、比較的硬い表現で、イタリア国民を一枚岩と見なしている感じが強い。(省略 k.y.)

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興味のある方は、同書の197ページを参照されたし。「Italians と the Italians の意味の違い 」 に関して、さらに詳しい説明があります。

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「百パーセント二ヶ国語完璧はありうるか」他

坂井セシルさん(パリ第7大学東洋語科主任 日本語科教授) は、普通の人からみれば (多分だれがみても) 完璧な日・仏バイリンガルである。

幼い頃から日・仏バイリンガルで育ち、フランスで、日・仏文学を修め、仏文学修士・日本語修士・日文学博士。

坂井さんは 「百パーセント二ヶ国語完璧はありうるか」 という記事を書いて ― おそらくあり得ない。私の場合は15年間 (1995年当時 ) フランスで生活しフランス語で講義していて仏語が優勢で、翻訳は常に日→仏で仏→日は決してない。私は日本語で話しても科学的・音声学的に分析すると、鋳型となっているのは日本語ではなくフランス語である ― という趣旨のことを語っておられる。

坂井さんは17歳まで日本で生活し、その間学校はフランス人学校、日本語の勉強は個人教授を受けていた。

読書はについては ― 子どもの頃 → 仏語 15~6歳 → 日本語でも読み始める  → 日・仏両語で完璧に読める 由。

翻訳に関しては ― 両言語のしっかりした知識、とりわけ訳文言語の深い教養、さらに膨大な時間 ― が必要で、「日本語とフランス語はきわめて距離の遠い言葉ですから、何度も何度も読み返して手をくわえ手を加えして、はじめて満足のゆくものになる」 ― と書いておられる。

以上、『世界の翻訳家たち(新評論)』 より。

膨大な時間! これを無視して効率ばかり追い求めても前には決して進まない。何も達成できない。

何も達成できなければ、向上がなければ、効率を論じることなど滑稽(こっけい)でしかありません。

真のプロであればあるほど膨大な時間の必要性を痛感していると思います。


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語彙耐性の強弱は自然 ・続

1 と 3 がほとんどを占めるために存在する誤解 ― 数回復習すれば必ず覚えられるという誤解

前回に、1 と 2 と 3 が出現するのは自然な現象かもしれないと書きました。

自然だと言っても、それが先天的なものか後天的なものかはまったく分からない。

家庭環境や教育に左右される度合は大きいと考えています。 

いずれにしても語彙に関して3タイプの人たちがいて、圧倒的に多いのは 1 と 3 のタイプに属する人たち。 活字を常習的に読む人口は多くないし、ましてや英語でものを読む人口は統計上ゼロに近い。

英語の語彙獲得に焦点をあてると、1 や 3 の人たちにとって、つまりほとんどの人たちにとって、思い浮かぶのはまず大学受験のときの単・熟語帳(5000語前後まで)であり次に資格試験のための単・熟語帳(1万語前後まで)でしょう。

そうした試験用の単・熟語帳の場合は たとえば( http://juken.alc.co.jp/kojima/ ) で記述されている 「翌—1—2—4の法則 」 とか 「脳科学や英語教育学(語彙習得論)の研究が進むにつれて、ある数字が出てきました。知らない単語をちゃんと覚えるためには、何回、その単語に出会ったらいいと思いますか?答えは6回です」 とかの原則が当てはまる可能性が非常に高い。

しかし、「塔」 でいう5万語超の ― 5000語~1万語単位の ― 語彙獲得を指向する場合、そんな原則はまったくあてはまらない。 学習辞書暗記と市販の単・熟語帳暗記はまったく違う。

6回程度では、ウオーミングアップにさえならない!

このことがなかなか理解されない

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語彙耐性の強弱は自然

語彙に対する耐性が強い人弱い人どちらでもない人がいるように思います。 

「 1 語彙が気にならない人 」 と 「 2 語彙が大いに気になる人 」 と 「 3 その中間の人 」 がいる。 

音感の強弱などと同様ほぼ自然な現象かも知れない。 だから、お互いの説得は困難で、うっかりすると感情的になったりする。

1 は概してあまりものを読まないし、それでも日常生活や仕事にさほど支障がないから、語彙で悩むことはない。 英語の語彙もほとんど気にならない。 

2 はその逆でものをよく読むし、英語でも読むべきだと思っているし、そうしなければ日常生活や仕事に支障があると感じている。 したがって、日本語の語彙も気になり、英語の語彙不足もがまんならない。

3 は最も普通のタイプでしょう。自分の語彙の現状に特に不満がない人たち。SSS多読法に共感を覚える人たちもこのカテゴリーに属するのではないか。

この 1 2 3 の存在価値に違いはあるはずもないし、互いに干渉すべきでもない。 みなさんいい大人だし、それぞれ社会に適応して生きている。 各グループに立派な方もおられる。 まったく何の問題もない。

さて、私は典型的な 2 である。 語彙不足がストレスになる性質(たち)だ。 だから、「塔主」 にもなった。 ブログを書いて、2 の人たちに、ひょっとして 1 や 3 の人たちにも、参考にしていただければもちろんうれしい。

しかし、1 や 3 の人たちを無用に刺激してはいけない。 

あくまでも、タンタンとやればいい。 

お互い平和に共存共栄がいい。 


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チャールズ・ディケンズの語彙(21)

何か奇妙なものがある to me、 今でさえ、 in the 内省 that 彼は決して私を見なかった; and 何かもっと奇妙なもの さらに in the 影のような 思い出 that 私が持つ of 私の最初の子どもじみた連想s with 彼の白い墓石 in the教会の境内、 and of the名状しがたい同情 私がよく感じた for it 横たわっている 外に 単独で そこで in the暗い夜、 when 我々の小さな居間 was 暖かくそして明るい with 炉の火 and ロウソク、 and theドアs of 我々の家 were - ほとんど残酷に、 it 思えた to me 時々- かんぬきがかけられ and 施錠されて against it

There is something strange to me, even now, in the reflection that he never saw me; and something stranger yet in the shadowy remembrance that I have of my first childish associations with his white gravestone in the churchyard, and of the indefinable compassion I used to feel for it lying out alone there in the dark night, when our little parlour was warm and bright with fire and candle, and the doors of our house were - almost cruelly, it seemed to me sometimes - bolted and locked against it.

父は私を一度も見たことがないんだと思うと今でも何か不思議な気がするし、幼い私が教会の庭の父の白い墓石をはじめて目にしたときの他愛無い感想や、みんながこじんまりした居間の炉辺でぬくぬくとしてローソクも明るく点していた夜、いつもポツンと闇の中に放置されていた何とも哀れな墓石のことや、そして、ときには残酷じゃないかと思えるほどドアのことごとくに閂(かんぬき)をかけ錠をおろしてその墓石を締め出していた家のことをおぼろげに思い出すと、もっと不思議な気持ちになる。

訳すのに、出来映えは別にして、苦労しました! みなさんも翻訳してみてください。

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英語で書く難しさ

英語でブログを書くのは難しいですね。

前にも 「英語で書いたらどうだ」 というコメントをいただいたときに、返答しておいたのですが:

まず、英語に日本語ほど自信がない

次に、「塔」 は日本人が英語の語彙を強化するためのブログですからあえて英語で書く意味がない。英語で書いたら読んでくださる方がほとんどいなくなる。

さらに、どんな構文を使いどんな語彙を使って英語を書いたら正確に理解してもらえるのかもたいへん不安です。 私は、普通の日本人( もちろん自分も含む )の英語読解力の実体を、仕事柄、かなり克明に把握しています。少し構文が複雑になったり文脈によって意味が左右されるチャンク表現があったりするとたちまち誤解の原因になる。誤解を避けようと思えばお互いすんなり理解し合える程度の英語でやり取りせざるを得なくなる。

つまり、英語にあまり自信のない者が、必要もないのに、お互い読解力にも不安を抱えて、英語でブログを書く悲喜劇。ともするとそんな英語をお互い批判するこっけいさ

だから、「 1 日本人には日本語 」で、「 2 お互い英語で支障がない場合には英語 」で交流したい。

私は 1 はそれなりにできていると思う。

2 はこれからの大きな課題です。「塔」の完成によって認識語彙の充実は所期の目的を達成しました。次は、運用語彙の充実です。そして、英語のブログもぜひ書いてみたい。

元気に長生きしなければ!

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英語学習の諸相 と「塔」 (3)

私が、英語学習の諸相 と「塔」 で 1 と 2 と 3 を取り上げたのは、世の英語学習の議論を整理したいと思ったからでもあります。

1 と 2 と 3 を徹底して学習すればほとんどの問題が解決するのに、それを主張する人がほとんどいない!

1 と 2 については方法が完備している。

3 については、「塔」が現れるまで具体的な方法がなかった。あるのかも知れないが、私は知らない。 しかし、今や「塔」よいう実証済みの方法が1例としてある。

2 に関しては、ちゃんとした学校に通っている中高生なら、学校で教わることをしっかり学べばよい。不勉強のまま学校を卒業してしまった人は、たとえば、『 (1) 総合英語 Forest 5th edition (桐原書店)』 約600ページを熟読玩味して練習問題をすべてこなし、例文を日・英共に別のノート・カードに転記して音読しながら暗記する。次に、『 (2) 表現のための 実践ロイヤル英文法(旺文社)』 約700ページを熟読玩味して練習問題をすべてこなし、例文を日・英共に別のノート・カードに転記して音読しながら暗記する。これは、すばらしい方法である。

(1) は他の同様な参考書でもかまわないが、(2) の代替はない思う ― 英語を必死で究めた日本人と日本語を必死で究めたアメリカ人が、共に日本人の英語教育に深くかかわってきた経験を生かして、完成した文法書で他に類書はない」 からである。

まず、(1 あるいは類似書 ) と (2) の習得を、迷っている人は、目指せばよいでしょう ( 他に有効な方法を確立されている方は無視されたし )。 

文法・構文プロパーの学習はそれで充分ですが、後は各自の状況に応じて勉強されたらいいと思います。

時間がない人は、(1) や(2)の通読だけでも大いに価値ありです。

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英語の語彙:雑談(41)

お体お大事に」 を 『新和英大辞典(研究社)』 で調べると、Take ( good ) care of yourself. Take care. と書いてある。

『スーパー・アンカー和英辞典』 で調べると、「Eメールや文通などで使える例文 ( 封書の記号で示してある )」 として、お体に気をつけてください Please take care of yourself. Take care. と書いてある。

『ジーニアス英和辞典G4』 で health の項を調べると、Take care of your health. 健康にご注意ください (=Take care of yourself. ) と書いてある。 look after の項を見ると、・・・ look after one's health 健康に気をつける・・・Look after yourself ! 自分のことは自分でしなさい; (英略式お元気で、さようなら 返答は Yes., I will., Thanks など ) と書いてある。

『 ロングマン英和辞典 (私の辞書コレクションで最新の逸品 )』 で health の項を調べると、訳という漢字を四角で囲んだコラム(=英語・日本語に訳しにくい語(句)などについて解説 ) が設置されていて以下のように書いてある。

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手紙やメールの末尾に書く「お体に気をつけて」の意味では take care of your health. は不可。 look after yourself または take care を用いる:
× Take care of your health.
○ Look after yourself. お体に気をつけて

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そして、care 2 の項には、take care of yourself 自分のことは自分でやる と書いてある。

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ちなみに、『 ロングマン英和辞典 (私の辞書コレクションで最新の逸品 )』 は、3つのコーパス( 1 Longman Corpus Network と 2 ロングマン現代日本語コーパス 3 ロングマン学習者コーパス ) を駆使して編纂されている。 3 は非ネイティヴ・スピーカーの「英語学習者が使った1200万語以上の英語を集めたものです。その20%は日本人学習者の書いた、授業中の課題、宿題の作文、試験答案などを集めています。このコーパスを分析することによって、学習者の頻繁に犯す間違いを知り、それに基づいて、エラー・ボックスやノートの欄を辞典の各所に設け、有用な情報を提供しました(巻頭の説明書きより引用)」。

数種の辞書などを読んで、どれが妥当な説明なのかあるいは説明不足なのかは即断できないが、いろいろな記述を読むと参考になる。

辞書読みは愉快ですね

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英語学習の諸相 と「塔」 (2)

前回に述べた 1 と 2 をマスターして (文字通りマスターですよ!) 、3 を達成したら、たとえば日本で崇拝者が多く難解だと誤解している人も多い英文週刊誌TIME はスラスラ読めるようになる。時に未知語彙も出てくるがその率は日本語の雑誌を読む場合と変わらない。

3 を達成すれば、英語の文字媒体がパッと明るくなる。強度の近視の人が始めてメガネをかけて景色を見たときのようななんともうれしい感覚を味わうことができる。

以前はいかめしく見えた TIME がスッとはいってくる。「あれっ!?」 と思うほどである。いつまでたっても TIME と格闘している人たちに申し上げたい ― 3 を達成されるが勝ちですよ、最短距離ですよ。 そうでないと、うっかりしたら、生涯格闘してしまいますよ ― と。

もちろん、分からない記事もある。 たとえば、現地の情報に通じていなければ分かりようのない記事。

一般教養が不足しているために分からない記事もあるでしょうが、それは、ただの教養不足。 私の場合、たとえば 『 Science 』 は記事によってほとんどあるいはサッパリ理解できない。

しかし、英語力が不足で分からない記事などなくなる。

聞いたら分からない?

それは、1 と 2 をマスターしていないからだ。

1 の欠けた語彙や文章は半分死んでいる。 

1 に問題がなくても、2 を徹底して習得していないと、聞き取りに要するスピードについていけない。 英語を聞こえてくる順に了解できない。 「 2 ばかりやらせるから  英語を英語のまま理解できなくなる」 という人が多いが、何のことはない、それは、2 をほんとうに習得していないだけのこと (このブログの「英語を英語の語順で理解すること」 という記事も参照されたし )。 

以上は、私にとっては体験上疑いようのない事実ですが、みなさんにとっては????????かもしれない。
それは仕方のないことでしょう。

また、「塔」 以外にもっとすばらしい方法がある可能性も、当然、否定できない。 私が知らないだけかもしれない。

しかし、1 と 2 と 3 がキーであること、特に 3 の段階を突破することがブレイク・スルーになることは明らかでしょう。

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英語学習の諸相 と「塔」 (1)

英語学習に順番があるとすれば、1.音声 2.文法・構文 3.大人のレヴェル ( 5万語超 ) の語彙獲得 の順になると思う。 併行して訓練しなければならない時期もある。

3 は最も時間がかかる営為であるが、今や、私のようなごく普通の人にも不可能なことではなくなった。

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1 は、単に単語の発音だけではなく、熟語などのチャンクになった表現の音声、文章のリズムなどを含んだ発声法全般のことである。

訓練法は個々の音の発音練習と、音読やシャドーイングの励行である。 「A 自分の声」 を録音しておいて 「B ネイティヴ・スピーカーの声」 と比べる作業も欠かせない。 後で自分の声を聞いて、A と B が即座に区別しがたいほどになれば英語の音声認識も格段に容易になる。

それから、発音記号を完全に覚えることも忘れてはならない。

発音記号を知らなくても、最近の辞書は、特に学習英英辞典は、すべての見出し語に (辞典によってはすべての例文にも) 音声がついているので、我流の発音は (怠慢でない限り) 避けようと思えば避けることができる。それでも、発音記号を駆使できるのとできないのとでは音声の精度が違ってくる。 だから、発音記号は、ぜひマスターしておきたい。

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2 は、英文の構造を理解しそのルールを効率よく習得するためのこの上なく優れたツールである。標準英語ならこのルールから逸脱することはあまりないし、逸脱する場合でも、ルールを知っていれば、それがどのように逸脱しているのか推理できるので、ひどい誤解は回避できる。

文法・構文を無視することは、英語学習を救いがたく非効率で混乱したものにし、いつまでたってもブロークンな英語から脱出できなくなる。

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1 や 2 は、従来から、完全に(あるいは実用上支障がない程度に)習得することもそんなに困難なことではないし方法も確立している。 とりわけ 1 はやさしい (世に喧伝されているほど困難ではまったくない! 必要なのは適切な指導法だけ )。 2 の習得は、1 より根気はいるが、参考書を熟読して練習問題をこなせばいいわけで、さほどの難物ではない。

ちなみに、2 が学校で重視されるのは、本(参考書・教科書・問題集)だけで数百時間ぐらいかけたら習得できるので、教えるのも勉強するのも容易だからである。学校教育に最適の分野なのだ。

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3 は 習得の困難さの面で 1 や 2 の比ではない。 

最近まで5万語超の大人の語彙習得は事実上不可能だと思われていた。 いや、必要語彙数が5万語超だと認識している人たちも稀だったし、その5万語超が具体的にどの語彙であるかを示せる研究もツールもなかった。

しかし、「アンチ・バベルの塔」 で明らかになったように、3 の習得も ( 少なくとも認識語彙に限れば ) 今や可能である。 

まず、コーパスに依拠した 「学習辞典」 が出現して、「どの語彙を覚えたら充分なのか」 かという習得目標の明確な提示が可能になった。

目標が特定されたら、次に必要なのは、どのように覚えるかという方法で、そのひとつが 「アンチ・バベルの塔」 である。

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なぜ手間・暇のかかるカードを使用するのか?・続

1000~2000ページの中に未知語彙が5000~2万語 (総数で、見出し語だけに限らない) あるとしましょう ( もっとある人の方が多い )。

未知語彙をただチェックする回数だけも5000~2万回に達するわけですから、それをすべて覚えるためには年単位の努力を要することは容易に察しがつくはずです。

ここで、(学習辞書に依拠して)未知語彙を覚えるための2つの方法を比較してみましょう:

A: 未知語彙をマーカーなどでチェックして、何度も復習する方式 = 未知語彙と辞書本体を分離しない方式
B: カードを作成して復習する「塔」方式 = 辞書本体と未知語彙集を完全に分離する方式

(英単語学習ソフトは、加工の自由度を考慮すると、Bとは異質 )

1.未知語彙の発見

Aの場合はマークするだけである ( 削除はしにくいし、スペースが少ないので追加などの加工はほとんど不可能 )。この作業は、なるほど時間はかからないが、その分印象度も低く、記憶に積極的に貢献する作業だとは言いがたい。

Bの場合は、 その未知語彙ををカードに転記していく。自分なりの記述を加えることもあるし、不必要だと判断すれば削除する部分もある。和訳を付記したほうが (動植物名などは)、 分かりやすいし覚えるのが楽になることも多い。カードの裏は白紙だから、Googleの写真を転写しておいたり類義語などのリスト・解説を転記したおいたりする。その他おもしろいと思う加工を施しながらカードを作成していく。 なお、辞書からの転記 (1部削除も含む) 以外の加工・改良は復習の際に行うこともある。

この過程で、各語彙に対する印象が強化され知見も拡大する。そんな効果はA方式ではほとんど期待できない。私は、こうした1連の作業を非効率だとは決して判断しない。実は、時間はかかるがやりがいのある、達成感を伴う、そしておのずと記憶を促進する行為だと実感している。あとで誤植を発見して訂正することさえ記憶の一助になる。

2.復習

まず、念頭に置くべきは、5回や10回の復習で覚えられると思わないこと

安河内哲也さんは 『できる人の勉強法 』で、― 4回や5回で覚えられない。たとえば、マジックの技術でひとつの動作を習得するのに100回の練習ではダメで、500~1000回やって何とか見られるようになる。何かを覚えるにはそれくらいしつこくやらなければならない ( ほぼ原文どおり ) ― と語っておられる。

私たちの覚える対象は、5000~1万単位の語彙ですよ! 5~10回などウオーミングアップだとしても不足です。

さて、復習の仕方です。

Aの場合は、辞書を前にしてマークした箇所を追い続ける。私は、膨大な語彙を、1000~2000のページを常に携帯して復習することは、かなりのストレスになった。

さらに、何度も何度もマーカーなどでチェックしていると限界がくる。塗り重ねやら度重なるチェックの印などで何が何やら判然としなくなる。かといって、暗記がさほど加速するわけでもない。それがまたストレスになる。

Bの場合は、辞書と「塔」のカードとは完全に分離されているから、復習で目にするのは生涯にわたって習得しづらかった語彙ばかりで、目移りすることはない。難攻不落の相手ばかりに焦点が定まり、しかも、転記・その後の復習の際にいろいろな付加情報も記載されているために、攻略のコツも心得ている。新たな情報が見つかったら付記するスペースも表と裏に充分ある。 たまには、格好の例文を見つけて裏に書き加えることもある。

そして、常に1000~2000ページを携帯して気分が重くなることもない。快適な枚数だけを分割して持ち歩くことができる。着脱自在の構成がなんとも好都合なのだ。

もちろん、「塗り重ねやら度重なるチェックの印などで何が何やら判然としなくなる」 ことなどあり得ない。カードが深・進化することはあっても混乱したり退化することはない。

カードは、復習を重ねるたびに、離れ難く身近な景色になっていく。忘れがたい景色になっていく。何度見ても飽きない景色になっていく。

3.例外

A方式について上記に記した不都合は、たとえば英検準1級程度の人が高校生用の初級英和辞典を暗記する場合などには、あまり障害にならないこともある。B方式より効率的になる可能性もある。この辺は各自の判断に待つしかないと考えます。

まず、自分なりのアイデアを実行して、いろいろ試行錯誤してみましょう。語彙強化法の議論が真に有効になるのはそうした実体験のあとです。 とにかく、何か実行すること

4.最後に述べておきたいこと

各自の 「塔」 は、各自に独特な創造物であるということ。すぐれて個性的な所産だということです。

学習辞書は、それがいかに秀逸なものであっても、大量生産の商品です。

ところが、そんな規格品から生まれる「塔」 は、あくまであなたのDNAのなせる業です。 だからこそ、暗記の効率的なツールとなり得るのです。

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なぜ「塔」ブログを書いているのか?

私は日本語の読書と同レヴェルで英語の読書がしたかった。

そのためには5万語超の英語の認識語彙を獲得する必要があった、ぜひ獲得したかった。

だから「塔」を建設した。

私のような強烈な動機のない人たちにとっては、「学習辞書暗記は」??????であることはよく理解できる。

たとえば日本語でもしゃべるだけで読むことなどほとんどしない人にとって、語彙強化など無縁でしょう。

また、ものを読むといっても各自にいろいろな状況があって、さして語彙不足が気にならなかったり、現行の語彙でも特に不満のない人たちもおられる。

そんな人たちも「何でそこまで・・・」という気持ちになるだろう。

それは、それで、不思議でもなんでもない。普通のことだと思う。いや、それこそ普通だろう。

だから、語彙強化はひとりでタンタンと勤しめばいいのかもしれない。

しかし、なかには語彙不足を強烈に感じている人もおられる。それで、「塔」を訪ねてくださって「へー、そんなやりかたもあるのか!」と共感して改めて語彙強化に取り組む人が出てくるかもしれない。「塔」がブレイク・スルーのきっかけになるかもしれない。

そんな気持ちで「塔」主を続けている。

「塔」を訪ねたあとで、実際に「塔」その他の語彙強化を新たに始めた人たちもおられる。

それはたいへんいいことだと思う。

Happy learning !

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なぜ手間・暇のかかるカードを使用するのか?

「アンチ・バベルの塔」 の本来の目的は、5000~1万語単位で現代英語の語彙を強化することです。

そして、それなりの大人の標準的な語彙 (=ネイティヴ・スピーカーのの高校生~大学生レヴェル) を習得するのが目的であれば 「① 中級学習英英辞典 ( or それに匹敵する英和辞典)」、教養ある大人の語彙に迫りたいのであれば 「② 上級学習英英辞典 ( or それに匹敵する英和辞典)」 で塔を築く必要があります。

「塔」 を築くことは、各自の現行の語彙に5000~1万語単位で新たな語彙を追加することです。

具体的には、① であれば約1000ページ、② であれば約2000ページの辞書と格闘することです。

① であれ ② であれ、通読するだけでも大変価値のある辞書です。辞書の各語彙をていねいに読むだけでも、たとえば「やさしいものをとにかくたくさん多読」するだけの学習に比べて、英語の理解は格段に進みます。

未知語彙をマーカーなどでチェックしながら辞書読みを実行すれば、それなりに語彙も増えます。

ただし、① や ② を1回通読するだけでもけっこう根気・時間を要する作業ですよ。

ましてや、マーカーなどでチェックした未知語彙を、分厚い辞書を手にして5~10回繰り返し復習する作業はほんとうにきつい。

しかも、マークした未知語彙をそんなやり方で覚えきれるかというと、それは完全に不可能です。現に、私は何度も失敗しました。そんなやりかただけではなく、みなさんが想像できるありとあらゆる (カードを使う方法以外の) やりかたも、もちろん、試しましたが、5000~1万語単位の語彙増強にはことごとく失敗しました。

だから、最初からカード方式を採用したのではありません。 ありとあらゆる方法で試行錯誤したあとでの最終結論がカード使用を切り札とする 「塔」 方式だったのです。

1000~2000ページもの辞書のチェックした箇所を何回読んでも5000~1万語単位の語彙増強は無理です。納得できない方はぜひぜひ試してください! 成功したら、つまり自分で実証できたら、みなさんに教えてあげてください。その場合、私は喜んで「塔」を永久に閉鎖します。

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前に記述したカード使用に関する記事を、参考のため、再録しておきます ( なお、「塔」建設中の記事であることを念頭において読んでください )↓

暗記媒体としては情報カードが最善だと思います。「アンチ・バベルの塔の建設法」で私が書いたカードをぜひ試してください。

安価なカードですし、まず試されるよう強くお勧めします。使ってみなければ便利さが実感できないと思いますが、たいへんな優れものです。また、使っているうちに、独自の自分にあったカードの利用法も案出できるでしょう。

情報カードの他にない利点は、「物理的な区切り」を明確にできることです。本のように綴じた形式では不可能なことです。

暗記法などはありません。真っ向から覚える「正攻法」です。ただし、自分なりにどんな方法でも試してみたら楽しいですね。また、コーヒーの染みがついた単語なども記憶しやすくなります。

私は、夢の中でしゃべる言葉の半分が英語で、語彙カードもよく夢の中に登場します。語彙の列が、覚えている順番に、映画のフィルムのように、ゆるやかに回転するのです。つまり、私の脳は夢の中でも復習をしているわけです。最初はびっくりしましたが今は楽しみになりました。

私は、音声ツールはほとんど使いません。発音記号を見れば完璧に発音できるからです。

発音記号をマスターされていないなら(=すべてのスペルを発音記号で表記できないのであれば)音声ツールを併用して発音記号を徹底的にマスターしましょう。発音に関しては「英語耳(松澤喜好 著)ASCII刊」が好著です。

カードはパンチで穴を開け、リングで50~100枚単位でまとめて持ち歩くといいです。復習などの区切りは色の「ふせん」を張っておくと便利です。

最初は50枚ほど貯まるまで毎日復習しましょう。完璧に覚えたら、10日間ほど復習の間隔を置いても大丈夫です。最終的に1ヶ月程度の間隔までもっていければいいでしょうが、私もまだそこまで踏み切れません。

どうしてもやる気のしないときや時間のないときは「復習だけ」にしましょう。復習さえしておけば、たとえ6ヶ月や1年の間新規の記憶が途切れても、復習している分だけは確実に脳内に蓄積されていますから、また再開できます。時間は貴重ですぞ!

記憶の定着していない語彙を1週間以上放置するとちょっとやばいですよ。

Have fun!

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「アンチ・バベルの塔」検証(1)で次のように書きました。

『 3.カードを使用すること

カードだから、携帯・着脱・その他の取り扱いが自在で容易です。数十枚~100枚単位でパンチ穴をあけてリングに通し付箋を利用して復習した部分を区切っていけばたいへん効率よく繰り返し学習が可能になります。その他自分なりにいろいろな利用法を考案して能率アップを図れるはずです。ノートやルーズリーフよりずっと優れていますからぜひカードを使いましょう。必ずそのよさを実感できます。実際に使って見なければ分からないでしょうが、あらゆる方法を試してきた私の証言ですから確かですよ。』

このカードにはさらにもう一つの特徴があります。大きさです。182×128ミリの規格でいわゆる「単語カード」とはまったく異なるカードです。個々の語彙を個別に書き込む「単語カード」と違って4~5つの語彙の定義やら例文やらを表に書き込めるし裏面いっぱいが空いているので図その他の追加情報を後で追加することができます。前にも述べましたが、1枚に数個の語彙を書き込む方式の方が「単語カード」方式よりはるかに覚えやすいのです。前後の語彙の関連も分かりやすいしその分イメージも定着しやすいからです。

故・品川嘉也(生理学者)著 『右脳理論によるスーパー記憶術(ごま書房)』のなかで次のように書いておられます(タイトル以外の太字はk.y.)。

(引用開始)

18 記憶カードは表にキーワードを書き、裏に関連情報をたくさん書き込むと効果的

(k.y.注: 「アンチ・バベル」のカードは表・裏ではなく左に各語彙と例文・右にその定義を書いて、裏面は、将来に関連情報を追加して塔を充実させるために空けてあります。同じ面に定義を書いたほうが忘れた時に早くチェックできる利点もあります)

 メモやノートのほかに、情報を書き付ける道具として私たちはカードをよく使う。もっとも代表的なのが、いわゆる単語カードと呼ばれる、短冊状のもの。表に英単語、裏にその意味を書き込んで、何度も繰り返し眺めた経験のある人も多いことだろう。
 カードといえばこれしか思いつかない人もあるかもしれないが、記憶の効率を考えると、じつはこうした小さなカードは、不適当なのである
 表に英単語、裏にその意味というのは、いかにも簡潔で、覚えやすいように思われるかもしれないが、これが間違い。その上何度も言ってきたが、そもそも情報というのはあるまとまりがなければ頭にはいらないし、定着しない。だからカード学習でも語とその意味だけのいわばバラバラの小さな用語・単語帳では、記憶を増やす助けには、ほとんどなりえないと考えた方がいい。(k.y.注: みなさんが「丸暗記はダメ」という理由のひとつは、この「バラバラの単語集」のイメージかもしれません
 したがって記憶のためのカード術を考えたら、もっともいいのは、まず、ある程度の書き込みができる最低ハガキ大の大きさのものを使うこと。学生の単語カードでは、表は一語でもいいが、裏には、意味のほか、その語を使った構文や用例を書けるくらいのカードを使うのだ。
 これは当然ビジネスマンにも応用はきく。ふつう、メインのキーワードがあればそれに関連するキーワードがあるはずで、それを拾い上げる。そして、それらをイラストや記号で結ぶ。あるいは、裏には、また後ででも、雑誌や本で気になる内容が見つかったら、それをコピーして適当なキーワードの項に貼り込んでいく。もちろん盛り込む情報が多すぎては、本と同じでカードの意味もなくなるが、その点ではハガキ大のスペースが、はいる量もしれていて、まさに左脳の整理速度に合ったものということができる
 左脳の整理速度がスロー過ぎては、雑念がはいって脳が道草をくってしまうが、今いったように、記憶のためには、カードも、ある情報のまとまりがあったほうが、左脳の最高速度を維持でき効率的なのである。 (引用終止)

私は、経験を通じて、品川先生とまったく同じ結論に達していたことになります。

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何はともあれ実行あるのみ! 口だけでは時間のむだです。


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進化しないリスニング教材

私は、前に、 「リスニングの自然な限界」 という記事で ― 私にはほとんど聞き取れない英語の歌詞を100%聞き取れるという日本人の方もおられる。とても信じられない。英語の映画もすべて聞き取れると言う方もおられる。「そりゃないでしょう!」と思う ― と書きました。

日本語でさえ、妻や子どもたちの会話、歌詞、映画の台詞が時々聞き取れない、たまにはまったく何を言っているのか分からないことだってある。

ところが英語のリスニングになると、ネイティヴ・スピーカーでさえ聞き取れないものを含むリスニング教材がある。

私も、ネイティヴ・スピーカーではないから、どの部分がネイティヴ・スピーカーでも聞き取れないのか、どの程度聞き取れないのか、まったく聞き取れないのか、あるいは聞き違えるのか、というようなことはあまり見当がつかない。

つまり、リスニングの練習をしている人は「聞き取れなくてあるいは聞き違えて当然な部分にもかかわらず聞き取れないと思って不当に悩んでいる可能性も多分にある」ということだ。

ネイティヴ・スピーカーの聞き違えの具体例として前回に http://www.amiright.com/misheard/stories/ のサイトを紹介しておいた。これを読むと実におもしろい。

さて、小手鞠るい (コデマリ・ルイ) ― (岡山県生れ。同志社大学法学部卒業。作家・詩人・翻訳家で1992年からニューヨーク州に在住。ご主人は白人・米国人・米語のネイティヴ・スピーカー ) ― さんが 『諸君(文芸春秋社)』 の2007年3月号に 「折り目正しき日本人英語 ― 私の英語論 ① 」 と題された興味深い記事を書いておられるが、その中に、ご主人のリスニングに関する言及がある。それを引用しておきます ( 省略・太字は k .y. )↓

(引用開始) 私の夫は・・・「ごく普通のアメリカ人」であり、英語ネイティヴである。そんな夫がしょっちゅう、こんな愚痴をこぼしている・・・「ああ、英語がなかなか通じなくて苦労した」 あるいは映画館を出たあと、「あの俳優の英語は、まったく理解できなかった。あとでDVDを借りて、字幕付きでもう一度見てみないと」・・・ (引用終止)

現行の英語・リスニング教材はこうした事実をまったく考慮していない。英語のネイティヴ・スピーカーが実際どれくらい正確に聞き取れるのかというチェックなしに教材を作成している。聞き取れなくて当然な部分まで聞き取らせようとしている可能性がある。

英和辞典は20世紀の末~現在にかけてコーパスやネイティヴ・スピーカーの積極的な活用によって顕著な進歩を遂げている。今日買ってきた 「ロングマン英和辞典」 は、英語の語彙の記述に英語の「コーパス(Longman Corpus Network )及びネイティヴ・スピーカーのエキスパート」を駆使していることはもちろん、和訳などについては 「ロングマン現代日本語コーパス」及び日本人辞書編纂チームが共同参画している。英日両言語の 「コーパスとエキスパート・グループ」 の本格的なコラボレーションによって完成された「英和辞典」 です。

そんな進化を継続している英和辞典に対して、リスニング教材は ― ネイティヴ・スピーカーのリスニングの実体を反映していない ― という重要な欠点を抱えたままである。

追記: 本文とは関係ありませんが http://www.youtube.com/watch?v=DPAZQ6mhRcU  ( 三島由紀夫の英語 )


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復習こそ最高の記憶術・続・続

前回に ― 「暗記など無意味です、そんな作業は楽しくもないしすぐ忘れてしまうからです。そんなことをするなら~の方法で楽しく覚えましょう。~の方法でやれば1週間で○○百もの単語が覚えられます」などというアフターケアーのない無責任な議論がまかり通っています。しかし、その覚えたものを維持する具体的な方法はまったく示されていません ― と書きました。

覚えたものを維持する具体的な方法は、「何回といわず繰返す復習 (熟達すれば、復習に要する時間はどんどん短くなる)」 だけです。奇策などあるはずもない

私の 「アンチ・バベルの塔」 は35.8セット(1セット=カード100枚)のカードからなっています。復習は、毎日、その1セットか2セット ( 所要時間は30分~1時間 ) を、待ち時間その他のすきま時間も活用して復習します。

できる人の勉強法 (安河内哲也著・中経出版』 を読むと、勉強 (=訓練と暗記→安河内さんの定義 )を、複数の皿を回し続ける皿回し にたとえていて、私は 「その通りだ!」 と感心しました。

私の 「アンチ・バベルの塔」 の復習 は、33枚の皿回し「33セットのエビングハウス忘却曲線」を急激な右下がりではなく平行線に保つことです。

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上記の安河内さんの本から引用しておきます↓

(引用開始) 1個目の皿をまわしたら、2個目の皿をまわし、次に3個目、4個目・・・。5個目の皿をまわしたあたりで1個目の皿がグラグラしてくるから、もう一度1個目の皿をまわします。次に6個目の皿をまわしていると2個目の皿がグラつきはじめるので、もう1度まわして・・・。(途中省略) 勉強もまさにそれと同じです。新しい皿を10枚、20枚、30枚とどんどんまわしていきつつ、それらのすべてがつねにまわっていられる状態を保つことで、実力がついていくのです。(引用終始)

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「アンチ・バベルの塔」 は、皿作り (学習辞書からの未知語彙転記) と 皿回し (転記カードの復習によるメンテナンス) のシステムです。

独自の皿作り (=自分にぴったり合った皿作り) は大変な作業ですが、皿回しは、絶えず訓練を怠らないことによって、予想以上に熟達します。

Happy learning !

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チャールズ・ディケンズの語彙(20)

私の父の目は閉じていた(過去完了) on the光 of この世界 6ヶ月 when 私のもの 開いた on it

My father's eyes had closed upon the light of this world six months when mine opened on it.

私の父がこの世の光に目を閉ざして半年経ったとき、私が目を開けた。

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今、柳沢厚生労働大臣の 「女は産む機械」 発言が物議をかもしていますが、男は絶対に 「産む機械」 にはなれません。

だから、My mother's eyes had closed upon the light of this world six months when mine opened on it. とは絶対になりえないわけです。

いや、それが違う! ディケンズの時代に不可能であったことが今は可能になっている↓

「白血病など血液のがんの治療により不妊になる恐れがある未婚女性の卵子を将来の体外受精に備えて凍結保存するという臨床研究の実施を、日本産科婦人科学会は22日開いた小委員会で認めた」(2007年1月23日 読売新聞より)

そうなると、文学も変わらざるを得ないでしょうね・・・

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体外受精 external fertilization; 〔人工的な〕 in vitro fertilization; 《口》 test-tube fertilization.

体内受精 internal fertilization; 〔人工的な〕 in vivo fertilization.

受精卵移植 【医】 ( an ) embryo transplant [transfer]; transplantation of a fertilized egg [ovum]

『新和英大辞典(研究社)』 より

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語彙強化法をめぐる議論

語彙強化あるいはボキャビルをめぐる議論で最も注目を浴びるのが具体的な方法論でしょう。

大方の人が、語彙強化法として、2つのことに興味を示します。

① 多読
② (「アンチ・バベルの塔」またはそれに匹敵する)語彙リストの暗記

私は、 ① は、主として情報収集や娯楽などのためであって、優れた語彙強化法になるとはまったく考えていません。その理由の仔細については既に何度か書きましたので繰返しませんが、骨子は、① だけでは 「have や make などの基本語の語義・語法」、「複数の意味を持つ語彙」、「5万語超の標準語彙」 を習得するのは明らかに不可能だし、「未知語彙確定・既習語彙復習」の効率も非常に悪いことです。「アンチ・バベルの塔」には程遠い 「市販の単・熟語集」 だけでも、暗記・復習効率などは ① よりはるかに高い。

納得できない方は ① ② をそれぞれ6ヶ月~1年間実際に試してみて(議論だけでは永久に不毛!)成果を比較すればよい。そうすれば、いやでも、違いを実感できますよ。

ちなみに、精読・精聴は、文法・構文・解釈・語彙を含めた総合的な英語学習に有効であることはみなさん異論はないでしょう。

ただし、② そのものを目的化してはいけないし、語彙強化も ② だけで完結するものではない

目的は ( クロス・ワード対策 etc.の場合を除いて ) 日本語と同レヴェルの読書や音声情報の利用」です。そのプロセスで、② で新たに習得・確認した語彙の理解が深化し応用力が強化される、つまり 、② の補完作用が行われることも確かな事実です。

① だ いや ② だと不毛な議論をしている暇があるなら、有限な時間を浪費せずに、① も ② も両方実行する (できたら、時期を限って②に集中する ) ほうがよほど実りが大きい!

その実行は、各自にいろいろ事情があって、難しいことですが・・・

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