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『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号』 の記事に対するコメント(4)

「成人の語彙蓄積」 で言及した 『ニューズウィーク日本版・2007 - 4・25 号 特集 「英会話の科学」 』 の 記事「7つのコツで語彙力アップ」 の記事に ― 英語圏に住み、会話や読書を通してボキャブラリーを自然に増やせば理想的。だが日本のような環境では、単語帳などを使った意図的な学習と組み合わせるほうが効率がいいことが、多くの研究で明らかになっている ― という記述があります。

ここでも相変わらずの誤解が気になります。「英語圏に住み、会話や読書を通してボキャブラリーを自然に増やせば理想的」 という部分です。いつまでこんな陳腐なデタラメがまかりとおるのでしょうか?

英語圏に住んで語彙数がせめて2万語程度まで自然に増えた人がいますか? そんな人はだれもいません。 自然に増えるわけがない! 

ネイティヴ・スピーカーであっても、そのせめて2万語語のレヴェルまで自然に到達するという事実はまったくない。

なるほど、ネイティヴ・スピーカーであれば小学校に入学するころには自然につまり意図的な学習なしに1万語を超える語彙数に到達しています。

しかし、それからせめて2万語から さらに3~4~5~10万語に達するには教育を受ける必要があります。意図的に本を読み学校のテストのために勉強し先生に指導されなどしながら語彙を蓄積していくわけで自然に放置したら2万語にすら達しない。

学校で落ちこぼれた人でも何とか2万語程度の語彙まで習得できるのは教育のあるいは教育に触発された学習意欲のたまものです。

語彙が大人のレヴェルまで自然に増えるという事実はどこにもない。

ネイティヴ・スピーカーであれば日常生活で使われる1万語前後の語彙は自然に習得します。ただし、自然に増えるのはそこまで。 しかも、そのレヴェルまで到達するまでに、1万5000~2万時間終始英語を聞いたりしゃべったりしているという厳然たる事実があります。

もうひとつ看過できないのは、その1万語ぐらいの語彙を土台にして始めて小学校入学以後の語彙強化が可能になるということです。 1万語ぐらいの語彙を前提にして教育を受け文字を覚え本を読むようになって語彙がどんどん強化されていく。

普通の日本人はいくら英語の語彙力がありますか? 1万語のレヴェルに達している人さえそんなに存在しない。

たいていは数千語のレヴェルです。

そんな状態で英語圏に住んでも、どう考えても自然に語彙が増えることなどあり得ない。 

このことをしっかり認識しない限り、いつまでたっても語彙強化の迷走が続くことになります。

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