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英語の語彙:雑談(44)

you に3人称単数のSがつくの?

You pays your money and (you) takes your choice.

pays や takes は文法的にはもちろん正しくない。

しかし、この表現はこのままでないと正しくない!

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《口語》 ( どれを選んでも同じようなものだから ) 運を天に任せて好きなように. ★わざと文法的に誤った言い方.( 『研究社・新英和大辞典より』 )

"Is there life after death? Does life have a purpose? Or is everything just chance?" "Don't ask me. You pays your money and takes your choice."(「死後の世界はあるのだろうか? 人生には目的があるのか? それとも,すべてはめぐり合わせにすぎないのだろうか?」「そんなの,おれに分かるか。自分の考えたいように考えればいいさ」 ( E-DIC より)

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英語の語彙学習の定義と各自の学習 (1)

世の中に、英語の語彙学習のための教材はあふれています。

しかし、英語の語彙学習とは何かを定義したものは皆無です。

これは、考えてみれば、不思議なことです。 

そもそも何が語彙学習かも分からずに本が書かれたり読まれたりしているわけです。 そして、だれもそのことに疑念を抱かない。 

「語彙学習は終わりがない」 というような焦燥感を抱いてしまう原因は、何が何やら分からずに学習しているからではないのか?

大学受験や留学や資格試験の準備をするためのせいぜい1万~1万5000語までの中途半端な語彙集や学習ガイドしか市販されていない原因もそこにあるのではないか? 

知らず知らずのうちに市販の語彙集をやることが語彙学習だと思い込んでいるからあれこれ(実は似たり寄ったりのレヴェルの)教材をはしごして埒が明かないのではないのか?

大学受験や留学や資格試験の準備を全うして試験に合格し留学を終えてもやっぱり英語の雑誌やペーパーバックを日本の雑誌やペーパーバックのようにはとうてい読めない。

ブレイクスルーはどこにも見当たらない。

それは、定義がないからだと塔主は考えるようになりました。

それで、私の 「英語の語彙学習の定義」 をしておこうと思います。

英語の語彙学習とは、各自の日本語の語彙レヴェルまで英語の語彙レヴェルを上げること」です。

これは、何度も述べたように、決して 「果てしない学習」 ではありません。 

日本人の日本語の語彙数は2万~6万語ぐらいです。 語彙数が2万語の人なら英語の語彙数も2万語にすればいいし、6万語の人なら英語の語彙数も6万語にすればいい。 それで終わりにすればいい。

かといって、自分の日本語の語彙数がいくらなのか知る必要などありません。

「上級学習辞典」 に記載されている語彙から自分が必要だと思う語彙をピックアップして覚えていけばいいだけです。 不要だと考える語彙はどんどん削ればいい。 そうすれば、自ずと、あなたの日本語の語彙に相当する英語の語彙の相貌が現れてきます。

必要なのは各自に必要な語彙数です。 他人の語彙数は無視すればいい。 もっと必要だと思えば、日本語も英語も、それなりに勉強すればいい

ただし、2万語未満の語彙はほとんどだれにとっても過小な語彙であることをしっかり認識しておきましょう。

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『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号』 の記事に対するコメント(2)

前回に引用した「ひたすら暗記するしかない。どれだけやっても終わりがない。語彙の学習には、単調で非生産的なイメージがつきまとう」 ということについてもうすこし考えて見ましょう。

私は 「終わりがない」ことはない。 「終わりはある」 ― 「上級学習英英辞典」 に掲載されている語彙をすべて覚えたら、認識語彙に関しては、日本語と変わらなくなる。それで終わりにすればいい ― と言いました。

それを超える語彙は、日本語の語彙を蓄積するように ― つまり、いろいろな読書を楽しんだり情報を収集したり勉強したりする内に ― 蓄積していけばいい。

さて、「終わりは必ずある」のだが、その終わりに到達するためにはどのくらい時間が必要なのか

「塔」 建設を開始する前提条件は、英英辞典の語義説明を充分に理解するのに必要な数千語の基礎語彙が既にあることは当然のこととして、「見出し語の6割内外が既に既知語彙であること」 です。

ページあたりの見出し語が20であれば未知語彙は8つ、30であれば未知語彙は12個程度であることが前提条件です。

「上級学習英英辞典」の見出し語総数はだいたい5万内外だから、その内の3万語ぐらいは既知語彙である必要があります。そうでないと挫折する可能性が実に大きくなる

その段階に達していない人は 「中級辞典」 や 「初級辞典」 や 「入門辞典」 など、各人に応じたレヴェルからスタートすればいい。

上記の前提条件があるとして:

「上級英英学習辞典」 の場合はどの辞書でもだいたい2000ページ前後。 

「塔」 方式ではまず未知語彙を選択してカードに転記する作業があり、その転記作業は、毎日7ページこなしていけば1年間弱、2ページなら3年間余り、1ページなら7年間弱、半ページなら14年間弱で終了します。

その転記作業に要する総時間数は約5000時間。 これは、英検1級合格に要する総学習時間(学校教育も含む)に匹敵します。 決して無駄な時間ではありません ― やってみればわかります。 辞書を丹念に読まざるを得ないわけですから濃密な勉強そのものです。 もちろん、この作業をしながら相当数の語彙は、記憶程度の強弱は別にして、頭に残ります。

プラス、暗記だけに要する時間が1000~2000時間から。 この時間数は人によってかなりの差が生じるでしょう。

さらに、できるだけ毎日30~1時間 ( 徐々に短くなる ) の復習が必要です。

そんなに時間が要るのか!? と思いますか?

しかし、私たちが日本語の大人の認識語彙5万前後を獲得するのにほぼ22年間 (1日8時間日本語に接しているとして約6万5000時間) かかっているわけですから、外国語である英語の語彙を獲得するのに数千~1万時間要しても何も不思議なあるいは不合理なことはないでしょう。

やっぱり、そこまでできない?

それなら、達成レヴェルをごく普通のネイティヴの大人の語彙数まで下げたらいいと思います。 それでも、ネイティヴのレヴェル(特に低いレヴェルでは決してない) です。普段の生活やベストセラーを読むのに困ることはほとんどない。

そのレヴェルは「中級学習英英辞典」、もっと具体的に言うと、たとえば、『Longman Dictionary of American English ( 1055ページ) 』 です。

総ページ数は1000ページ、見出し語総数は約2万語。負担は一挙に軽くなる。 毎日数時間学習できる学生であれば在学中に充分達成可能。 しかも、達成レヴェルは、日本人としては極めて稀で高いレヴェル。

だから、この中級レヴェルを達成目標にしてやり通せたら、瞠目(どうもく)すべき成果になりますよ! 

そして 「中級」 を終えたら (それで終了にしても御の字だが) 、「上級」 の背中が見えてくる

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『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号』 の記事に対するコメント(1)

「成人の語彙蓄積」 で言及した 『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号 特集 「英会話の科学」 』 の 記事「7つのコツで語彙力アップ」 を再読しながら、コメントしてみます。

この記事は ― 「ひたすら暗記するしかない。どれだけやっても終わりがない。語彙の学習には、単調で非生産的なイメージがつきまとう」 ― という書き出しになっています。

私も昔はそう思っていました。きりがない。果てしがない。いくらやっても次から次と未知語彙がでてきて止むことがない。そんなふうに感じていました。

しかし、これは間違った考え方です。人間の頭に蓄えられている語彙は無限大ではありません。通常は5~10万語ぐらいです

ネイティヴ・スピーカーの語彙数については、「どのような語を1語と判断するのか?」 などの基準の違いによって、諸説あって議論をしだすとそれこそきりがない。

また、そんな議論を続けても実益はない

覚えるべき語彙さえ分かれば、その他の議論は、言語学者でもなんでもない一般の英語学習者には不要です。

そして、コーパスの登場のおかげで、今や覚えるべき語彙の選択に迷うことはありません

コーパスに依拠して編纂された 「上級学習英英辞典」 に記載されている語彙を覚えたらいいわけです。

「上級学習英英辞典」 の語彙をみて 「こんな語彙は不要じゃないか?」 と思う場合は、各自の責任でその語彙を無視すればいい。「統計上客観的に必要とされる語彙」 と 「各人が必要だと思う語彙」 が一致しなくても不思議なことではない。だから、「上級学習英英辞典」 に記載されていなくても人によっては必要な語彙もあるだろう。そのような判断は各自に行えばよい。

ただ、語彙強化の主要な基準を 「上級学習英英辞典」 に置くことについて反論する合理的な理由は見当たらない

実際上も、私の経験からして、「上級学習英英辞典」 の語彙をすべて覚えてものを読むのに困ることは、専門分野などを除いて、まずありません。 もちろん未知語彙が絶える事はありませんが、そのために理解が妨げられることはない。それは、日本語でものを読む場合と同じです。

先に、「人間の頭に蓄えられている語彙は無限大ではありません。通常は5~10万語ぐらいです」 と書きましたが、その5~10万語を記載しているのが 「上級学習英英辞典」 です。だから、「上級学習英英辞典」の語彙=英語圏の現代人の語彙 と考えてもいいわけです。

「上級学習英英辞典」の見出し語は5万語前後でその他にイディオムやスラングなどが非常に多く記載されています。重要なのは見出し語彙だけではなくその他の語彙も必須であることは当然なのですが、語彙強化というと見出し語(単語)だけに注目しがちな人が多いことも否めません。あらゆる語彙・表現をおろそかにしないことが肝要で、そのことは日常的に読書をする人なら痛感しておられるはずです。

さて、今回言いたかったことは、「ひたすら暗記するしかない。どれだけやっても終わりがない」 ことは決してないということです。

追記:http://sanshisuimei.cocolog-nifty.com/_the_tower_of_antibabel/2006/03/post_21ed.html の記事もぜひ読まれたし。


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成人の語彙蓄積

ものを読むのは、主として娯楽あるいは情報収集または何かを学ぶためであって、語彙を強化するためではありません。

しかし、読みながら、 「おもしろい語彙だなあ」 とか 「これが専門用語だ」 とか印象に残ったり必要だと思ったりする語彙は記憶に残り蓄積されていく。

これが、一般的な 「成人の語彙蓄積」 でしょう。

ただし、そんなことが可能になるには既知語彙率がほとんど100%の場合である。

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昨日近所の書店で偶然目にして買ったのが 『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号』 で、特集が「英会話の科学」 。

その特集の「7つのコツで語彙力アップ」 という記事の中に ― 興味のあるものを多読すれば既知の文法・語彙を深めて英語を楽しむために有効である。 ただし、語彙強化という点では効率的ではない。 既知語彙が95~98%でなければ未知語彙の意味を正しく推測できないからだ ― という趣旨のことが書いてある。

つまり、多読で語彙を増やすことは期待できない。多読すれば、既知語彙の「復習と深化」に役立つけれども、未知語彙を既知語彙に転化できる可能性は ― ゼロではなくある程度は可能だが ― 非常に小さい。

したがって、このブログで常に主張しているように、語彙強化と多読は併行して行うべきである。それぞれ役割が違うからで、一挙両得はおぼつかない

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「アンチ・バベルの塔」を完成させたら、実用英語に関する限り ― たとえば日本でなぜか大人気のTIME誌の英語は典型的な実用英語であるが ― 「成人の語彙蓄積」が可能になる

日本の総合雑誌などを読んで語彙が蓄積されていくのと同じ現象が生じる。

「塔以前」の世界とはまったく別次元の、実に楽しく幸せな世界が眼前に展開する! 

「塔」建設は5~10~20年かけても価値のあるプロジェクトだといえる所以(ゆえん)である。

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チャールズ・ディケンズの語彙(24)

これらの証拠s of an不一致 of 気性 誘導した ミス・ベッツィ  to 慰謝料を払って彼を追い出す、and 果たす a別居 by 相互の合意

These evidences of an incompatibility of temper induced Miss Betsey to pay him off, and effect a separation by mutual consent.

そんなわけで性格の不一致が明らかとなり、ミス・ベッツィは慰謝料で彼をお払い箱にして互いの合意による別居を果たした。

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induce

1 formal to persuade someone to do something, especially something that does not seem wise
induce somebody to do something
Nothing would induce me to vote for him again.

( LDOCE )
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真の語彙強化(4)

前回に 「イデアル・ティプスのコーパス人」 について書きました。

今回は、そんな 「コーパス人」ではない生身のネイティヴ・スピーカーの語彙獲得について再度考えてみます。

たとえば日本語のネイティヴ・スピーカーである日本人はどのようにして語彙を獲得・蓄積するのでしょうか?

それに関して、http://www.obunsha.co.jp/files/document/070319.pdf に旺文社が実施した興味深い調査の結果が公表されています。調査対象は主として小・中学生。

調査方法は、「2006 年12 月に行われた、第14 回 『実用日本語 語彙力検定 ( 検定についてはhttp://www.kentei-center.com/cot_goi_kentei.html ) 』の受検者に対して実施した『第4回 ことばに関するアンケート』(有効回答数10,405 人)」。

アンケート回答者の内訳は、小学生=65.9%(6,856 人)、中学生=32.9%(3,421 人)、高校生=0.7%(68 人)、その他=0.6%(60 人)  男子=55.2%(5,743 人)、女子=44.4%(4,625 人)、不明=0.4%(37 人)。

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「あなたは『ことば』を主にどうやって覚えますか?」との設問(複数回答)に対する回答

「学校の授業や教科書で」(48.7%
「学習塾などで」(41.4%
「両親や祖父母」(37.0%

「テレビのニュースで」(29.1%)
「テレビのバラエティ番組、クイズ番組、ワイドショーなどで」(19.2%)
「テレビのドラマ、アニメなどで」(10.4%)
以上、「テレビ」合計は 58.7%
「マンガ・雑誌で」(20.5%)
「マンガ・雑誌以外の本で」(16.1%)
「新聞で」(10.0%)
以上、「活字媒体」合計は 46.6%

「インターネットで」(6.6%
「テレビゲーム、カードゲーム(攻略本、説明書等含む)などで」(6.7%

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テレビの影響が依然として大きいなとは思ったが、そんなに意外な結果ではない。 語彙獲得の度合は (語彙の種類にもよるが)、前から述べているように、教育や活字媒体の影響を強く受けることもよくわかる。 日本人は日本語を「無意識に自然に覚える」などという主張には根拠がない。 「いわゆる自然に」 覚えるのは非識字者 (文盲) でも知っている語彙に限られる。

このような語彙獲得の実態は、英語のネイティヴ・スピーカーでもそんなに変わらないと思います。

つまり、日本語でも英語でも、生身のネイティヴ・スピーカーは身近にいる人や教育や活字媒体などを通じて語彙を獲得し蓄積していくわけです。

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