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英語学習法(30)

斉藤兆史著 『 これが正しい!英語学習法 (ちくまプリマー新書)』 は、文法・読解・筆写・音読・暗礁・多読 などを軸とする地道な勉強が英語学習の正道だとしている。

正道を歩むことが、日本で生まれ育ち日本で教育を受ける人たちの英語学習法として最も合理的で有効であることは、私の体験からも、疑いようがない。

『 これが正しい!英語学習法』 を読んで、「言葉は自然に覚えるものではない(3)」で触れたこと意外に印象に残ったことをいくつか列記しておきます。

1 ノートを2つ(2つの用途のために)用意すること。

まず、模範的な英文を筆写するため。 斎藤さん曰く 「名文を実際に手で書き写すことで、そのリズムや構造を体で覚えるのです。」 江戸時代の儒者・新井白石は9歳のとき毎日4千字の筆写を実行していた由。

次に、単語帳にするため。 もちろん、英語学習の核心をなす語彙力養成が目的。 斎藤さん曰く 「辞書を引く回数、単語帳の冊数、それが増えるにしたがって、確実に英語力がついていきます。」 これは 「アンチ・バベルの塔」 の未知語彙カード作成に相当し、ノート作成の後に必要な復習のプロセスも 「塔」 と同様である。 ただし、忘れた場合に同じ語彙をまたノートに記入する点と、範囲 (「塔」 は 「上級学習辞典」 の全語彙をもって覚えるべき範囲とする)」 を定めていない点で、「塔」 と異なる。 『 これが正しい!英語学習法』 は初心者を主たる対象とした本であるためかと思う。 

3 文法に関して、丸暗記の必要な場合があること。 たとえば 「太郎が悪い」 は 英語で Taro is to be blamed. ではなく Taro is to blame. となるが、blame が他動詞であることを考えれば実に不合理である。 こんな場合は文法的な説明は不可能だから丸暗記するしかない。 斎藤さんは、高1のとき、英文法の参考書を4回通読し、時には細部を丸暗記して、文法の基礎をかなり固めることができたそうだ。

4 英語で考えることに関係すると思うが、斎藤さんは、 いつも日本で生活していて英語がスラスラ出てくるわけでもないのに自由英作文をしてもろくな英文が浮かぶはずもない、だから、日本語で考えてちゃんと英訳するほうがはるかに効果的だとする。 その通りだと思う。 平凡な英語力しかないのに 「英語は英語のままで!」 を徹底していたら、 生涯 幼稚な英語 を書き続ける危険性が高くなる。 私はこのブログでさえ自由には書けない。 国語・漢字辞典が欠かせない。 ましてや英語を書くのは異次元のプロセスである。

ちなみに、卓越した作家 Thomas Pynchon が小説を書く際には数百回書き直すらしい。

5 斎藤さんは、自分自身の英語学習について、今までに少なくとも5~600冊の英書を読み、毎日英語のラジオ・ニュースを聴き、英語で作文し、1年365日英語に触れない日はないと言う。 できる人ほど努力するのが世の常でしょう。

Happy learning !

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