« なぜ手間・暇のかかるカードを使用するのか?・続 | Main | 英語学習の諸相 と「塔」 (2) »

英語学習の諸相 と「塔」 (1)

英語学習に順番があるとすれば、1.音声 2.文法・構文 3.大人のレヴェル ( 5万語超 ) の語彙獲得 の順になると思う。 併行して訓練しなければならない時期もある。

3 は最も時間がかかる営為であるが、今や、私のようなごく普通の人にも不可能なことではなくなった。

-----------------------

1 は、単に単語の発音だけではなく、熟語などのチャンクになった表現の音声、文章のリズムなどを含んだ発声法全般のことである。

訓練法は個々の音の発音練習と、音読やシャドーイングの励行である。 「A 自分の声」 を録音しておいて 「B ネイティヴ・スピーカーの声」 と比べる作業も欠かせない。 後で自分の声を聞いて、A と B が即座に区別しがたいほどになれば英語の音声認識も格段に容易になる。

それから、発音記号を完全に覚えることも忘れてはならない。

発音記号を知らなくても、最近の辞書は、特に学習英英辞典は、すべての見出し語に (辞典によってはすべての例文にも) 音声がついているので、我流の発音は (怠慢でない限り) 避けようと思えば避けることができる。それでも、発音記号を駆使できるのとできないのとでは音声の精度が違ってくる。 だから、発音記号は、ぜひマスターしておきたい。

---------------------------

2 は、英文の構造を理解しそのルールを効率よく習得するためのこの上なく優れたツールである。標準英語ならこのルールから逸脱することはあまりないし、逸脱する場合でも、ルールを知っていれば、それがどのように逸脱しているのか推理できるので、ひどい誤解は回避できる。

文法・構文を無視することは、英語学習を救いがたく非効率で混乱したものにし、いつまでたってもブロークンな英語から脱出できなくなる。

-------------------------

1 や 2 は、従来から、完全に(あるいは実用上支障がない程度に)習得することもそんなに困難なことではないし方法も確立している。 とりわけ 1 はやさしい (世に喧伝されているほど困難ではまったくない! 必要なのは適切な指導法だけ )。 2 の習得は、1 より根気はいるが、参考書を熟読して練習問題をこなせばいいわけで、さほどの難物ではない。

ちなみに、2 が学校で重視されるのは、本(参考書・教科書・問題集)だけで数百時間ぐらいかけたら習得できるので、教えるのも勉強するのも容易だからである。学校教育に最適の分野なのだ。

--------------------------

3 は 習得の困難さの面で 1 や 2 の比ではない。 

最近まで5万語超の大人の語彙習得は事実上不可能だと思われていた。 いや、必要語彙数が5万語超だと認識している人たちも稀だったし、その5万語超が具体的にどの語彙であるかを示せる研究もツールもなかった。

しかし、「アンチ・バベルの塔」 で明らかになったように、3 の習得も ( 少なくとも認識語彙に限れば ) 今や可能である。 

まず、コーパスに依拠した 「学習辞典」 が出現して、「どの語彙を覚えたら充分なのか」 かという習得目標の明確な提示が可能になった。

目標が特定されたら、次に必要なのは、どのように覚えるかという方法で、そのひとつが 「アンチ・バベルの塔」 である。

|

« なぜ手間・暇のかかるカードを使用するのか?・続 | Main | 英語学習の諸相 と「塔」 (2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/13856663

Listed below are links to weblogs that reference 英語学習の諸相 と「塔」 (1):

« なぜ手間・暇のかかるカードを使用するのか?・続 | Main | 英語学習の諸相 と「塔」 (2) »