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「百パーセント二ヶ国語完璧はありうるか」他

坂井セシルさん(パリ第7大学東洋語科主任 日本語科教授) は、普通の人からみれば (多分だれがみても) 完璧な日・仏バイリンガルである。

幼い頃から日・仏バイリンガルで育ち、フランスで、日・仏文学を修め、仏文学修士・日本語修士・日文学博士。

坂井さんは 「百パーセント二ヶ国語完璧はありうるか」 という記事を書いて ― おそらくあり得ない。私の場合は15年間 (1995年当時 ) フランスで生活しフランス語で講義していて仏語が優勢で、翻訳は常に日→仏で仏→日は決してない。私は日本語で話しても科学的・音声学的に分析すると、鋳型となっているのは日本語ではなくフランス語である ― という趣旨のことを語っておられる。

坂井さんは17歳まで日本で生活し、その間学校はフランス人学校、日本語の勉強は個人教授を受けていた。

読書はについては ― 子どもの頃 → 仏語 15~6歳 → 日本語でも読み始める  → 日・仏両語で完璧に読める 由。

翻訳に関しては ― 両言語のしっかりした知識、とりわけ訳文言語の深い教養、さらに膨大な時間 ― が必要で、「日本語とフランス語はきわめて距離の遠い言葉ですから、何度も何度も読み返して手をくわえ手を加えして、はじめて満足のゆくものになる」 ― と書いておられる。

以上、『世界の翻訳家たち(新評論)』 より。

膨大な時間! これを無視して効率ばかり追い求めても前には決して進まない。何も達成できない。

何も達成できなければ、向上がなければ、効率を論じることなど滑稽(こっけい)でしかありません。

真のプロであればあるほど膨大な時間の必要性を痛感していると思います。


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Comments

以前,書き込みさせていただきましたtakaと申します。

質問があり書き込みさせていただきます。
「百パーセント二ヶ国語完璧はありうるか」他へのコメントではありません。済みません。

今,「アクセスアンカー」を利用してアンチ・バベルの塔を建設しており,
例文が無いものについては電子辞書の英英辞典(確かオックスフォード系)
から例文を取り出しているのですが,この例文探しに非常に時間が掛かる上,
探した結果,例文が無いということも結構あります。

そのため,例文が豊富に載っている英英辞典(CD-ROM付き)の購入を
検討しているのですが,何がいいのか迷っています。
現在,下記の2つを検討しています。

「Longman Dictionary of Contemporary English 」のCD-ROMには
雑誌などからの100万の用例が収容されたexample bankと言うのがあるようで,
これにしようかと思っているのですが,
15万5,000語に対しての100万用例なので殆どの単語に例文があると考えてもいいのでしょうか。
それとも,辞書本文と同じように例文のあるものと無いものとがやはり有るのでしょうか。

立ち読みした感じからすると,辞典本文の例文の豊富さは
「Cambridge Advanced Learner's Dictionary 」が一番のようで,
上記のLongmanとどちらにすべきか悩んでおります。

よろしければ,アドバイス,お勧めをお教え頂ければと思っています。
よろしくお願いします。

Posted by: taka | February 19, 2007 at 10:35 PM

taka さん、こんにちは。

以下の3点、参考にしていただければ幸いです。

1 「アクセスアンカー(1万語前後の基礎・必須語彙)」について:

とりあえず、そのまま(例文のないものはないまま)覚えてしまうのもひとつのやり方です。「アクセスアンカー」だけでも征服することは大きな成果になるからです。また、1万語前後の基礎・必須語彙は、本を読めば高率で出会う語彙ばかりですから、読書が例文発見につながります

他方、例文を探し出すのであれば、時間がかかるのは当然のこと・やむを得ないことです。例文探しは、決して時間の浪費ではなく、学習の一環です。何と言っても、基礎・必須語彙ですから。

2 すべての語彙に例文が添付されている辞書はありません。ただし、あくまで例文が必要な場合は、Googleで検索するのがいいでしょう。公式サイトなどにある文章であれば充分例文として利用できます。

ただ、1の場合と違って、すべての語彙に例文を求める実用性はないでしょう。

3 「Longman Dictionary of Contemporary English 」のCD-ROM付き:

もちろん、これでOKです。その他代表的な学習英英辞典であれば、それぞれに特色はありますが、どれも遜色ありません。

15万5,000語に対する100万用例にすべて目を通すだけでもたいへんなことです。それをちゃんと理解するには高度な英語力も欠かせません。私は、ときどき利用しています。

「Cambridge Advanced Learner's Dictionary 」の場合、CD-ROM を利用して「Smart thesaurus」をクリックすると、ほとんどの見出し語彙の類義語がズラッと(語彙説明つきで)提示されます。これはありがたいツールです。

とにかく、今の学習英英辞典は、決して消化しきれない質・量を備えた貴重な情報の宝庫です。どれでもいいですから、自分の好みのものを、「実際に使って」学習に「役立てたり覚えたりする」ことこそ重要です。

Happy learning !

Thank you.

Posted by: k.y. | February 20, 2007 at 03:17 PM

ご丁寧なアドバイスありがとうございました。

「アクセス・アンカー」レベルの語彙は通常の読書で確認できるというのも納得が行きましたので,とても気になるという語彙以外は,例文無しでそのままカードにしてみようかと思います。

また、「Longman Dictionary of Contemporary English 」のCD-ROM付きが気になり始めていましたので、参考用に思い切って購入してみようかと思います。

Posted by: taka | February 20, 2007 at 06:09 PM

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